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調理家電
2021/3/16 20:30

スープから鍋の具がせり上がる!? サンコー「電動昇降グリル鍋」は前代未聞でした

春といえど、まだまだ夜は冷えるもの。おうちごはんの需要が高まる昨今、食卓で活躍する家電の鍋も、さまざまなタイプが発売されています。そんななか、ユニーク家電を得意とするサンコーがまたやってくれました。

 

今冬に発売した「電動昇降グリル鍋 S2LUADPB」(以下電動昇降グリル鍋)は、「鍋の中が昇降して具材とスープを分けられる」という斬新な機能を持ったグリル鍋です。この前代未聞の昇降機能は、ユーザーにどんなメリットをもたらすのか? 実際に本機を使ってみてレビューしていきます。

↑こちらが今回の主役。サンコーの「電動昇降グリル鍋 S2LUADPB」7980円

 

鍋の中にセットしたザルが上下に動く!

今回の鍋は見た目もスタイリッシュ。マットホワイトとタッチパネル式の操作パネルがシンプルで食卓にもなじみます。本体寸法は幅260×高さ230×奥行290mmと、1~4名ほどの利用にちょうど良い大きさ。

↑手ごろなサイズ感で取りまわしに便利

 

↑電源プレート(中央上)のほか、取り外しできる鍋(右)、ザル(中央下)、ガラストップで中が見えるフタ(左)がセットになっています

 

本機で最も特徴的なのが、やはり昇降機能。電源プレートの一部が電動で上下するようになっていて、そこに専用のザルをセットして使用します。鍋料理をするなら、鍋にスープを入れて、具材はザルの上へ。ザルの穴は小さめになっているので、粒や粉末でもない限り、ほぼすべての具材がキャッチ可能です。

↑ザルの穴は小さめに作られています

 

この仕様によって、具材がスープに沈んで中身が見えない時でも、具材を上昇させれば食べたいものが一目瞭然に。スパイスの実や出汁パックなどを間違えて箸ですくってしまう心配もありません。スープと具材を分離させることで、食材が煮込まれ過ぎてクタクタになることも防げます。

↑鍋は取り外し可能。鍋裏から電源プレートと接続します

 

↑ザルを電源プレートから出ているザル取付ポールにハメて使用します

 

操作パネルは電源、火力調節、ザルの上昇/降下ボタンなどがシンプルに並んだ、直観的に使いやすい仕様。火力は5段階に調節でき、じっくり火を通したり、高火力でグツグツ煮込んだりとさまざまな使い方が可能。鍋料理以外にも、低糖質炊飯や蒸し料理、さらにはザルが水を切ってくれるので、麺類を茹でる際にもよさそうです。

↑ザルのアップダウンはこちらのボタンで操作

 

↑火力は5段階で調節可能。いろいろな温度帯の調理に使えます

 

フタがガラストップになっていて、調理の工程が見えるのも特徴。具材が鍋の底に直接触れないので焦げ付かず、洗い物がラクなのもメリットです。

↑ガラストップのフタで、火の通り具合を見ながら調理できます

 

↑鍋の部分だけを取り外して洗えます。持ち手は熱くなりません

 

カレー鍋をやってみたら、ザル昇降が予想以上にイイ!

それでは「電動昇降グリル鍋」で実際に鍋料理を調理してみましょう。様々なスープや具材があるなかで、今回はカレー鍋をチョイスしました。カレー鍋はスープに色が付いていて鍋の底が見えにくく、しかも〆にはうどんが選ばれがちで、スープの飛び跳ねが死活問題。そんな課題を昇降機能で解決できるでしょうか?

