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2020/4/21 17:00

【最新ロボット掃除機レビュー】なんて気楽なんだ! 「片付け無用」の新型「RULO(ルーロ)」で何も考えず「スタート」を押す幸せ

パナソニックのロボット掃除機「RULO(ルーロ)」シリーズから、最先端の技術を投入し、フルモデルチェンジを果たした「MC-RSF1000」が4月20日に発売されます。本機は千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター「fuRo(フューロ)」と共同開発したコンセプトモデルをベースにパナソニックとして開発、商品化を行ったもの。

 

この新「ルーロ」は、掃除の完遂能力が大幅にアップしたとのことですが、果たして本当に日々の生活をラクにしてくれるのでしょうか? また、我が家ならではのトラップにハマって「遭難」するロボット掃除機が多いなか、トラブルなしにしっかり掃除できるのか? 実際に使って、実用面を見極めていきたいと思います。

↑ロボット掃除機「RULO(ルーロ) MC-RSF1000」。サイズは幅345×奥行330×高さ99mm、質量は3.4㎏

 

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数々のロボット掃除機が「遭難」した難所も余裕でクリア

私は1年ほど前に今の自宅に引っ越してきたのですが、悩みの1つが「玄関の段差」でした。段差が約3cm弱とかなり低いため、いままで数多くのロボット掃除機が段差を認識せずに玄関まで進んでしまい、戻るときには段差を乗り越えられずに「遭難」してしまうのです。5cm以上ある昔ながらの玄関や、ほとんど段差のない今どきの玄関なら問題ないのでしょうが、3cm弱というのはかなり微妙な段差です。その点、新「ルーロ」はセンシング技術の高さがウリのひとつ。床面検知センサーと落下防止センサーを搭載しており、玄関や階段などの段差を回避してくれるとのこと。

 

とはいえ新「ルーロ」でも、この段差はさすがに無理かな……と思っていたのですが、実際に試してみると、新「ルーロ」は急ブレーキを踏むようにしっかりと止まって段差を回避してくれたのです。地味なことかもしれませんが、私にとってはこれが結構な感動でした。いままでのロボット掃除機は例外なく落ちていたのに、もう対策を取らなくていいんだ……と、何だか肩の荷が下りたような気持ちになりました。

↑ギリギリでストップし、微妙な段差を回避してくれました!

 

ロボット掃除機の「定説」を覆す優れた回避能力

いままでのロボット掃除機だと、使う前に床に散らかったモノを片付けなければいけないのが「定説」でした。ただ、普通に生活していたら、床にモノが増えてしまうもの。特に家事を「ワンオペ」しなければならない私の場合、どうしても洗濯物や買い物袋を床に置く機会が増えてしまいます。慌ただしく家を出たあと、外出先からロボット掃除機を起動しようとして、「あれ、片付けてあったかな?」と必死で記憶をたどる……といったちょっとしたストレスを煩わしく思うこともありました。

 

その点、新「ルーロ」は障害物を検知すると、これを回避しながら障害物にギリギリまで近づいて掃除してくれるため、床にモノが置きっぱなしでもしっかり掃除ができるといいます。これは、超音波センサーと赤外線センサーに加えて新搭載された360°レーザーセンサーにより、障害物の検知範囲が360°に拡大したことで実現したそうです。

↑前面には超⾳波センサーと側面に⾚外線センサー(黒い部分)を搭載しています

 

実際に使ってみると、たしかに新「ルーロ」は器用に床のモノを避けながらも、モノと床の接地部分ギリギリにサイドブラシを当てるようにして丁寧に掃除していきます。無造作にモノにぶつかって移動させることもないので、帰ったら部屋がグチャグチャ……ということもありませんでした。

 

この「事前の片付け不要」というメリットはやはり大きいです。いままでは事前の片付けのたびに、「ここまできっちりやる必要があるのか……」と窮屈な思いを感じていたのですが、その手間とストレスがなくなったのは本当にうれしいこと。ただでさえ苦しい「ワンオペ家事」の時間を節約できますし、「片付けなきゃ」という義務感がなくなって、解放された気分です。

↑床にモノが置いてあっても、それを避けつつ、ギリギリまで近づいて掃除してくれます

 

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360°レーザーセンサーの搭載で、夜でも安心して掃除をまかせられる

みなさんもそうだと思いますが、私はロボット掃除機を留守中に使いたいタイプ。ただ、発表会や打ち合わせなどで不規則な時間に外出することが多いので、「何曜日の何時にスタート」といったロボット掃除機の起動予約を使いません。ゆえに、夜の外出中に遠隔操作で起動させることも多いのですが、通常のカメラセンサーの機種は暗闇だと掃除の精度が落ちるというので、そこが気がかりでした。

 

