家電
掃除機
2019/7/8 21:15

「軽いけど吸う」そんな掃除機あるわけ…あった! シャープの「鉄の玉もエライ吸い取る」パワフルモデルを詳しく紹介

ここ数年参入メーカーが増えて活気づいているカテゴリーといえばコードレススティッククリーナー。昔ながらのキャニスター掃除機と併用する使い方のみならず、最近では、単体で家中を掃除するメインとしての需要も増加中。とはいえ、メインで使用するならパワーが欲しい、でもパワーを求めると重くなる……。今回、シャープがそんな悩みを解決したコードレススティッククリーナーを発表しました。

【関連記事】

ラグも壁際もへっちゃらです! 1.5kgのシャープ軽量スティック掃除機が進化した

 

サブかメインかで選ぶモデルが変わってくる

まずは、国内のコードレススティッククリーナー市場について説明がありました。その人気の理由は、共働き世帯の増加によって「週末のまとめ掃除が増えたこと」「すきま時間にさっと掃除をするニーズが増えたこと」が挙げられます。

↑シャープの資料によると、2018年にはキャニスターとスティックの市場での割合が逆転したことがわかります

 

そんな人気のコードレススティッククリーナーですが、実はさらに用途別にニーズが異なります。キャニスタータイプを既に持っていて、サブ機として使用する場合は軽量を重視したタイプを、キャニスターから買い換えてメイン機として使用する場合は、高価格のパワー重視のタイプを購入しているとのこと。

↑用途によって選ぶタイプが異なります。例えば、買い増しの対象となるのがマキタやアイリスオーヤマなどは軽量タイプ。買い替えの場合はダイソン、シャークニンジャ、パナソニックのパワーコードレスといったパワー重視タイプが選ばれます

 

パワー重視のモデルは重さへの不満が多くなる傾向に

シャープスモールアプライアンス事業部 商品企画部の奥田哲也部長はコードレススティックの使用状況について次のように話しました。

 

「高性能でパワー重視型のモデルにも不満もあります。コードレススティックスティックというのはその構造上、モーターや電池といった重量の重いパーツが手元にあるのですが、それを持ちながら掃除をすることになります。

 

パワーがアップすればするほど電池の容量が重くなり、またモーターも重くなりがち。そのため、重さに対する不満が出やすくなります。当社の調査では、キャニスターからの買い替えが進むにつれてスティック掃除機の満足度が低下しているという結果が出ました」

↑シャープの調査によると、「手元が重い、掃除がしにくい」など高性能のスティッククリーナーには不満も多いことが分かりました

 

なるほど。理屈は分かりますが、ユーザーとしては、軽くて、なおかつパワーがある掃除機がないものか、と求めてしまうもの。そんなわがままに答えた製品が、7月25日に発売する「RACTIVE Air POWER(ラクティブ エア パワー)」SRシリーズというわけです。

↑ラクティブ エア パワー ER-SR3シリーズ(左、以降SRシリーズ) 店頭予想価格はバッテリー2個、スタンド台、コンパクトふとん掃除ヘッドなどを付属するEC-SR3SXが9万円前後、バッテリー1個、スタンド台などを付属するEC-SR3Sが8万円前後(右側に展示してあるのは、6月に発売したラクティブ エアEC-AR3シリーズ)

 

 

バッテリーを大容量化し、大風量モーターを搭載してパワーアップ

SRシリーズでは、大容量の高電圧バッテリーと大風量高圧3Dファンモーターを搭載しました。さらに吸排気の経路を最適化し、従来比約1.5倍の吸引力を実現したといいます。

↑従来モデルのスクリュー(左)が平面だったのに対し、新モデルのモーター(右)は円錐形のスクリューになりました。これによってボディが小型したにもかかわらず、パワーのある気流を起こし吸引力をアップしました

 

↑これまで18.0Vだったバッテリー(下)を25.2Vへと容量アップ(上)。充電時間はバッテリー1個あたり約80分。最長の運転時間は弱モードで約90分です

 

↑カセット型のバッテリー。充電中にコンセントを塞がないプラグなので使いやすいです

 

パチンコ玉より小さい鉄の玉を使った従来機ARシリーズとの比較デモも行われました。吸い取った玉の量が両者で大きく違ったことから、吸引力の差があるのがよくわかります。

↑6月に発売した軽量タイプのARシリーズ(左)と、鉄の玉を吸い取ってパワーを比較しました

 

↑SRシリーズ(中)はしっかり吸い取っていますね。ダストカップの容量は0.2Lと十分です

 

ヘッドではブラシの毛質やバンパー形状を工夫した

さらに、ゴミをよく吸う工夫がヘッドに施されていました。吸引力があるということは、カーペットやラグを掃除した時に貼り付いてしまう恐れがあります。つまり、吸引力を保ちつつも、ラグなどに貼り付かない配慮が必要になるというわけです。

 

「SRシリーズのヘッドには工夫を施しています。ひとつは、ヘッドのブラシの毛質。むっちりとした素材を配置することで、空気の流れのロスをなくし、吸込口の風圧と風量を上げます。しかし、あまりヘッドを太くしてしまうと、今度は大きなゴミが吸えなくなるので、バランスが大切です。

 

