《肌への負担》
3分間のシェービング後にある程度肌のひりつきを感じた
本機の深剃り性能がかなり優秀だと感じた一方、肌への負担はやや大きめ。シェービング中はまったく気にならなかったのですが、3分シェービングしたあとに、ある程度ひりつきを感じました。特に深剃りしたいと思った口元やあご、鼻の下などにひりつきがあったので、シェービング中に少し肌に圧力をかけすぎてしまったようです。2回目からは肌にかける圧力を極力減らすように心がけたため、ひりつきはかなり減りましたが、そうすると若干深剃り具合が落ちてしまいます。
筆者はふだんそれほど深剃りにはこだわらないので、本機を軽く肌に当ててのシェービングは快適でしたが、深剃りこだわる人はアフターシェーブローションなどを用意したほうがいいでしょう。
ちなみに本機の外刃は独立して沈み込むフロート構造になっていますが、ヘッドは左右のみ可動し、上下や前後には動きません。そのぶん、人の顔の形状には十分追随できているとはいえず、部分的に余計に肌に負担がかかったのかもしれません。
《操作性》
重さはあるがホールド感はまずまず。ヘッドの可動性はやや物足りない
IZF-V998は重さが約268g。手に持つとずっしりとした重みがあり、特に本体上部に重心があると感じます。また、グリップの角張った部分に人差し指が当たり、ゴツゴツとした無骨な印象です。
では、持ちにくいかというとそうではなく、本体が重いせいもあってしっかり手のひらに収まります。3分程度の使用時間なら、「使っていて疲れる」という感覚もありませんでした。
ヘッドの動きに関しては、「肌への負担」の項目でも書きましたが、ヘッドが左右にしか動かないのが高級シェーバーとしては物足りなさを感じました。剃り残しなく、また肌に負担をかけずにヒゲを剃るには、ユーザーが丁寧にヘッドの角度などを調整しながらシェービングする必要があると感じました。
電源ボタンは一度押すと「通常モード」で運転スタート。もう一度押すと「ターボモード」になり、さらにもう一度押して運転終了します。つまり通常モードでヒゲを剃ったあと、もう2回ボタンを押さないと運転終了できません。細かい部分ですが、これには毎回少しだけ煩わしさを感じてしまいました。逆に「ターボモード」をふだん使う人は、毎回2回ボタンを押してヒゲを剃り始めるのが気になるかも。
電源ボタンとモード変更ボタンを別にするというのもありますが、そうすると操作する場所が2つになる面倒もありますし、コストも余計にかかるので、難しいところです。せめて最初にボタンを押したときに「ターボモード」になり、次に「通常モード」になるとモーターパワーがだんだん弱くなるイメージで運転終了できるので、気分的にも煩わしさが少ないかなと思いました。
充電時間は2時間で、フル充電すると、1日1回3分のシェービングが28日間行えます。これはシェーバーのなかではかなりスタミナがあるほう。ただ、本機には洗浄充電器がついており、毎日使用後に電気シェーバーを洗浄したい人には「28日使える」のはオーバースペックと言えなくもありません。その代わり、出張に持っていく場合は、かなりの長期出張でも電源アダプターを持っていかずに済みそうです。