家で過ごす時間が増えるなか、その時間を快適に過ごすためには、気になるたびにこまめに掃除をして、きれいな部屋を保つことが大切です。とはいえ、やっぱり掃除は大変だし、ちょっと面倒。そう感じている人も多いのではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、スティック型のコードレス掃除機。コンパクトで気軽に使えるだけでなく、吸引力やごみの捨てやすさなど、掃除に便利な機能がどんどん進化しています。今回は、自分に合った掃除機選びのポイントや、今買い替えたい最新のスティック型掃除機について、家電のトレンドや機能に詳しい家電ライターの田中真紀子さんに教えていただきました。
掃除機を買い替えるなら“コードレススティック型”がおすすめ
キャニスター型に加え、スティック型やロボット型など、多様化している掃除機。それぞれにメリットがあるので、自分のライフスタイルに合わせて選択することが大切です。
なかでもコードレススティック型掃除機は、コンセントの位置を気にせずにいつでもどこでも掃除ができ、コンパクトで収納場所も取らないなど、賃貸物件などコンパクトな家に住んでいる人にはぴったりです。そんなスティック型掃除機は、近年ますます注目を集めていると田中さんは言います。
「スティック型掃除機のニーズは年々伸びていたのですが、2019年にはメイン機として支持を集めていたキャニスター型の需要を上回る結果となりました。スティック型は吸引力が弱い、稼働時間が短いという印象をお持ちの方もいると思いますが、各メーカーの技術革新により、改善されつつあるんですよ。
さらに最近は新型コロナウイルスの影響で、おうちにいる時間が増え、掃除をする頻度が高まったという話をよく耳にします。そんなとき、パッと手に取れて、使い勝手がいいスティック型掃除機が1台あると、とても便利だと思います」(家電ライター・田中真紀子さん、以下同)
自分に合った掃除機を選ぶ際に注目したい3つのポイント
いざ、掃除機を買い替えよう! と思いたっても、メーカーも機種もいろいろとあって迷ってしまいますよね。そこで、実際に田中さんがスティック型掃除機を選ぶ際に注目しているポイントを3つ教えてもらいました。掃除機選びの参考にしてみてください。
ポイント1. まずは自分が気に入るデザインを
田中さんがまず注目するのは、掃除機のデザイン。メーカーによって強みはそれぞれあれど、機能的にはほぼ互角になってきているそう。そのため、自分の好きなデザインの掃除機を選ぶことは、重要なポイントのひとつだと話します。
「自分の好きなデザインでなければ、部屋の隅に置いたり、押し入れに収納してしまったりする人が多いと思います。そうなってしまうと、掃除機を目にする機会が必然的に減ってしまうので、『掃除をしよう!』という気持ちも薄れてしまうのではないでしょうか。最近のスティック型掃除機は、スタイリッシュで洗練されたデザインのものも多く発売されていますので、自分の好きなデザインを見つけて、掃除へのモチベーションを上げることも大切ですよ」
ポイント2. 稼働時間は、自分のライフスタイルに合わせてチェック
次に注目すべきは、稼働時間。充電式のスティック型掃除機は稼働時間が限られていますので、特に確認しておきたいポイントです。
「稼働時間の長さは、自分のライフスタイルに合わせてチェックしていきましょう。週に1回、家中を掃除するような人は、稼働時間が長めの機種を選んで。逆に、毎日こまめに掃除をするような人にとっては、そこまで重視しなくていいポイントかもしれません。稼働時間の長い掃除機は、バッテリーが大きいのでどうしても重たくなりがち。どの要素を重視するべきなのか、一度自分の掃除スタイルを見直してみるといいかもしれませんね」
ポイント3. 付属のアタッチメントにも注目
掃除機を買うと、付属品としてついてくるアタッチメント。豊富なアタッチメントがあれば、1台で家中を掃除することができます。
「すきまノズルやふとんの掃除に使うヘッドなど、付け替えるだけでいろいろな場所を掃除できるアタッチメントは要チェック。メーカーや機種によって個性的なアイテムを用意していたりするので、本体の性能だけでなく、忘れずに確認しておきましょう」
家電のプロがおすすめ! 最新スティック型掃除機 6選
掃除機選びのポイントを踏まえ、具体的におすすめの最新のスティック型掃除機を紹介していただきました。
1. 浮いているかのような新感覚! バルミューダ初の掃除機「BALMUDA The Cleaner」
バルミューダ「BALMUDA The Cleaner」
5万4000円+税
家電ファンから近年、注目を集めているプロダクトメーカー、バルミューダからついに掃除機が発売しました。