また、ヘッドのバンパー部分を弓形の形状にすることで、床面を滑りやすくしています。そして、自走パワーアシスト付きのヘッドを採用しているので、ひっかかりなく進むのも特徴。ここのバランスも重要で、自走しすぎると、今度はゴミのピックアップ率が悪くなるんですよ」(商品企画部・三枝卓矢さん)

↑従来のヘッド(下)と比較するとSRシリーズのヘッド(上)はブラシが太くなっています

 

↑バンパーの部分には、アールをかけて滑りやすくしています

 

ヘッドにセンサーを取り付け、壁面付近で吸引力がアップ

さらに面白いのが、ヘッドの部分にセンサーを取り付けたこと。床面を掃除するときにブラシのフロント部分にあるバンパーが壁に当たると、バンパーが内側に密着します。これによって壁面を自動で検知し、吸引力がアップ。これが「スミワザ」機能で、壁際にたまった粉ゴミをすっきり吸い取れます。

↑壁を検知し、吸込む力を自動的にアップします

 

自走アシスト機能で操作感は極めて軽く感じる

また、本機は本体のパイプ部分には新たにアルミ素材を搭載し、さらに断面を楕円形に加工することで強度と軽さを両立。これにより本体の重量は1.9キロと2キロを切っています。とはいえ、軽さに重点を置いた従来のARシリーズの重量が1.5kgなので、スペック上は重くなります。しかし、実際に動かしてみると、自走アシストヘッドがあることですいすい動くため、むしろARシリーズよりも軽く感じるくらい。

 

「新製品のSRシリーズでは、ヘッドから持ち手までの長さの調節を行い、自走アシスト機能を強化したことで、筋肉に対する負担の調査ではARシリーズよりも、筋負担が約3割軽減したという結果が出ました」(商品企画部・三枝さん)。なるほど、本体の軽さと自走アシスト機能の相乗効果で、疲れを抑えて家中を快適に掃除できるというわけですね。

髪の毛やペットの毛が簡単に取れる機能も

さらに本機ではお手入れにも配慮しています。サイクロン式のクリーナーを使うとカップの中で髪の毛が巻きついてしまうことがあります。本機では、この髪の毛を簡単にとる機能を搭載しました。

↑くるっとまわせば絡みついた髪の毛もするりととれます

 

実はこちら、もともと同社コード付きのキャニスターに搭載していた機能。これまでのラクティブエアは「軽い」という点に主眼をおいていたので、軽量化のために搭載していなかったのだそう。

 

さらに、ヘッド部分の髪の毛も取りやすくしています。よくありがちな、コインを使ってブラシを外すタイプではなく、ヘッドのサイドのキャップをパチンと開けばブラシが取れます。さらにその左側の溝に注目。掃除をしている間に髪の毛が少しずつ左に集まり、取りやすくなるという仕組みなのです。

 

素材自体もこだわっています。カーペットに毛をつけて(こすりつけ、踏んで密着させました!)動かしたところ、1度の動きできれいになりました。掃除後に毛がはりつかないよう、ブラシの配置も工夫しているそう。これなら、ペットを飼っている家庭で大活躍しそうです。

↑カーペットの毛も一発で吸い取りました

 

↑裏返して確認しても、毛ははりついていませんでした

 

↑ダストカップとフィルターは水洗いOKです

 

これも言わせて! ふとん用アタッチメントの細かい工夫

本機はアタッチメントも多彩。エアコンなどの高いところを掃除する「はたきノズル」、ふとんやソファの掃除に便利な「コンパクトふとん掃除ヘッド」、車のシートの掃除にもっと便利な「延長ホース」、窓のサッシなどの掃除も行える「すき間ノズル」、ヘッドを外せばすぐにブラシになる「スグトルブラシ」などを付属しています。

↑多彩なアタッチメント

 

アタッチメントのなかで特にオススメなのが、2WAYで使える「コンパクトふとん掃除ヘッド」です。エチケットブラシのような素材とゴムのブレードが付いています。

 

これは衣類のホコリ取りや布団、車のシートなどを掃除するときにはエチケットブラシで、ヘッドを切り替えてゴムブレードを引っ張り出すと今度はペットの抜け毛などもしっかりとかき取れるという仕組み。使い終わったらくるっとヘッドも回せるので収納もコンパクト。ペットの毛が気になる家庭にはオススメです。

↑これが「コンパクトふとん掃除ヘッド」。ふとんやソファなどのほこりはエチケットブラシで

 

↑ヘッドを前に回してツメに引っ掛けると、ゴムブレードが下に。ペットの毛などはこれでかきだします

 

ラインナップが増えて選択肢が広がった

もともとシャープのラクティブエアというシリーズが誕生したのは2016年12月。軽量で使いたいときにさっと使えるということをコンセプトに軽さに力を入れた製品として誕生。いままでキャニスター型では軽量なサイクロンと軽量な紙パック、スティック型では軽量なARシリーズが発売されていましたが、今回、これにパワーと軽さを両立した今回のSRシリーズが加わり、さらに選択肢が広がりました。軽さを何よりも重視する方、自分のライフスタイルにあったラクティブ エアを選んでみてはいかがでしょうか。

↑SRのシルバーは、高級感があってステキ。スタンドも付属品です

 

【ギャラリーはコチラ】