家電
オーブン・レンジ
2019/11/8 18:30

家電ジャーナリスト絶賛! 最新オーブンレンジ「ビストロ NE-BS2600」の「ワンボウル調理」が想像を超えていた

パナソニックがスチームオーブンレンジの最新モデル「3つ星ビストロ NE-BS2600」(実売価格18万円・税抜)を発売しました。NE-BS2600は同社のオーブンレンジとしては初めてWi-Fi機能を内蔵し、スマートフォンアプリ「キッチンポケット」との連携機能を強化したモデルです。

↑パナソニックが2019年10月に発売した「3つ星ビストロ NE-BS2600」

 

NE-BS2600で注目したい機能や特徴は以下の通りです。

●Wi-Fi内蔵によるスマホアプリ連携
●「チタンコートグリル皿」による「時短グリル調理」
●パスタや中華、フレンチを作れる「ワンボウル調理」

順を追って見ていきましょう。

 

Wi-Fi内蔵でスマホアプリ「キッチンポケット」との連携が可能に

NE-BS2600のこれまでにない特徴として挙げられるのがWi-Fi内蔵によってスマホアプリ「キッチンポケット」と連携が可能になったことです。キッチンポケットのサービス自体は2014年にスタートしたもので、3つ星ビストロ用のレシピをはじめ、同社製品のレシピを検索したり、毎日の調理や困りごとのサポートを会員同士で解決できるコミュニティサービスなどを利用できるというもの。スマート機能に対応するビストロシリーズなら、NFC(近距離無線通信)搭載のAndroidスマートフォンをタッチするだけで調理設定をアプリから転送できるという機能もありましたが、Wi-Fiで送信できるというのは今回が初の試みとなります。

 

アプリではおすすめや人気のレシピを見られる「ホーム」と、毎日の献立を提案してくれる「献立」、困りごとや悩みを解決してくれたり、レシピ動画などを見られる「コミュニティ」といったメニューを用意しています。

↑スマホアプリ「キッチンポケット」の起動画面

 

↑「献立」メニュー

 

↑「コミュニティ」メニュー

 

↑レシピの例

 

レシピは「ホーム」の「おすすめ」や「人気」、「特集」などから探せるほか、検索窓でキーワード検索もできます。しかし、後述する「ワンボウルパスタ」や「ワンボウル中華・フレンチ」といった注目の調理機能から探し出せる、あるいは「肉」や「魚」、「野菜」などの食材をブレイクダウンしてメニューから探し出せる機能などがあれば、さらに便利だと思いました。

 

一方、レシピの食材の分量は人数分に応じて表示してくれるので、2人家族などでも簡単に分量を量れるのが便利です。調理時間は「Bistroに送信」ボタンを押すだけで送信してくれて、あとは「スタート」ボタンを押すだけのカンタン操作です。

↑キッチンポケットアプリから「Bistroへ送信」ボタンを押すと、調理設定をビストロに転送してくれる

 

ただし、調理が完了してもスマホアプリには通知を送ってくれないのは残念に感じました。ビストロでの調理時間中に他の料理を作っている場合は問題ありませんが、別の作業をする場合にはキッチンから離れていることがあるので、次の作業工程があるレシピの場合は通知してくれた方が便利に思いました。このあたりはバージョンアップでの対応に期待したいところです。

 

上下からの効率のよい加熱によってグリル調理が時短でできる

NE-BS2600の売りの一つが、グリル調理が時短でできる点にあります。グリル機能は、上火は庫内上部に配置した「大火力極め焼きヒーター」、下火は電子レンジのマイクロ波で実現しています。付属の「チタンコートグリル皿」は表面に施した高反射チタンコートによって食品を載せた部分以外の皿が赤外線を吸収してしまうのを抑制し、熱効率をアップ。裏面に施した高温フェライトは電子レンジのマイクロ波を吸収することで素早く発熱し、下火として機能するという仕組みです。

↑NE-BS2600の庫内

 

↑天井に「大火力極め焼きヒーター」を配置しています。熱で膨張して上板がヒーターから離れるのを防ぐため、上板には「ハニカム構造」(六角形を組み合わせた蜂の巣状)の溝を採用しているのも特徴

 

