ダイソンが従来のドライヤーとは一線を画したデザインと機能を持つ「Dyson Supersonic」を発売してから2年。今度は日本の空調家電メーカー、cado(カドー)が新たに理美容家電メーカー、cado cuaura(カドークオーラ)を設立し、斬新なデザインのヘアードライヤーを発売しました。それがこの「BD-E1」(実売価格3万240円)です。
カドーの「鼻」がないドライヤー、使い勝手はどうなのか?
一般的なドライヤーとは明らかに違うのは見ての通り、いわゆる”鼻”がないこと。まるで元々あった鼻を丸ごとカットしてしまったようなデザインです。このノーズレスデザインにどのような意味があるのか、ドライヤーとしての性能や使いやすさはどうなのか、さっそく試してみました。
最初に基本構造をチェックしましょう。ほとんどのドライヤーに必ずある“鼻”がないのですから、構造そのものに違いがあるはず。まず一般的なドライヤーは、本体の後ろに空気の吸込口があり、後方にあるモーターでファンを回転させて風を作り、ノーズ内のヒーターで風を温めて前方から吹き出します。この構造だとモーターとヒーターの間に距離ができるため、モーターが高温になるのを防ぐことができます。
吹出口とヒーター部に遠赤外線効果の高い素材を使用
一方、BD-E1は両サイドに空気の吸込口があり、円形の本体の中にモーターとヒーターが隣り合わせで設置されています。そのためモーターが高温にならないよう、モーターとヒーターの間の隔壁に工夫を施し、遮熱をしっかりと行っているとのことです。
吹出口を見ると、ハニカム構造のセラミックカートリッジが搭載されています。これは遠赤外線効果が高いオーラストーンに、テラヘルツ鉱石の粉末をブレンドしたもの。さらにヒーター部のニクロム線にもセラミックコーティングを施しており、ダブルの遠赤外線効果(デュアル遠赤外線)が期待できるとしています。
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ダイソンに迫る風量!カドーのドライヤーは速乾力も高かった
実際に濡れた髪を乾かしてみました。操作方法はごくシンプルで、風量は3段階から選択が可能。温度は選べませんが、温冷切り替えボタン(C/H)があり、ボタン一つで風量はそのままに、冷風に切り替えることができます。
風量を最大にしてみると、かなりの大風量! それもそのはず、BD-E1の最大風量は2.2㎥/分と一般的なドライヤーの風量をはるかに超えているのです。ちなみに業界最高クラスのダイソンの風量は2.4㎥/分なので、まさにダイソンに迫る勢い。しかも、鼻がない構造上、かなり地肌の近くまで吹き出し口を近づけることができ、大風量を髪にムダなく当てられます。
一方、地肌に近づけると熱さが心配ですが、同じ場所に当て続けるのでなければ、むしろ暖かくて心地よい感じ。スペック上の最高温度は85℃と低め(室温30℃時なので、実際はもっと低い)なので、髪や地肌を傷めにくいのも安心です。そのぶん乾燥時間は遅いのかな…? と思いきや、いつも通り乾かしてみたところ、乾燥時間はなんと5分38秒と超スピーディ! 筆者の場合、ダイソンドライヤーでの乾燥時間が5分前後だったので、それに近い速さです。
実際、どれくらい風速と温度が髪に届いているのでしょうか。風速計で測ってみると、風量1で8.5m/秒前後、風量2で11.7m/秒前後、そして風量3で13.1m/秒前後。温度はだいたい50℃前後という結果に。ちなみにダイソンの風速が実測21.4m/秒だったので、風速の点ではダイソンが圧倒的です。
風速がダイソンには及ばないものの、これに迫る速乾性を実現したのは、大風量のほか、遠赤外線の影響もありそう。遠赤外線には濡れた髪の内側にも熱を届ける効果があるため、外側と内側から乾かしている状態になっている可能性があります。ちなみにメーカーによると、遠赤外線には温熱効果のほか「細胞の活性化や新陳代謝の促進など健康作用にも効果がある」とのこと。髪を乾かしながら地肌ケアができるのはうれしいですね。実際、髪を乾かした後しばらくの間、頭皮がポカポカしていたので「血行がよくなっているのかな?」と感じました。
カドーのドライヤーは小回りが利くから、サクサク乾かせる
一通り髪を乾かして感じたのが、「髪を乾かしやすい」ということ。まずノーズがないぶん小回りが利いて、風を当てたい場所にピタッと当てることができます。また腕を動かす高さも最小限でよく、頭頂部や後頭部の髪もラクに乾かせました。
また、鼻がないぶん、重心バランスがよく安定して持てるだろう…というのはダイソンの経験上わかっていましたが、それ以上に軽く感じました。それは、人差し指を本体下の窪みに引っ掛ければ安定する構造のおかげ。使っているうちに自然と窪みに指がはまってくる絶妙なバランスに、感動すら覚えました。ハンドルを握り込まず、軽く支える程度で持てるのも、疲れにくい理由なのでしょう。
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吹出口を下にしてそのまま置けるカドーのドライヤー
形状がユニークなぶん、収納スタイルも実にユニーク。ノーズがないので、吹出口を下にすれば、安定して置くことができます。スリムなので洗面台に出しておいても場所を取らないのが便利。逆にどこかに収納しようとすると、ハンドルが折り畳めないので、長さのある場所を探さないといけません。
ちなみに、ブロー(乾かしながらセットやスタイリングすること)では付属のノズルを装着します。付属ノズルは、マグネット式で着脱も簡単。装着したあと、くるっと回せばノズルの向きを自由に変えられます。温風で乾かしたあと、温冷切り替えボタンを押して冷やし固めればセットもバッチリです。
カドーのドライヤーの欠点は、ほこりのたまりやすさ
なお、しばらく使い続けていたら、サイドのフィルターにホコリが溜まっていることに気が付きました。カバーの溝が深く、ティッシュなどでは取り除けなかったので、ホコリは使用済み歯ブラシで除去。内部にホコリが溜まった時は、掃除機で吸い取るそう。少し面倒ですが、ホコリが溜まると性能が落ちたり、異常の原因になるため、こまめなお手入れが必要です。
カドー ドライヤー「BD-E1」レビューまとめ
速乾性、髪への優しさ、使いやすさと3拍子が揃っている
初めて見たときは、ドライヤーとしては違和感のあるデザインに驚きましたが、毎日使っていると、改めてマットな質感やシルバーのカバーがスタイリッシュに高級感が感じられます。実売価格は3万240円と高価ではありますが、長寿命のDCブラシレスモーターを採用しており、耐久性も安心。そして何より速乾性が高く、髪に優しく、使いやすいと3拍子揃っています。フォルムが奇抜なだけに、デザイン先行か? と思われがちですが、なかなかどうして、思った以上の機能性でした。ぜひ実物を手に取って、まずはその取り回しのしやすさから確かめてみてください。
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