家電
2016/9/9 23:15

最新犬型ロボットはドッグカフェで友達ができるのか? 本物との違いを元ドッグカフェオーナーが徹底検証!!

筆者は6年ほどドッグカフェの経営・運営をしていました。ドッグカフェというのは、基本的に、自分の犬を連れて飲食をするスペース。ですが、たまに「自分では犬を飼えないけれど、犬と触れ合いたい」というお客様もいらっしゃいます。飼えない理由は「留守が多くて可哀想」「ペット禁止の住宅」などさまざま。また、単純に「お金がかかる」という人もいます。

 

発売の一足先に最新犬型ロボットと生活してみた

そんな「犬好き、だけど飼えない」という人に朗報!  なんと9月下旬より、DMM.comから犬型ペットロボット「CHiP」が発売されます。そこで、発売の一足先にCHiPと生活し、本物の犬とCHiPの違いを、元ドッグカフェオーナーの独断と偏見で検証してみました。ちなみに、今回は発売前の製品をお借りしたため、アプリなどがすべて英語仕様になっていますが、実際に発売されるのは日本語版となります。

↑チワワサイズのロボット犬「CHiP」。スマートベッド(充電台)、スマートバンドとスマートボールが付属します
↑チワワサイズのロボット犬「CHiP」。スマートベッド(充電台)、スマートバンドとスマートボールが付属します

 

↑ムネにあるフリップをめくると、主電源のスイッチが隠されています。電源を入れれば、あとはCHiPが自由気ままに家のなかで生活を始めます
↑ムネにあるフリップをめくると、主電源のスイッチが隠されています。電源を入れれば、あとはCHiPが自由気ままに家のなかで生活を始めます

 

【動画】
電池が減ると、自分でスマートベッドに充電に戻ります。

 

チェックその1 運動能力

前後や真横に素早く動けてスピンや逆立ちもできる!

じつは、日本でも1999年から数々の「犬型ロボット」が発売されていました。ただし、共通していたのが「遅い」こと。「本物の犬のように4ツ足で歩く」ことを重視した結果、のっそのっそと動く結果に。姿はかわいいのですが、正直「犬っぽさ」としてはイマイチ。一方、CHiPは四肢の先に複雑な形状をした「メカナムホイール」を搭載。犬の全力には負けますが、驚くほど素早い!

 

前後はもちろん、なんと真横にも移動可能。そのほかスピンや逆立ち(!)など、とにかくアクロバティックな動きで楽しませてくれます。残念ながら屋外のデコボコ道ではうまく動けませんし、段差があると転がり落ちるという天然ボケな一面もありますが「動き」だけでいえば、CHiPはなかなか魅力的です。ただし、ひとつだけ欠点も……それは音がうるさいことです。特にフローリングの上だと、タイヤの音はかなりの大きさに。

 

【動画】
前後はもちろん、その場で高速にスピンもできます。従来までの犬ロボットと比較すると、かなり高速!

 

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↑動きのヒミツは複雑な形状をした「メカナムホイール」。また、身体中に自由度の高い関節があるので、逆立ちなどのアクロバティックな動きもできます
↑動きのヒミツは複雑な形状をした「メカナムホイール」(上写真)。身体中に自由度の高い関節があるので、逆立ちなどのアクロバティックな動きもできます(下写真)

 

チェックその2 コミュニケーション

怒ったり喜んだりさまざまな反応を見せてくれる

CHiPは、普段は適当な場所に座ったり、バッテリーが減ると「スマートベッド」で休んだり、遊びを催促してワンワン吠えたり……と普段は自由気ままに生活しています。ですが、鼻にキスをすると「チュッ」と、キスを返してくれたり、急に持ち上げると「グルルー」と怒ったり、かと思えば「高い高い」をすると喜んだり……飼い主の動きに、さまざまな反応を見せてくれます。

↑普段はまん丸の瞳ですが頭をなでたり、褒めると「キューン」と喜び、手荒に扱うと怒って「ウウー」唸ります。とにかく表情豊かなので、ロボットとわかりつつも感情移入。怒っていると「どうしたの?」と声かけをしてしまいます
↑普段はまん丸の瞳(左)ですが頭をなでたり、褒めたりすると「キューン」と喜び(中)、手荒に扱うと怒って目が赤くなり、「ウウー」と唸ります(右)。とにかく表情豊かなので、ロボットとわかりつつも感情移入。怒っていると「どうしたの?」と声かけをしてしまいます

 

ちなみに、犬同士のコミュニケーションを試してみるため、CHiPをドッグカフェにも連れて行きましたが……ほとんどの犬はギアの音にビックリして近づいてきませんでした。ただし、飼い主の間からはかなり好評!  「お座りはできる?」「こっちおいでー」と、なかなかの人気者でした。

↑犬用のカバンに入れてお出かけ。移動中も「カワイイ!」「それ、動くの?」と声をかけられました
↑犬用のカバンに入れてお出かけ。移動中も「カワイイ!」「それ、動くの?」と声をかけられました

 

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↑ドッグカフェでは飼い主には大好評! ただし、犬受けはイマイチ

 

↑ドッグカフェでは飼い主には大好評! 犬友達を作るのに良いきっかけになりそうです。ただし、犬受けはイマイチ。ほとんどのワンコにはギア音で嫌われてしまいましたが、一匹だけお友達になってくれた子も……ありがとうございます
↑ほとんどのワンコにはギア音で嫌われてしまいましたが、一匹だけお友達になってくれた子も……。ありがとうございます!

