家電
2021/3/18 19:15

「炎」で癒される時間をおうちで。老舗トヨトミが出した家庭用ランタン「Re:ful」が唯一無二だった

当初は「入眠」がコンセプトだった!

最後に、「Re:ful(リフル)」開発元・トヨトミの担当者の方に話を聞きました。

 

ーートヨトミはこれまでに「暖を取る」目的で炎を利用した製品を作ってきました。「気持ちをリセットする」「癒しを与える」といった発想の転換の経緯を教えてください。

 

担当者 「暖房以外で炎の新しい価値を提案する」ことをテーマに、若い社員が自分たちで考え、社内の各部署からメンバーを集めてプロジェクトを結成したことがはじまりでした。

 

最初は「寝る前に炎を見ることで落ち着いて入眠できるもの」が商品コンセプトでしたが、周囲へのヒアリングや睡眠の専門家の方との打ち合わせを重ねるうちに、睡眠だけでなく、「さまざまなシーンで使用できる製品を」という結論に達し、「気持ちを入れ替える炎」「心を切り替える炎」に方針を転換しました。

 

この過程を経て、「Refresh(リフレッシュする)」「Full(心を満たす)」「Re fill(気持ちを入れ替える)」「Re feel(日常の忘れていたこと、気持ちを改めて感じる)」という意味を込めて「Re:ful(リフル)」という製品名にしました。

 

ーーボディなどの細部にこだわりを感じられましたが、「炎」についてのこだわりはどんなものでしたか?

 

担当者 炎に対しても苦労がありました。コンセプト決定後、ろうそくから焚火、様々な炎を眺めましたが、小さな炎や穏やかすぎる炎では退屈に感じます。一方、大きすぎる炎や荒ぶる炎だと、今度は緊張や「怖い」という気持ちが芽生えてしまう。ちょうどいい大きさで、ゆらぐ炎を実現するために、何度も試作を行い、微調整を繰り返し最終的に現在の縦約60~100mmほどの炎に落ち着きました。

 

ーークラウドファンディングの支援者の方は、すでに使われているようですが、どんな反応がありましたか?

 

担当者 支援者さまへ商品をお届け後、使用感のアンケートを行ったところ、約80%の方から満足のご回答をいただきました。「家の中で炎を楽しめる唯一無二の商品」「炎を眺めるという日常には無い特別な時間を体験した」といったあり難いコメントをいただきました。一方、約20%の方からは「価格が高い」「趣味性が高く友人には薦め辛い」という、ご意見もいただいており、今後の開発で改善しなければならないと考えています。

 

ーーどういった方に、どんな使い方をしていただきたいと考えていますか?

 

担当者 現代では、「心と時間に余裕をもって仕事ができている」という人はすごく少ないと思います。会議が終わっても、またすぐ別の会議に呼ばれたり、工場などでは同じ作業の繰り返しで1日が終わってしまうなんてことも珍しくはありません。また、新型コロナ感染拡大により普及してきたリモート(在宅)ワークでは「公私のメリハリがつけられない」という点も大きな課題です。

 

そういった方々にこそ、「Re:ful(リフル)」を使っていただき、緊張からリラックスへと気持ちを入れ替えていただければと思っています。例えば、コーヒーを飲みながら、ゆらゆらと揺れる炎をぼんやり眺める。一息ついて「よしっやるか!」という気持ちの切り替えに。また、夜、お休みにされる前に「Re:ful(リフル)」を灯してゆったりとリラックスしていただくのも良いと思っています。

 

また、開発チームのメンバーが自宅で使った際、「Re:ful(リフル)」を灯すと家族が集まり、家族との団らんの機会が増えた、という意見もありました。こういった「人を繋げる」ためとしての使い方もできると思っています。

 

ーートヨトミとしてはもちろん、ガジェット全体のカテゴリーでも斬新な製品化となった「Re:ful(リフル)」ですが、今後の展望をお聞かせください。

 

担当者 弊社では石油ストーブといった「暖を取るための」製品開発、「Re:ful(リフル)」のさらなるブラッシュアップに加えて、弊社が得意とする炎を使った新発想の製品開発にも力を入れたいと考えております。また、今の時代に合ったウイルス除菌に特化した製品や、SDGsに則った次世代エネルギーなどへの挑戦など、皆様のお役に立てるワクワクするような商品を世に送り出していきたいと考えております。

↑「Re:ful(リフル)」はもちろん、今後のトヨトミの新たな挑戦にも期待大!

 

「Re:ful(リフル)」の価格だけを考えれば決して安くないものではあります。しかし、この慌ただしい生活の中で、「リラックスするための装置」あるいは「大切な人との時間を演出してくれる製品」として考えれば、他にない製品でもあり、必ずしも高額とは言えないとも思いました。予約注文が殺到しているという今ですが、気になる方は次回予約スタート時期までに、情報をチェックし検討してみてはいかがでしょうか。

 

撮影/下城英悟

 

 

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