家電
2018/11/28 19:00

パナvsダイソン 2大高級ドライヤーの「独自機能」を徹底比較!

高級ドライヤー市場で人気を二分するパナソニック「ナノケア」とダイソン「Dyson Supersonic Ionic(スーパーソニック イオニック)ヘアードライヤー」。ナノイーとミネラルマイナスイオンを搭載し、“髪質改善”を謳うパナソニック、高圧・高速気流の風で髪の根元から速乾するダイソンともに、うれしい機能が満載ですが、果たして買うべき1台はどちらなのでしょうか。連載の3回目となる今回は、乾燥モードやアタッチメントを含めた「独自機能」をチェックしました。

【その他の連載記事はコチラ】

第1回 【2018年版】パナvsダイソン 2大高級ドライヤーの「乾燥力」を徹底比較!

第2回 【2018年版】パナvsダイソン 2大高級ドライヤーの「使い勝手」を徹底比較!

第4回 【2018年版】パナvsダイソン 2大高級ドライヤー「3項目徹底比較」の最終結論

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

ナノイーとダブルミネラルマイナスイオンで乾かしながら“髪質改善”が可能

↑画像クリックで楽天市場の最新の価格比較サイトにジャンプします

パナソニック

ヘアードライヤー「ナノケア」 EH-NA9A

実売価格1万9520円 ※価格はすべて編集部調べ

ミネラルマイナスイオンを発生させ、髪を乾かしながら“髪質改善”できるヘアードライヤー。パナソニック独自の微粒子イオン「ナノイー」と2つの亜鉛電極から発生するミネラルマイナスイオンがキューティクルを引き締め、髪の摩擦ダメージや紫外線の影響を抑えて、しっとりまとまる髪へと導く。毛先集中ケアモードからスカルプモード、スキンモードなど、地肌から毛先、肌までケアできるモードを搭載。

SPEC●サイズ/質量:W214×D92×H228mm/約575g(セットノズル含まず)●消費電力/1200W(ターボ時/ホット時)●風量/約1.3㎥/分(ターボ時)●コード長/約1.7m●付属品/セットノズル

 

エントリーその2

高圧・高速気流で髪の根元から毛先まで優しく速乾

ダイソン

Dyson Supersonic Ionic(ダイソン スーパーソニック イオニック) ヘアードライヤー

実売価格4万8600円

コンパクトながら一般的なドライヤー用モーターの最大8倍速く回転する「ダイソン デジタルモーター V9」を搭載。取り込んだ空気を3倍に増幅し、高圧・高速気流の風が髪の根元から毛先まで速乾する。さらに「インテリジェント・ヒートコントロール」機能を搭載し、過度の熱ダメージから髪を守るため、温風の最高温度は100℃に抑えるなど、髪へのダメージを抑える機能があるのも特徴だ。

SPEC●サイズ/質量:W78×D97×H245mm/約630g●消費電力/1200W(最大)●風量/約2.4㎥/分●コード長/約1.9m●付属品/ダイソン スムージングノズル、ダイソン スタイリングコンセントレーター、ダイソン ディフューザー

 

【テスト内容はコチラ】

髪を整えセットするモードやノズルなど、髪を乾かすだけではない独自機能の実力や使いやすさをチェックします。

 

【テスト結果はコチラ】

エントリーその1
パナソニック
ヘアードライヤー「ナノケア」  EH-NA9A

髪の毛から地肌まで、潤いを与えるモードが満載

前編でも触れたように、パナソニック「ナノケア」はモードが多彩。基本的な仕様として、「ナノイー」とミネラルマイナスイオンが髪に潤いを与えてしっとりまとまりやすくしてくれるほか、「温冷リズムモード」「毛先集中ケアモード」「スカルプモード」「スキンモード」「インテリジェント温風モード」を備えています。これらは髪を乾かすときに上手に組み合わせることで、髪はツヤツヤ、地肌にはしっとり感をもたらすというもの。さっそくいくつかのモードを試してみましょう。

 

温風・冷風を交互に出して髪を整える【温冷リズムモード】

↑髪を乾燥させる際に使う「TURBO」または「DRY」のときに、丸い「風温切替ボタン」を一回押すと「温冷リズムモード」に

 

髪は温められると形を変えやすくなり、冷やすと固まるため、温風と冷風を交互に当てると髪の表面が整います。そんな性質を利用して、しなやかでツヤ感のある髪に仕上げてくれるのが「温冷リズムモード」。周囲の温度を検知して、最適な間隔で温風と冷風を交互に自動で出してくれます。

