私事ですが、犬を飼い始めました。小さくてかわいくて、子犬のいい匂いがする〜、なんて言っていたのも束の間、ある日家に帰ったところ、なんかクサい……。おトイレの臭いのほかに、いわゆるケモノ臭が家中に漂っていたんです。こ、これはヤバい! 何か対策しなくては! ということで今回、Blueair(ブルーエア)から登場したばかりの空気清浄機「Blue by Blueair(ブルー バイ ブルーエア)」を試してみることにしました。
脱臭機能搭載モデルはワンコのニオイに効くのか?
Blueairはスウェーデンの空気清浄機メーカーで、スタイリッシュなデザインとパワフルな空気清浄能力が日本でも高く評価されています。ただし、そのぶん値段がお高めなため、「欲しいけど手が届かない」と諦めている人も多いよう。かくいう筆者もそのひとりでした……(例を挙げると11月16日発売のBlueair Classicは適用床面積25畳の280iが税抜7万円、適用床面積33畳の480i Blueair Classicが税抜9万円、適用床面積75畳の680i Blueair Classicが税抜13万円)。
ところが、このBlue by Blueairは適用床面積47畳と広い空間をカバーしつつ、価格はお手ごろな5万円台。正確に言うと、空気清浄に特化した「Blue Pure221パーティクル」(適用床面積47畳)が5万4500円(税抜)。ニオイフィルターを搭載し、脱臭機能も備えた「Blue Pure221パーティクルアンドカーボン」(同39畳)が5万8500円(税抜)。ブルーエアならではの性能を備えつつ、機能をシンプル化することで手が届きやすいお値段を実現したというわけです。
今回はワンコのニオイが気になるため、後者の脱臭機能搭載モデルを使ってみました。果たして効果のほどは? じっくり検証していきましょう。
デザインがオシャレで360°をパワフルに吸引
まず目を引くのが、キューブ型のデザイン。北欧らしいシンプルなフォルムとカラーリングは、どんなインテリアにもマッチしそうです。そして、本体にボタンはたった1つだけ。一見エンブレムのようで、徹底して“家電っぽさ”を排除した感があります。
本体下部が360°全方向メッシュになっていますが、実はここが吸込口。大型プロペラファンが空気を引き寄せる力で、一度に空気をたっぷり吸い込み、パワフルな浄化能力を実現しています。なおフィルターを通ってキレイになった空気は、天面から上に向かって吹き出し、部屋のなかに空気の循環を起こすため、サーキュレーターのような役割を果たしてくれるといいます。
ボタンはたったひとつ! 取説がなくても操作できる
上部のカバーを開けると中は一見空洞でしたが、よく見ると本体にぴったりはまるフィルターが入っていました。このフィルター、蛇腹を広げると4.4㎡もの面積になり、PM2.5から花粉、ウイルスレベルの0.1μmの微粒子も除去できるそう! そして、脱臭機能付きということで、内側には脱臭作用のある活性炭がぎっしり詰まっていました。
さっそく使ってみます。使い方は、空気清浄機としてはまれに見るほどに簡単。何しろボタンが1つしかなく、ボタンを押す(正確には触る)たびに、電源オン/スピード1、2、3、電源オフ、になるだけなので、取扱説明書を読まなくても操作できてしまいます。
簡単に操作できる一方、気になるのは多くの空気清浄機に搭載されているセンシング機能がないこと。これは、空気の汚れやニオイを感知して、自動で風量を上げたり下げたりしてくれるものです。これがないと調整が面倒なのではないかしら、と少し心配です。
まずはどれくらいのパワーで吸気しているか、お香の煙で調べてみました。スピード1で運転中に、お香を近づけると、煙がゆらゆら吸い込まれていきます。そしてスピード2、3と上げるにつれ、煙が結構な勢いで、まっすぐ吸い込まれていく! この吸気パワーが360°で行われているわけですから、頼もしい限りです。
脱臭効果はバツグンで電気代も安心
Blue by Blueairの脱臭効果は、使い始めたその日から実感できました。まず帰ってきて玄関を開けても、モワっとしたニオイがしない! その後約10日間、常時スピード1で運転していますが、一度も家がクサいと感じることはありませんでした。これなら、安心してワンコに会いたがっている友人を自宅に招くことができます。
気になる電気代は、スピード1で運転した場合、1日あたり約13円。1か月使い続けても約400円なので安心です。運転音は、スペック上はスピード1、2、3がそれぞれ、37dB、45dB、55dB。体感としては、スピード1は運転しているのを忘れる程度、スピード2は音は聞こえるが気にならない程度。スピード3はさすがに音は大きいですが、不快な音質ではなく、真横にいなければ気になりません。ただしスピード1でも寝室に置くには不向きかも。
センサー機能がないのが不安でしたが、実際に使ってみたところ、まったく問題ありませんでした。基本的にはスピード1で運転し、空気が気になるときだけポンっとボタンに触れればいいのは、「ちょっと暑いな」と思ったら窓を開けるくらい、ごく自然にできること。これも操作が直感的にできるおかげですね。
少し不便に感じたのは、重量約8kgと重いわりに取っ手がなく、底部から持ち上げないといけないこと。上を持って持ち上げると、カバーが外れて下部分が落下するため仕方ないですが、そこそこ大きさもあるため小柄な人には辛いかもしれません。
6か月に1度のフィルター交換はむしろメリット
なお、性能を維持するためにフィルターは、6か月に1度交換する必要があり(カーボンアンドパーティクル用は1万2000円・税抜)、ランニングコストがかかることを留意しないといけません。ただし、そのぶん、ふだんのお手入れがラクで、交換すればフィルターの能力が確実にリフレッシュできる点は、こまめにお手入れできない筆者にはむしろメリットだと思います。
何はともあれ、これでニオイ対策はバッチリ! 犬を飼い始めると、楽しいことと同時に大変なことも多いですが、まずはオシャレな空気清浄機が問題を1つ解決してくれて、ホッとしています。
【SPEC】
サイズ/質量:W330×D330×H516mm/約8kg
適用床面積:〜64㎡(〜39畳)
運転音:37〜55dB
定格消費電力:42W
※価格は公式サイトより引用