また、3Dアンテナでマイクロ波の動きを制御し、庫内全体をまんべんなく温める「基本加熱」のほか、グリル皿によって表面(グリル皿に接地した部分)を焼き上げる「表面優先加熱」、中までしっかりと火を通す「内部優先加熱」を備えており、メニューに合わせてその動きを組み合わせて使い分けるそうです。

 

手軽な割に見た目が豪華で栄養バランスも良い料理ができた

まずは、メニューから「白身魚のソテー 野菜添え」と「彩りチキン」を作ってみました。白身魚のソテーはサーモンの切り身で作りましたが、塩コショウをしてからタルタルソースを載せて、その上にパン粉をかけて軽く固めてから焼くだけで、手軽な割に豪華なメニューが1品仕上がりました。

↑「白身魚のソテー 野菜添え」の材料をセットしたところ

 

↑焼き上がったところ。表面の高反射チタンコートによって、熱を逃がさず効率よく焼けるとのこと

 

↑「白身魚のソテー 野菜添え」が完成

 

「彩りチキン」は赤と黄色のパプリカに緑のピーマンを加えて鮮やかなメニューのできあがり。肉を調味液に漬け込む時間はかかるものの、味も見た目もよくて栄養のバランスも考えられた料理が1品作れるので、毎日の弁当のメニューに悩んでいる筆者や、平日に食べるメニューを週末に一気に作ってホームフリージングする人などにもうってつけだと感じました。

↑「彩りチキン」の食材が焼き上がったところ

 

↑「彩りチキン」が完成

 

注目機能「ワンボウル調理」の「ワンボウルパスタ」を試してみる

3つ星ビストロ最上位モデルで最も注目したいのが「ワンボウル調理」です。2017年発売の「NE-BS1400」から、ボウルにパスタと水、具材、調味料を入れるだけで手軽に作れる「ワンボウルパスタ」と、カレーやシチューなどを作れる「ワンボウルシチュー」メニューが加わりました。当時新たに搭載した「高精細・64眼スピードセンサー」によって吹きこぼれを抑えた加熱をすることによって実現したメニューです。

 

さらに2019年発売の「NE-BS1600」では、新たに「ワンボウル中華」と「ワンボウルフレンチ」メニューを搭載しました。中華は片栗粉を使用し、フレンチは薄力粉を使用することでとろみを付けた料理を手軽に作れるというものです。

 

まずはワンボウルパスタから試してみました。1人前から2人前程度のパスタなら、100円ショップで販売しているパスタゆで器を使うだけで誰でも簡単に、確実にパスタをゆでられる時代です。ちょっと料理に慣れた人なら、肉や野菜、魚介、キノコなどをオリーブオイルやバターで炒めたり、生クリームなどを加えれば簡単にパスタソースくらい作れることでしょう。筆者もパスタくらいなら10代の頃から作っていますので、何もわざわざ「ワンボウル」にまとめなくても……などと思っていましたが、使ってみると、これはかなり注目だとわかりました。

 

レシピブックにある「カルボナーラ」と、「ハムときのこのクリームパスタ」を作ってみました。パスタを半分に割って(ボウルに入れるためショートパスタみたいになります)、水とオリーブオイルを(クリームパスタはバターも)入れ、パスタがくっつかないようにほぐしておきます。その上に具材を載せてからラップをふわっとかけ(密閉しないのがポイント)、画面でレシピを選んで調理するという流れになります。

↑パスタを半分に割って水とオリーブオイルを入れ、ほぐしてから具材を載せます

 

↑15分調理した後はこのようになります

 

加熱が終了したら、カルボナーラの場合はブイヨンや卵黄、生クリームなどを混ぜた調味液、クリームパスタの場合は生クリームと塩コショウを混ぜた調味液を混ぜて完成です。

↑調味液を加えて混ぜ合わせます

 

ワンボウルパスタは時短・時産効果と感覚的に使えるのがメリット

ちなみにカルボナーラは1.6mmで15分、クリームパスタは1.4mmで9分という指定でしたが、1.6mmしかなかったためどちらも15分の調理にしましたが、全く問題なくおいしく仕上がりました。

↑「カルボナーラ」が完成

 