↑手ぐしでテンションをかけながら、頭頂部から毛先に向けて当てていきます。「温風」「冷風」のセットを2~3回繰り返していくと…

 

↑髪が細く、静電気で浮きやすかった髪(左)が、キレイにひとつにまとまりました(右)。ツヤもあるように見えます

 

散らばりやすい毛先を集中的にケアする【毛先集中ケアモード】

↑「毛先集中ケアモード」は、温冷リズムモードの毛先バージョン。風の強さを弱風の「SET」に合わせた状態で、「風温切替ボタン」を1回押します

 

毛先にまとまりが欲しいときは、「毛先集中ケアモード」を使用します。こちらは温冷リズムモード同様、周囲の温度をセンサーで自動検知し、最適な間隔と風量で、毛先の仕上げに適した温風・冷風を交互に発生させるもの。風量が強いと毛先が散らばりやすいため、あえて髪に風を当てやすい弱風で、じっくり集中的にケアすることが可能です。

↑毛先を手ぐしでまとめながら、毛先の内側と外側の両方から風を当てていったところ、バラツキがちだった毛先がしっとりまとまりました!

 

地肌をやさしく乾かす【スカルプモード】

髪の根元を乾かしたいときに使うのが、地肌をやさしく乾かすスカルプモード。パナソニックのドライヤーはダイソンに比べ根元が乾きにくいため、まずスカルプモードで髪の根元をしっかり乾かしておくと、乾き残りが防げます。

スカルプモードにすると、風温が60℃と低温になるため、地肌に当てても熱く感じません。地肌に風を当てると、水分たっぷりのナノイーが潤いを与えて乾燥を抑えるほか、余分な皮脂を周辺の水分と混ざりやすくするメリットもあるそう。

↑「スカルプモード」で風量と温度を計測したところ、10.8m/秒と風量はTURBO(計測では13.6m /秒)より少し弱め。また頭皮に当たる風の温度は40℃前後なので、頭皮に直接当たっても熱く感じません

 

肌の水分量が増える【スキンモード】

ヘアケアだけでなく、なんと美肌ケアまでできちゃうのも「ナノケア」のウリ。通常、ドライヤーの風が顔に当たると乾燥の原因になるため、できるだけ当てないほうがいいと言われていますが、「スキンモード」で風を当てると、乾燥するどころか、肌がしっとりするといいます。実際、使用前と使用後をスキンチェッカーで比較したところ、確かに肌がうるおうことがわかりました。

↑洗顔後、15分放置した頬の水分量をスキンチェッカーで計測してみると、なんと18%! 普通の肌で35~50%だそうなので、かなり乾燥しています。これはマズイ!

 

↑スキンモードで1分間、左右に振りながら顔に風を当てました。ナノイーが出ているのはドライヤーの上部なので、ここを当てるイメージで!

 

↑水分量を計測すると、29%までアップ。さらに1分間追加して顔に当てると、31%まで上がりました。これは確かに潤っている!

 

ほかにも、室温が18℃以上の高い場合に、通常の温度より温度を下げるので、暑い時期でも快適に乾燥できる【インテリジェント温風モード】もあります。これがあれば、夏にシャワーを浴びた後、髪を乾かしているうちにまた汗をかいてしまう……という不満も解消できそうですね。

エントリーその2

ダイソン

Dyson Supersonic Ionic

ダイソンの独自機能は付属するノズルにあり!

一方、ダイソンで設定できるのは、風量3段階と温度3段階、そしてクールショットのみで、パナソニックのような複数のモードは搭載されていません。ただし、温風でヘアドライしている途中でもクールショットを押せばすぐに冷風に切り替わるので、手動で温風と冷風を繰り返す“温冷ケア”もカンタンです。

↑青い印がついたクールショットボタンを押せば、温風でドライ中でも冷風に切り替えられます。使用中に親指で押しやすい位置にあるのもポイント

 

また、ダイソンは風圧が強いので、髪がまとまりにくいイメージもありますが、付属する3つのノズルを上手に使いこなせば、よりツヤのあるキレイな髪に整えることができます。つまり、“ノズル”もダイソンの独自機能ということになりますね。

↑写真手前左が「ダイソン スタイリングコンセントレーター」、右が「ダイソン スムージングノズル」、奥が「ダイソン ディフューザー」

 

↑マグネット式なので、近づけただけで強力にピタっとくっつきます。取り外すときに少し力が必要ですが、使用時はしっかりと装着して使用できます

 

最後に使えば、手触りなめらかに仕上がる【ダイソン スムージングノズル】

↑手ぐしで乾かすのに適した「ダイソン スムージングノズル」。ノズルの向きは、手で簡単に回すことができます

 

ブラシを使わずに手ぐしで自然に仕上げたいときには、「ダイソン スムージングノズル」が最適。風の流れをコントロールし、髪表面をなめらかに整えてくれます。このとき、地肌と直角ではなく、毛の流れに沿って上から下に、髪全体をなでるように当てていくのがポイント。

↑高い位置から下に向かって風を当てていきます。確かにこれならなめらかに髪が整う!