しかし、新「ルーロ」の場合は、毎秒約10回転する360°レーザーセンサーによって部屋が真っ暗でもセンシングできるとのこと。試しに部屋の明かりを消したまま掃除をしてみたところ、何の問題もなく掃除が完了しました。これなら夜の外出先で「掃除しなきゃ!」と思い立ったときや、冬場の日が短くなったときでも気にせずに使えます。娘も含めて、暗くなってからの帰宅は寂しいものですが、帰ってきて電気を点けたら部屋がキレイになっている! というのもうれしい限り。帰宅後のひとときを気持ちよく過ごすことができますね。

 

このほか、360°レーザーセンサーによって、360°全周囲の間取りや家具の位置、障害物の位置を検知でき、広い範囲がすばやく認識できるとのこと。これが先述の「事前の片付け不要」というメリットに活かされているほか、掃除の漏れを防ぎ、ゴミを取り残す量を減らす効果をもたらすといいます。

↑円盤状の突起の下に360°レーザーセンサーを搭載しています

 

↑間取りを把握しながら効率よく部屋を隅々まで掃除していきます

 

アプリで掃除の結果が確認できるので、安心感が違う

ロボット掃除機には「納得感」が必要です。決して安くはないお金で購入するのですから、本当に掃除できているのか、どこをどう掃除したのか、目に見える形でしっかり確認したい……常日頃からそんな思いは持っていました。これに応えてくれる機能が、新「ルーロ」にはあります。それが、スマートフォンアプリ「RULOナビ」。アプリを開いて「お掃除記録」の「ゴミマップ」を見ると、かなり正確な地図が作成されていて、どの場所にどれだけのゴミやホコリがあったのかが一目でわかるようになっています。

 

さらに、特に驚いたのが、ゴミマップの履歴を学習する「ゴミ累計マップ」では「キッチンにゴミやホコリがたまりやすい」という傾向がはっきりと出ていたところ。私は仕事で自室にこもるほかは、自分と娘の食事を作るため朝昼晩とキッチンに立つのですが、リビングはそれほど使いません。「ゴミ累計マップ」にもそれが反映されていて、よく使う場所=キッチンがゴミの量で一目瞭然。その点からも「しっかりセンサーが働いているんだな」「掃除もしっかりやってくれているんだな」と強く実感することができました。この結果はまさに「頼もしい」のひとことで、新「ルーロ」に対する納得感や信頼感が変わった気がします。

↑「RULOナビ」の「ゴミ累計マップ」画面。濃い赤になっている部分がゴミが多かった場所で、特にキッチン(写真右の細長いスペース)が汚れているのがわかります

 

また、新「ルーロ」には、「ゴミ累計マップ」のゴミが多いエリアを集中的に掃除する「お手軽」モードもあります。短い時間でサッと掃除したいなら、これだけでも十分ですね。

↑「お手軽」モードの例。ゴミが多いエリアだけ掃除してくれます

 

このほか、Google アシスタント搭載のスマートスピーカーを使って音声で掃除を開始することも可能。すでにスマートスピーカーをお持ちの方なら、アプリを開かなくても声をかけるだけで掃除を開始してくれるのが便利です。この音声操作は忙しいときにも重宝しますが、休日などにダラけたいときもオススメ(笑)。アプリを開かずとも寝そべったまま起動できるので、リラックス感を存分に満喫できますよ。

 

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ラグやマットもスムーズに乗り越える「アクティブリフト」が便利

ロボット掃除機を使うときは、ラグやマットといった敷物への対処も悩ましいところ。私の自宅では、洗濯しやすく、しまいやすいことを重視して、薄手でソフトなラグをリビングに敷いていました。しかし、普通のロボット掃除機ではブルドーザーのようにラグを押しながら進んでしまい、ラグはクシャクシャ、ロボット掃除機は止まる……というトラブルが頻発していたのです。

 

しかし、新「ルーロ」は、そんな課題も文字通り「乗り越えて」くれました。新「ルーロ」には、注目機能の一つとして本体を持ち上げて2.5cmまでの段差を乗り越える「アクティブリフト」があります。これはフロント3Dセンサーが段差を検知すると、自動的にタイヤユニットを押し出して本体を持ち上げるというもの。

↑薄手のラグも巻き込むことなく、乗り越えて掃除してくれました

 

実際に、先述の薄手のラグでももぐり込むことなく、ラグの境界に近づくとスッと自分の身体を持ち上げるようにして、乗り越えてくれました。やや厚みのあるキッチンマットや玄関マットも、押し込まずに乗り越えてくれます。いままではロボット掃除機を使う前にわざわざラグやマットをはがしたり、そもそもラグを使わないという選択を取ったりする必要がありましたが、新「ルーロ」なら、そんな配慮も不要。季節に応じて好きな素材、好きなデザインの敷物が使えるので、これからの季節は麻を使った涼し気なラグにしようか、はたまたい草の敷物にしようか……などと想像もふくらみますね。

↑玄関マットもラクラク乗り越えてくれました

 