パナソニックは共働き世帯が増えているこの時代において、調理家電も「時短」、さらには調理時間をシフトすることによって時間を生み出す「時産」というコンセプトに力を入れています。そのため3つ星ビストロも「時短調理」を前面に押し出しており、なかでもこのワンボウルパスタというのは「かなり仕上がったメニュー」だと感じました。

 

なぜなら、パスタをゆでてフライパンで調理する場合、少なくとも鍋(もしくはパスタゆで器)とフライパンが洗い物として出ますが、ワンボウルパスタなら洗い物はボウルだけ。さらに、通常のパスタをキッチンのガスレンジやIHクッキングヒーターで作ると2口が占領されてしまいますが、ワンボウルパスタならコンロが空くので、そこでスープを作ったりサラダを作ったり、もう1品主菜を作ったりとさまざまな料理を作ることができます。もちろん、疲れて帰ってきたときに1品だけ作って家族に出す……という場合にも便利です。

 

レシピブックに掲載されているレシピは決して多くありませんが、パスタと水、オリーブオイルの量、太さに合わせた調理時間さえ合わせておけば、具材でもソースでもそこそこ感覚でできそうなので、「フライパンや鍋で適当に料理する方がラク」という人でもうまく使いこなせるのではないかと思います。

 

「ワンボウル中華」は手軽ながら満足のいく仕上がりに

ワンボウルパスタが思いのほか魅力的だったので熱く語ってしまいましたが、新搭載の「ワンボウル中華」と「ワンボウルフレンチ」もかなり「仕上がった機能」です。中華といえば麻婆豆腐やホイコーロー、チンジャオロースー、酢豚など、とろみが重要なポイントになりますが、水溶き片栗粉でしっかりととろみを付けるのはなかなか難しいと思いませんか? 筆者も日常的に料理をするようになって20年以上経ちますが、未だに少しダマにしてしまって水で溶いたり、逆にとろみが足りずシャバシャバになってしまったりと、バシッと決まることがあまりありません。

 

その点、ワンボウル中華・フレンチは0.1秒ごとの高精度で温度を検知して制御する「とろみセンシング」を新たに搭載したことで、料理に慣れない人だとどうしてもダマにしてしまいがちな「とろみ料理」を手軽に作れるというものです。

 

まずはエビのチリソースを作ってみました。エビチリは片栗粉をまぶしたエビをサッと下ゆでしてから調味料と混ぜたりすることで、比較的手軽にとろみを付けられる料理の一つではあります。しかしワンボウル中華の場合、最初に片栗粉をまぶしたあとは調味料と刻みネギなどを入れるだけで済むので、さらに手軽に作れます。

↑食材をボウルに入れ、軽くラップをかけてから調理スタート

 

↑少しダマになっている部分もありましたが、かき混ぜればできあがり

 

できあがったときに若干ダマのような部分もありましたが、最後にオタマやスプーンなどでかき混ぜればとろっと仕上がりました。

↑エビのチリソースが簡単にできあがりました

 

そのほか、ホイコーローを作ってみましたが、こちらもうまく仕上がりました。しっかりと分量を守ったにもかかわらず、若干とろみが足りないような感じもしましたが、そのあたりは野菜の水分量などによって違ってくるので、許容範囲かと思います。

↑ホイコーローができあがったところ

 

「ワンボウルフレンチ」はいい意味で“よそ行き感”が出て、新鮮に感じた

エビチリやホイコーロー、麻婆豆腐、チンジャオロースーなどは筆者もよく作るメニューなので、目新しいものではないのですが、一方でワンボウルフレンチは極めて新鮮に感じました。

 

試しに豚肉のマスタードソースとたらのプロヴァンス風を作ってみました。どちらも味付けは決して複雑ではなく、ほとんど家にあるような食材で作れるシンプルな料理です。とはいえ、いわゆる洋食や中華、イタリアンなどに比べて少し“よそ行き感”が出て、豪華な感じがします。こういう料理をワンボウルで手軽に作れるとなると、もう1品追加しようかという気になりますね。こうした「ワンボウル調理」の充実と完成度の高さは、NE-BS2600の大きなメリットだと感じました。

↑豚肉のマスタードソースができあがったところ

 

↑たらのプロヴァンス風ができあがったところ

 

 

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