東京での外出自粛が続いたときは、スーパーでは「ドライイースト」が売り切れているのを目にしました。パン作りやお菓子作りに欠かせないこのドライイーストが売り切れているということは、それだけ家で作っている人が多いということ。
一度もパンを焼いたことのない初心者が使って人気の理由を探る!
そんなにみんながパンを作っているとなると、筆者もやってみたい! と思うようになりました。とはいえ、これまで一度もパンは焼いたことがないので、いきなり高いホームーベーカリーを買うのはなぁ……と躊躇していたところ、エムケー精工の「ふっくらパン屋さん HBS-100W」が1万円以下で販売されているのを発見。これならホームベーカリー初心者でも手が出しやすそう。
しかも、こちらは2017年7月に発売されたモデルながら、某比較サイトでは大手メーカーのモデルを押さえて売れ筋ランキングの2位、および注目ランキングの3位に入っています。各種ECサイトの評価も上々。ただ安いから人気なだけなのか、それとも……? その実力のほどを探るべく、実際にパンを焼いてみることにしました!
エントリーモデルながら18種類のメニューを搭載
ふっくらパン屋さんは、「人気のメニューを厳選したエントリーモデル」ということなのですが、18種類のメニューを搭載しています。メニューの詳細を見てみると、食パン、早焼きパン、塩糀パン、ごはんのパン、やわらかパン、フランスパン、全粒粉パン、スイートパン、ジャム、ヨーグルト、ほっくり焼き芋、蜜甘焼き芋、パン生地づくり、中華まん生地づくり、うどん・パスタ生地づくり、ねり、発酵、焼きとなっています。パンだけでなく、ヨーグルトや麺類も作れるとあって、初心者向けとしてはこれだけで十分です。
1斤の食パンが焼けるタイプで、本体サイズは5.5合炊きの炊飯器よりも少し大きいくらい。本体に取っ手は付いていないので、出し入れするのはやや不便かもしれません。
準備はあっけないほどカンタン
「パン作り」と聞くといろいろな道具が必要なのかと思っていましたが、今回、道具はほぼ不要。1g単位で計れるはかりと、食パンを冷ますのに使う網、できれば温度計があればいいようです。
本体からパンケースを取り出して、底に付属の羽根をセットします。この羽根がパン生地をこねてくれるようです。そこに室温に合わせた温度の水を入れ、強力粉、砂糖、塩、バター、スキムミルクを入れます。材料の中央にくぼみをあけて、水に触れないようにドライイーストを入れれば準備は終わり。5分とかからずに準備完了です。
あとは、パンケースを本体にセットし、電源をオン。メニュー番号で「1(食パン)」を選び、「焼き色」ボタンを押して「ふつう」を設定。あとは「スタートキー」を押して、放っておけばOKです。
「ねり」と「ガス抜き」の工程では結構な音が……
説明書を見ると、完成までにかかる時間は4時間10分となっています。思った以上に長いですよね。それもそのはず、ふっくらパン屋さんは「ねり」→「予備発酵」→「ねり」→「一次発酵」→「ガス抜き」→「二次発酵」→「ガス抜き」→「成形発酵」→「焼き上げ」の9つの行程を全自動で行ってくれるのです。
なお、この「ねり」と「ガス抜き」は、パンケースのなかでパン生地がぐるぐると回ってこねられるので、ガタガタと大きな音がします。ただし、これは強力なモーターで生地がこねられている証拠。しっかり生地をこねないと、パンが膨らまず、キメが粗くなる原因になるのだとか。おいしいパンができるなら、多少の音は仕方ない! ……とは思いつつ、思った以上に振動が伝わって騒がしかったので、本体とテーブルの間に厚めのタオルを敷いてみたところ、少しマシになりました。
こうした音の問題は、タイマー予約にも影響を与えます。食パンやフランスパンなど一部のメニューはタイマー予約が可能で、最長16時間までの設定ができます。多くの人は就寝前にセットしておき、朝に焼きたてのパンを食べようと考えるのでしょうが、本機の音を考えるとキッチンと寝るスペースが離れていなければ、おそらく安眠は難しいはず。できれば、自分が居る部屋とは別の部屋で使いたいところです。とはいえ、食パンモードでの2回のねりはいずれも15分ほどで終わったので、なんとか許容範囲でしょうか……?
ちなみに、このホームベーカリーの騒音問題はふっくらパン屋さんに限ったことではなく、低価格帯のホームベーカリーの「あるある」だそう。高価なモデルでは騒音を抑える設計になっているようですが、1万円を切るふっくらパン屋さんに関しては、多少の割り切りが必要かもしれません。