 

まずはスープの用意から。今回は水で割るタイプのカレー鍋の素に、だしパックやローリエなどのスパイスをプラスしました。直接口に入れたくないスパイス類も、ザルで隔てられているので、具材と混ざらずに済みます。

↑パックやスパイスが具材と分けられるのは高ポイントです

 

スープの下準備の次は、鍋にザルをセットして、その上に具材を並べていきます。水を入れて食材が浸れば準備完了。ここから加熱していきます。

↑水餃子やソーセージ、ねぎやもやしなど具材は鍋料理によく登場する一般的なものを用意して加熱スタート

 

↑スープが煮立ってきました。カレー粉を追加して風味をアップさせます

 

次第に具材はグツグツと煮立ってアツアツに。この時点で野菜はしんなりして小さくなり、スープに完全に浸ってしまいました。ここで昇降機能の出番。タッチパネルのボタンを押して、具材だけを上昇させます。

↑こちらが上昇前。濁ったスープで中身が見えません

 

↑上昇後。何があるか一目でわかります

 

【動画】

ザル上昇の効果はてきめん。お好みの具材に狙いを定めやすくなりました。必要以上に煮込まれないので、食材のうまみや触感がいい具合に残っていて、おいしさもベストな状態をキープできています!

 

水餃子は普通の鍋では、底に沈んでいるのを気付かず箸で突っついて皮を破いてしまいがちですが、今回のように底上げしてピックアップすれば、やさしく取り分けられます。ほかにもワンタンや餅きんちゃくなどのデリケートな食材、挽き肉やコーンといった小さい食材にも有効でしょう。

↑水餃子の皮もほどよい固さをキープでき、皮が破けてしまう事故も起こりません

 

ひととおり具材を堪能したら、残ったスープで〆のうどんを作ります。ザルを沈めた状態で麺を投入し、頃合いになったらザルを上げます。こうすることで、麺が煮込まれてグズグズになったり伸びたりすることもありません。麺がスープのうまみを吸いつつ、食感やコシが適度に残りました。また、この状態だと麺を取り分けやすく、カレーが跳ねて飛び散りにくいのもうれしいところ。

↑シメのうどんの取り分けに必要以上に気を遣わなくていいのがラク。味もいい感じです

 

実際に鍋料理をやってみたら、想像以上の使い心地に驚きました。「ただザルが昇降するだけでしょ?」と侮るなかれ。これは鍋シーンで大活躍の予感です。

焼売と小籠包も卓上でおいしく蒸し上げる

「電動昇降グリル鍋」の鍋料理におけるポテンシャルを実感したところで、続いては調理バリエーションの豊かさに着目。最大で2合のお米が低糖質炊飯でヘルシーに炊けたり、蒸し料理に使えたり、麺料理の煮込み&湯切りをワンストップで調理できたりと、本機はさまざまなシーンで活用できます。今回は、そのなかの蒸し料理に挑戦。点心の定番料理である、焼売と小籠包を調理してみます。

↑今回は市販の焼売と小籠包を使用しました

 

作り方は簡単。鍋の底に水を張って、ザルの上に焼売と小籠包を並べて加熱すればOKです。コンロと蒸し器を使うよりも、お手軽に蒸し料理を楽しむことができます。

 

水蒸気でじっくりと加熱する蒸し料理は、電子レンジで温めるよりも加熱のムラがなく、均一に火を通すことができます。さらに食材の旨みや水分が溶け出しにくいのも魅力。小籠包は皮の水分量もちょうどよく、しっとりとした仕上がりに。焼売も肉のうまみが凝縮されていて、ジューシーな味わいになりました。手軽さでいえば電子レンジには劣りますが、やはり実際に蒸したおいしさは格別です。

↑おいしそうに蒸しあがりました!

 

↑スープたっぷり、本格的な味わいを家でも楽しめます

 

鍋ものにも便利で、蒸し物もおいしくカンタンに調理できる「電動昇降グリル鍋」。サンコーらしい面白さと実用性を兼ね備えた技アリ家電だと実感しました。

↑具材の焦げ付きがないので、洗い物も簡単。鍋裏のヒーター接続部は濡らさないように注意が必要です

 

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