「『クイックルワイパー』にヒントを得て作られたこの掃除機は、360℃回転するヘッドがなによりの魅力。小回りが利くので、椅子や机の下や、家具の隙間なども思い通りにお掃除できます。また、“ホバークラフト”のようにスムーズなかけ心地も特徴です。実際に起動してみると、いままでに経験したことのないような浮遊感に、本当に驚きました。長い廊下があるお家や、床面が広いお部屋にお住まいの方は思わずかけたくなるはず。ぜひ試してほしいですね」
「洗練されたデザインも魅力の1つ。1本のほうきのようなスタイリッシュな見た目で、立てかけておくだけでもとってもおしゃれ。すっきりとシンプルなインテリアを好まれる方にオススメです」
【商品情報】
・カラー=ホワイト、ブラック
・製品重量=約3.1kg
・最長稼働時間=標準モード30分/強モード10分
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ハンディハンドル、すきま用ノズル、充電スタンド、充電アダプター、メンテナンスブラシ
2. 憧れのダイソンの掃除機を軽く取り回しやすくした「Dyson Micro 1.5kg」
ダイソン「Dyson Micro 1.5kg」
5万9000円+税
ダイソンから、1.5kgの最軽量モデルが登場しました。ダイソンならではの高い吸引力と、微細なホコリも99.99%捕らえて逃がさない、圧倒的な捕集力が特徴です。
「吸引力が強く、ハイスペックな機能が満載なダイソンの掃除機は、どうしても重く感じる人が多かったようです。しかし、10月に発売された『Dyson Micro』は、1.5kgと超軽量。本体も小型化され、小柄な女性やご年配の方でも扱いやすいように改善されました。本当に軽いので、エアコンや家具の上など、高いところも難なく掃除できますよ」
「ダイソンの掃除機は、もっとパワフルな吸引力を誇るモデルや、アタッチメントがさらに豊富についているモデルなど、多種多様です。今回、最軽量モデルの『Dyson Micro』が発売されたことで、より選択肢が広がったのだと思います。吸引力を重視したいのであれば、最上位モデル、扱いやすさを重視するのであれば『Dyson Micro』と、自分にあったモデルを見つけてみてください」
【商品情報】
・カラー=シルバー
・製品重量=1.5kg
・最長稼働時間=20分
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ミニモーターヘッド、コンビネーション隙間ノズル、卓上ツール、収納用ブラケット、ツールクリップ
次のページで、そのほかの4モデルをチェックしてみましょう。3モデル目は、日本人のニーズをぎゅっと凝縮した米国ブランドです。
3. 米国ブランドながら日本人のニーズをぎゅっと凝縮した「EVOPOWER SYSTEM」
シャーク「EVOPOWER SYSTEM」
CS401J(マルチフロア対応)=4万5000円+税
CS200J(フローリング専用)=3万円+税
ハンディクリーナーで絶大な人気を誇る、アメリカの掃除機ブランド「シャーク」が、今年8月にスティック型掃除機を発売しました。登場したのは、マルチフロア対応の「CS401J」(写真左)と、フローリング専用の「CS200J」(右)の2種。特徴は、何と言っても日本人の掃除スタイルをとことん調査して設計された、デザインと機能性だと田中さんは語ります。
「日本の住環境に適したサイズ感や、シンプルで無駄のないフォルム、日本人の感性にマッチするよう考えられたカラーリングなど、どんなインテリアにもなじむ高いデザイン性を兼ね備えています。もちろん機能性も抜群です。マルチフロア対応機種に搭載されているブラシローラーは、髪の毛が絡みにくい仕様。その他にも、ワンタッチで手を汚さずにごみが捨てられたり、スタンドに立てたままハンディ部分だけ引き出せたりと、手間を省くために計算された機能の数々は注目です」
【商品情報】
CS401J(マルチフロア対応)
・カラー=ロイヤルブルー、メタリックグレイ
・製品重量=約1.9kg
・最長稼働時間=最大24分(バッテリー2個使用時)
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ブラシ付き隙間用ノズル、マルチノズル、布団ノズル、ミニモーターヘッド、充電ドック兼アクセサリースタンド、リチウムイオンバッテリー(2個)
CS200J(フローリング専用)
・カラー=ルビーレッド、ノルディックブルー
・製品重量=約1.5kg
・最長稼働時間=最大12分
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ブラシ付き隙間用ノズル、マルチノズル、布団ノズル、充電ドック兼アクセサリースタンド、リチウムイオンバッテリー(1個)