お供させてスポット掃除の指定ができる機能がユニーク

新「ルーロ」には、家族の一員のような親近感を持たせてくれるユニークな新機能があります。それが、「otomo(おとも)」機能です。

 

レーザーセンサーの上にある「fuRo」と書かれたシルバーの円盤部分(バンパースイッチ)を3回押すと、インジケーターの色が緑に変わって「otomo」モードになり、近くにいる人の足を認識して付いていく(お供する)状態になります。

↑otomoモードでは、近くにいる人の後について走行するようになります

 

掃除をしたい場所の近くまでゆっくりと「ルーロ」を引き連れていってから数秒静止すると、その場所を中心に円を描くように走行し、スポット掃除をしてくれるというものです。例えば朝食でパンを食べた後に出たパンくずなどをサッと掃除してもらう時などに便利ですね。

↑ゴミの近くで数秒静止するとスポット掃除モードに変わり、円を描くように掃除をしてくれます

 

実際に使ってみると、カルガモのお母さんのような気持ちになれました。生まれたばかりの鳥は目の前にいる生き物を親だと認識する「刷り込み」があるそうですが、otomo機能はそんな気分を味わえます。ロボット掃除機がただのロボットではなく、家族の一員のように感じられる機能でした。

 

また、otomo機能を使えば、小さなお子さんも掃除に参加することができます。大人が使っているものは同じように使いたいのが子どもの心理ですし、この機能を使えば“自分も家事に参加している”という気分が味わえるはず。「コードレス掃除機で掃除した方が早い」という意見もわかりますが、ロボット掃除機が温かみのある存在になるという意味でも、興味深い機能といえます。

 

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運転⾳は静かで在宅中に掃除をしても気にならない

掃除機を使う上で、気になるのが運転音でしょう。私は外出せずに執筆に専念する日が続くとき、ロボット掃除機を在宅中に稼働させる場合もあります。その点、新「ルーロ」の運転音は仕事部屋(和室)とリビングを隔てるふすま越しに掃除をしても、ほとんど気にならないくらいの音量でした。壁やふすまにガンガンぶつかることもないので、衝突音などもほとんど気になりませんでした。

 

また、在宅中は運転音を小さくしてほしい、夜は静かに掃除してほしいといった場合には「音ひかえめ設定」も選べますので、必要に応じて設定を変えるといいでしょう。

↑走行中の運転音はそれほど気にならないレベル

 

ゴミ捨てはカンタンで、ダストボックスやブラシは水洗い可能

ゴミ捨てやダストボックスのお手入れは簡単でした。本体上部のボタンを押すとふたが開いてダストボックスを取り出せるようになっており、レバーを押すだけでゴミを捨てることができます。

↑ダストボックスは本体上部から簡単に取り出せます

 

↑ゴミはダストボックスで圧縮されて収容されます。レバーを押すだけで、手を汚さずゴミを捨てられるのが便利

 

ダストボックスはフィルターも含めて水洗いができますし、本体裏の吸引口のブラシも簡単に取り外して水洗いができます。ゴミやホコリで汚れがちな部分をしっかりと洗えるのはうれしいポイントですね。

↑吸引口のブラシ全体がV字型になっており、吸引力の強い中央にゴミを集め、取り残しを防ぐしくみ。ブラシも簡単に取り外して洗えます

 

↑ダストボックスもブラシもすべて水洗い可能

 

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「ロボット掃除機のための努力」をしなくていいのが本当にラクだった

新「ルーロ」を実際に使ってみて強く感じたのは、「ロボット掃除機のために、努力しなくていいのが本当にラク」ということ。いままでのロボット掃除機では、使ってからわかるトラブルシューティングが多すぎました。先述の通り、玄関の段差に落ちる、床置きのモノを巻き込んで停止する、ラグを押し込む、狭い場所に入り込んで出られない……などなど。

 

こうしたトラブルがあると、その都度、侵入禁止エリアを設定したり、モノを片付けたり、ラグをはがしたり、家具を調整したりと、手を尽くして対策を練らなければなりませんでした。ロボット掃除機で家事がラクになるはずだったのに、あれ、何でロボット掃除機のために作業してるの……? という不思議な状態に陥っていたのです。

↑新「ルーロ」は、床置きの障害物をしっかり認識してくれるので安心です

 

一方、新「ルーロ」にはそんなジレンマはありません。微妙な段差も認識して、障害物を避けてしっかり掃除を行い、ラグを乗り越えてくれるなど、むしろあらゆる形で「ロボット掃除機のための作業」を減らしてくれていました。「ああ、新『ルーロ』なら、ロボット掃除機に合わせなくていい。自分の生活を変えなくていいんだ……」そう気づいたときに私は大きな自由を感じ、自身の「ワンオペ家事」にも光が射した気がします。下準備なしに、これだけラフに使えるモデルは本当に貴重。「何も考えずにスタートボタンを押せる」という幸せを、みなさんもぜひ新「ルーロ」で実感してみてください。

撮影/我妻慶一

 

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