今春、ありそうでなかったキッチンアイテムが新発売されました。それはパナソニックの「うま冷えプレート」。電動ではないアナログな日用品なのですが、料理の冷たさキープや、あら熱取りの時短ができるなど使い勝手がよさそう。ということで実際に使い、機能性をレポートしていきます。
料理の基本“冷たいものは冷たくして提供”を手軽に実現
使い方はいたってシンプルで、冷凍庫で冷やすだけ。ただ、効果を最大限発揮するためには24時間以上カッチカチに冷凍することがポイントです。
冷凍庫に入れる際はどんな向きでもOK。ほぼA4と同等のサイズとはいえ、薄めなので冷凍庫に収まらないことはないでしょう。
しっかり冷凍してから取り出してみると、ステンレスの部分は何秒も触っていられないほどの冷たさに。これは期待できます。
まずは冷たさキープとあら熱取りの両方を試せる料理として、手巻き寿司にトライ。炊きたてのご飯から酢飯を作る際、扇風機で冷やしながらあら熱を取る人は少なくないでしょう。ただ扇風機を運んだり、風の当たる位置を調整したりと、なかなか手間がかかります。それをよりスマートに行えるのが、このプレートなのです。
なお、本体裏側の四隅には滑り止めが付いているので、プレートの安定感も抜群。ご飯をかき混ぜる際にもスムーズな作業をサポートしてくれます。
ご飯は冷やしすぎると硬くなるので、適度な温度まで下げたらプレートの上から外します。そして次は、手巻き寿司のネタを置いて冷たさキープの実力をチェックしました。すると、皿の温度も冷たいプレートの影響で冷えた状態に。
料理の基本に、“熱いものは熱く、冷たいものは冷たくして提供”があります。レストランで提供される冷菜も、お皿が冷えているとよりおいしく感じるもの。あのちょっとしたサプライズ感を、このプレートが手軽に実現してくれます。
ラップ冷凍ご飯にも、多忙な朝の弁当冷却にも
次は、あら熱を取りたいものの代表格といえる「ラップ冷凍ご飯」にトライ。ご飯を一度にたくさん炊き、個別にラッピングして冷凍保存し、食べたいときにレンチンで解凍するという生活の知恵です。ただしこの技は、炊いたご飯を冷ますのにわりと時間がかかります。できればご飯がやわらかいホカホカのうちに包んで冷凍したいところですが、それを冷凍庫でやってしまうと庫内の温度が一気に上がり、ほかの冷凍食材にも電気代的にもよくありません。
なお「ラップ冷凍ご飯」は早く解凍できるよう、なるべく平らに薄く包んで冷凍させることが鉄則ですが、あら熱を取る場合も同様。厚みがあるとそのぶん内部に熱が蓄積するので、温度変化を鈍らせるのです。ということで、薄く包んでプレートの上に。すると、みるみるうちにラップご飯が冷えていくではありませんか!
これは手作り弁当にも応用できます。作りたての料理を入れた弁当箱は温かく、そのままカバンに入れようものならカバン全体がホカホカ。また、食材の湯気で弁当全体が蒸し風呂状態に。フタを開けたらベチャベチャということもよくあることです。それを防ぐにはあら熱を取るべきですが、忙しい朝にそんなことをしている時間はありません。これを「うま冷えプレート」が手助けしてくれるのです。
冷たさキープに関しては、そうめんでも大きな効果を発揮します。そうめんを味わう際、麺を盛りつけた器に氷を入れて冷やすという食べ方がありますが、おいしさの観点でいえばよくありません。氷解した水に麺のうまみが溶けてしまううえ、水っぽくなった麺がつゆを薄くしてしまうからです。とはいえ、麺の温度上昇も避けたいもの。そこで活躍するのが「うま冷えプレート」です。
プレートの上にそうめんとつゆを置けば、氷を使わずとも冷たさをキープし、麺もつゆも水っぽくなりません。冷たい麺の本格シーズンはこれからかもしれませんが、上記の刺身のほかにビールやアイスなど効果的な料理は盛りだくさん。ルックスは白×銀とシンプルですが、“いぶし銀”の活躍を見せてくれること間違いなしの「うま冷えプレート」。今夏のおいしい時間の演出に、かなりアリだと思います。