4. 軽くても抜群の吸引力をもつパナソニック「パワーコードレス」
パナソニック「パワーコードレス(MC-SB51J)」
オープン価格(実勢価格=5万円前後)
パナソニックのパワーコードレスシリーズは、キャニスター型の吸引力にも匹敵するパワーが自慢のスティック型掃除機です。2020年7月に発売した最上位機種「パワーコードレス MC-SBU840K」は、メーカー独自の「からまないブラシ」が搭載され、髪の毛やペットの毛も難なく吸い込みます。様々な機種が発売されている同シリーズですが、田中さんのオススメは10月に登場した、軽量モデルの「MC-SB51J」なのだとか。
「最上位モデルのハイスペックな仕様はとても魅力ですが、賃貸やひとり暮らしの人には十分すぎるかもしれません。そこでおすすめしたいのが『MC-SB51J』。1.6kgと軽量にもかかわらず、持ち前のパワフルな吸引力も両立。また、目に見えないごみまで逃さない『クリーンセンサー』が搭載されているので、取りこぼしなくお掃除することができます。どんなインテリアにも馴染む、ナチュラルなベージュの色味も素敵ですね」
【商品情報】
・カラー=ベージュ
・製品重量=1.6kg
・最長稼働時間=自動モード 約10分~22分/強モード 約6分
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ふとん清潔ノズル、ブラシ付きすき間ノズル
5. 1.1kgと驚愕的軽さの日立「ラクかるスティック」
日立「ラクかるスティック(PV-BL2H)」
オープン価格(実勢価格=6万5000円前後)
日立の最新機種は、何と言っても1.1kgと驚愕の軽さが特徴です。これまでのスティック型掃除機にはなかった最軽量モデルで、より気軽に、快適に掃除することができます。しかし、軽いだけではない魅力が満載だと、田中さんは話します。
「家中を掃除できる吸引力や、フローリングの磨き効果もある『かるふきブラシ』、吸い込んだごみをぎゅっと圧縮して捨てやすくする『からまんプレス構造』など、日立の技術力がぎゅっと凝縮された掃除機です。また、引き出しの中を掃除する際に便利なアタッチメントの『ほうきブラシ』も要チェック。吸込み口がチューブ状になっているので、クリップなどの小物を吸い込まず、ほこりだけを吸い込むことができるユニークなアイテムです」
【商品情報】
・カラー=シャンパンゴールド
・製品重量=1.1kg
・最長稼働時間=標準 約30分/強 約8分
・集塵方法=サイクロン式
・付属品=ハンディブラシ、ほうきブラシ、すき間用吸口、延長パイプ、スティックスタンド、ACアダプター、お手入れブラシ
6.“紙パック式”搭載でゴミ捨てが楽なツインバードの最新モデル
ツインバード「コードレススティック型クリーナー」
オープン価格(実勢価格=1万9800円+税)
新潟県燕市に本社を置く日本の家電メーカー、ツインバード。2020年11月に発売された最新モデルは、安価で購入できるだけでなく、吸引力もしっかり。シンプルでスタイリッシュなデザインも注目です。
「ツインバードの掃除機は、スティック型には珍しい紙パック式を採用しています。紙パック式は、サイクロン式よりもホコリの舞い散りが軽減されるので、よりクリーンにごみを捨てることができます。紙パックはランニングコストがかかると不安に思う方も多いかもしれませんが、購入時には約約2年分(25枚)の使い捨てパックが付いてくるそうですよ。手頃な価格なので、ひとり暮らしの方も手に取りやすいのが、なによりの魅力です」
【商品情報】
・カラー=メタリックグレー
・製品重量=約 1.4 kg
・最長稼働時間=自動モード 約30分/強モード 約7分
・集塵方法=ダストパック式
・付属品=ACアダプター、延長管、パワーブラシ、すき間ノズル、収納フック、使い捨てダストパック×25 (本体に1枚装着済み)
「自分にあった掃除機を見つけるためには、自分のライフスタイルを見直して、デザイン、機能、値段など、何を一番重視するかをまず考えてみてください。そうすれば、あなたにピッタリの1台が見つかるはずです」
【プロフィール】
家電ライター / 田中真紀子
白物家電、美容家電を中心に、雑誌、ウェブなどで執筆。家電製品の検証やレビュー記事では、主婦目線を大切にした感性に定評がある。ベビー用品、生活雑貨、医療など、暮らしにまつわる記事も手がける。近年は専門家としてコラム執筆やメディア出演も多数。
ブログ=https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/entry-12313996618.html