 

ドライの最後にこのノズルを使えば、手触りなめらかに仕上がることがわかりました。スピーディに髪を乾かしたあと、仕上げに使うという手順がオススメ。ちなみに、後頭部など乾かしたい位置によっては、ノズルを使いこなすまで多少の慣れが必要です。

 

ピンポイントのセットに役立つ【ダイソン スタイリングコンセントレーター】

続いては、ブローするために設計されたという「スタイリングコンセントレーター」を使ってみます。スムージングノズルよりさらに口が狭いノズルから、風圧の高い風が集中して出てくるため、ブローしたい箇所に風を的確に当てられるのが特徴。ブラシと合わせて使うことで、ブローのほか、ソフトなカールを作ることも可能です。

↑「ダイソン スタイリングコンセントレーター」は、先述のスムージングノズルとよく似ていますが、口が狭いぶん、集中的に風を当てることができます

 

↑前髪のセットに使ってみました。カールブラシに前髪を巻き付け、温風を当てた後冷風を当てると、ふんわり横に流れる前髪に

 

↑裾もさりげなく内巻きにしたら、「きちんと感」を出すことができました

 

カールやウェーブを崩さず、ふんわりブローできる【ダイソン ディフューザー】

こちらはパーマがかかった髪をブローできる「ディフューザー」。風を均一に分散させることで、本来のカールやウェーブを崩さず、やさしい風でふんわりブローできます。自然乾燥に近いイメージで乾かしたいときもオススメとのこと。

↑特にパーマがかかった髪によさそうなノズルです

 

実はこのディフューザー、私のようなパーマがかかっていないヘアスタイルにも使えます。筆者は、以前参加したダイソンの体験会でストレートヘアの毛先に動きを出し、ゆるふわ系スタイルに仕上げる方法を教えてもらっていたので、以下写真の通り、改めて試してみました。

↑少し湿らせた髪の毛先を指でクルクル巻いて、ディフューザーで下から持ち上げるように風を当てます。ある程度温まったら、今度はクールショットで冷やして固めます

 

↑もともとストレートだった髪(左)が、ふんわりニュアンスあるスタイルに(右)!

 

ちなみに体験会では、頭の高い位置でおだんごを2つ作り、デュフューザーでおだんごを覆うようにじっくり温風で温めてから風で冷やし固め、外国人風のウェーブヘアも作っていました。なお、普通は同じ場所にドライヤーの風を当て続けると熱く感じますが、ダイソンには過熱を防ぐ「インテリジェント・ヒートコントロール」機能がついているので安心です。

 

【検証のまとめ】

パナソニックは髪と肌がうるおうのがうれしい!

「独自機能」に関しては、パナソニックとダイソンがまったく違った方向性を示していました。パナソニックは、とにかく「潤い」を重視。ナノイーとミネラルマイナスイオンを利用して、髪全体から毛先、頭皮、肌にまで、それぞれの場所に適した風量、風温で潤いを届けてくれます。驚いたのが「スキンモード」を使って計測した際、本当に肌の水分量がアップしていたこと。髪を乾かすついでにフェイシャルケアまでできるのは、忙しい人にうれしい機能です。

 

ダイソンは乾燥からヘアセットまで1台で完結する

一方、ダイソンは強い風速・風圧をノズルで見事にコントロールしている印象。風圧が高いぶんテンションもかけやすく、キューティクルが整ってツヤ感がアップしたように感じます。また、ヘアセット力が高く、ドライのついでにストレートから巻き髪まで整えられるのは便利でした。

 

次回は連載の最終回。これまで行ってきた「乾燥力」「使い勝手」「独自機能」の3つの検証を振り返り、パナソニックとダイソンの違いを明らかにしていきます。

 

【最新の価格情報は以下をチェック!】

パナソニック

ヘアードライヤー「ナノケア」 EH-NA9A

 

ダイソン

Dyson Supersonic Ionic ヘアードライヤー

協力:楽天市場

 

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