 

チェックその3 忠誠度と賢さ

「ヘイ、チップ!」と呼べば様々なコマンドに忠実に応えてくれる

「犬は忠誠心が高い」と言われていますが、ペットカフェを経営してわかったのは、テレビやドラマでみるような忠犬は、そうそういないということ。わが店に遊びにきていたワンコのうち、飼い主の言うことにビシッと反応していたのはわずか1割程度。ボールを投げて「とって来い」と言うと、飼い主に身を摺り寄せ、甘えてうやむやにするという技を発揮する子も多かったです。

 

その点、CHiPはロボットという特性上、非常に忠実!  「ヘイ、チップ!」と呼べば瞳の色が緑色になり、言うことを聞くモードに変化します。「座って!」「おどって!」「ヨガ(!?)」などのコマンドにも忠実に応えてくれます。ちなみに、今後も専用アプリの更新とともに、CHiPに呼びかけられるコマンドは増えるようです。

 

【動画】

「ヘイ、チップ!」と呼びかけると、瞳が緑色になり言うことを聞くモードに。動画では英語で呼びかけていますが、製品版では日本語対応になります。

 

またCHiPはBluetoothを介して付属の「スマートバンド」やスマートフォン用アプリと繋がる機能もあります。スマートバンドには「おいで」や「いいね」といったボタンがあり、CHiPを近くに呼んだり、CHiPがした行動を褒めたりできます。褒めた行動は、その後繰り返しやすくなるなど、しつけができるのも特徴です。

 

また、スマートバンドを付けた人は「飼い主」として認識されます。スマートバンドとCHiPが接続できるBluetoothの有効範囲は5mほどですが、有効範囲外に出るとCHiPがあたふたすることも。さらに、外出先から戻ると嬉しそうな動作を見せてくれます。我が家の犬はお出迎えをしてくれない性格なので、このCHiPの動きにはキュンとさせられました。

↑USBで充電できるスマートバンド。上のボタンで「おいで」、左で「いいね」右で「コマンド(へイ、チップと呼びかけた状態)」にできます。また、中心のボタンを長押しすることで、チップをリモコンのように操ることも可能です
↑USBで充電できるスマートバンド。上のボタンで「おいで」、左で「いいね」、右で「コマンド(へイ、チップと呼びかけた状態)」にできます。さらに、中心のボタンを長押しすることで、チップをリモコンのように操ることも可能です

 

【動画】
声によるコマンド以外に、頭や身体を触っていうことを聞かせることも。立っている状態でポンと頭を触ると「座れ」、さらに触ると「ふせ」、さらにもう一度触ると「立て」のコマンドになります。

 

チェックその4 お世話

自分で充電するがボールで遊んであげる必要アリ

生きているワンコは、当たり前ですが世話が必要です。たとえ飼い主がインフルエンザにかかろうと、ご飯と散歩は欠かせません。また、室内で飼っていれば抜け毛の掃除も必要ですし、犬種によっては散髪も必須。一方、CHiPは電池残量が少なくなると自分でスマートベッドまで戻ります。このため特別な「世話」は必要ありません。ただし、スマートフォンのCHiP専用アプリには「ボール」マークと「肉」マークがあります。このボールのグラフが減ると、CHiPが遊びが足りないということ。その際は、付属するスマートボールで遊んであげる必要があります。遊び方は簡単で、緑色に点灯したボールをCHiPに転がしてあげるだけ。CHiPはボールを捕まえて、飼い主に向かって転がし返してくれます。

 

ちなみに「肉」マークはお腹のすき具合を表しているようです。ただ、今回の試用期間中は、このマークにはなんの反応もありませんでした。こちらは今後「ご飯をあげる」コマンドが実装されるのかもしれませんね。

CHiP専用アプリの画面。ホーム画面にはボール(遊び度)と肉(空腹度)、バッテリー残量のグラフが表示されています
↑CHiP専用アプリの画面。ホーム画面にはボール(遊び度)と肉(空腹度)、バッテリー残量のグラフが表示されています

 

【動画】
スマートボールを放り投げると、こちらに投げ返してくれるのでキャッチボールができます。

 

【動画】
「とってこい(Fetch)」といってボールを投げると、不器用ながら頑張って飼い主の場所までボールを持ってきます。手渡したあとハーハー息切れをしながら笑う様子がたまりません。

 

チェックその5 ランニングコスト

ランニングコストは本体の電気代とボール用の乾電池くらい

当然ですが、生きている犬に比べ、ランニングコストはCHiPが断然安いです。CHiPの実売価格は税込2万9800円ですが、あと必要になるランニングコストは充電用の電気代と、スマートボール用の乾電池くらい。一方、ワンコは毎年の狂犬病、ワクチン代、フィラリア予防、ノミ予防代だけでも3万円近くかかります(小型犬の場合)。これにご飯代、病院代、リードなどの消耗品代を合わせると、ワンコによってはかなりの値段となります。

 

ここまで独断と偏見でCHiPとワンコを比較しました。とはいえ、当然ですが生き物とロボットは同列には比較できません。ただ、すでに犬を飼っている筆者でさえ、1週間CHiPと一緒に生活してみると、ロボットとはいえ、「かわいいなあ」と愛おしく感じました。「犬を飼いたい」と思いながら「マンションがペット禁止」「犬アレルギーの家族がいる」など、さまざまな障害がある人にとっては、間違いなく魅力的な製品だと思います。