髪をカールさせたり、ストレートにしたり、ヘアスタイルを自在に整えることができるヘアアイロン。手軽におしゃれが楽しめる一方で、髪にダメージを与えてしまうのが悩ましいところ。おしゃれのためには仕方ない……と諦めていた人に朗報です! ダイソンから、過度な熱に頼らずヘアセットができるヘアスタイラー「Dyson Airwrap スタイラー」(ダイソン エアラップ スタイラー・以下、エアラップ)が発売されました。
髪が勝手にスルスルと巻きついていく!
2年前に登場して話題をさらったヘアードライヤー「Dyson Supersonic Ionic(ダイソン スーパーソニック イオニック)」の次なるヘアケア家電となる本品。一見、ヘアアイロンのようにも見えますが、ヘアアイロンと何が違うのか。まずは同社エンジニアのヴェロニカ・アラニス氏の実演を見ていただくのが早いかもしれません。
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なんと、エアラップを髪に近づけたとき、髪が勝手にスルスル~と巻き付いていきました! この動作を初めて見たとき、いわゆるオートカールアイロンのようなものかな、と思いました。近年、ヘアアイロンのプレートが回転するものや、髪をスルスルと巻き込んで内部のアイロンで熱を与えるものなどが続々と登場しており、この類かと思ったのです。しかし、このエアラップは回転していない……一体なぜ? 実は本品、高速・高圧な気流が物体に沿って流れ、周囲の空気を引き寄せる「コアンダ効果」を利用し、髪を引き寄せて巻きつける気流を生み出しているのです。
小型でパワフルなモーターで引き寄せる気流を作り出す
では髪を巻きつけたあと、どのようにカールを作るのか? アラニス氏によると、ヘアスタイルを作るアプローチは2つあるといいます。1つは乾いた髪に高い熱を与える「dry to dry」法。しかしこの方法はご存じのように、髪のたんぱく質を変性させ、ダメージを与えてしまいます。もう1つは「wet to dry」という、湿った髪を乾かしながら髪に形をつける方法。髪は濡らすと内部の水素結合が分解されて髪のクセがリセットされ、乾かす過程でスタイリングすればキレイにセットしやすくなります。エアラップは、この「wet to dry」を利用しているのです。
なお、エアラップに採用されたモーターは、先述のスーパーソニックにも搭載されている小型でパワフルな「ダイソン デジタルモーター V9」。毎分最大11万回転し、3.2キロパスカルの風圧を生み出すことでコアンダ効果を発生させます。このコアンダ効果がカーラーの周囲に連続的に流れる気流を生み出して髪を引き寄せて巻き付け、ドライヤーの温風と風圧でスタイリングを可能に。髪を傷める原因となる過度の熱を与えることなく、カールヘアが実現するというわけです。
エアラップには、6種類のアタッチメントが付属し、カール、ブロー、ドライなど、スタイリングによって使い分けます。さらに同社ヘアードライヤーと同様、風温を毎秒40回以上測定し、過度に熱くならないよう制御する「インテリジェント・ヒートコントロール」機能も搭載。髪を傷めにくい100℃前後の温風でスタイリングします。
本体を回さずに形の良いカールができた!
エアラップは、髪が濡れた状態から8割程度乾かしてから使用します。アタッチメントを使い分けたスタイリング方法を、人気スタイリストの朝日光輝氏に実演していただきました。以下、画像とともに振り返っていきましょう。
実際に筆者も体験させていただきました。使い始めは、髪を引き寄せるという感覚が分からず、髪がキレイに巻き付かなかったのですが、2回目からは近づけるだけでスーッと巻き付いてくれるように。しかも、キレイにキュッと巻き付いてくれるので、本体を回すことなく形の良いカールができました。
温風でスタイリングするという意味では、カールドライヤーに近い気もしますが、高い風圧を利用しつつ、髪を乾かしながらスタイリングするため、スタイリング力はヘアアイロン並み。それでいて髪が傷みにくいというのは、さすがダイソン。毛髪科学の研究に約88億円を投資したというのもダテではありません。
価格は全てのアタッチメントが付属した「Dyson Airwrap Volume+Shape」が公式オンラインストアで6万4800円。スムージングブラシ(ハード)、ラウンドボリュームブラシなどを省略した「Dyson Airwrap Volume+Shape」が5万9400円。価格は高めですが、筆者を含め、もうヘアアイロンで髪を傷めたくない……という人にとって求める価値はあると感じました。