前回は、冷蔵庫、炊飯器などキッチンにある家電の素朴な疑問を紹介しましたが、今回は洗濯機、掃除機、照明などの生活家電の素朴な疑問をQ&A形式でお届けします。「掃除機は強と弱、どちらを使えばいい?」など、言われてみれば気になる疑問から、「ロボット掃除機にNGの部屋は?」「高い電球と安い電球の違いは?」といった新規購入や買い替え時に役立つ疑問まで、家電のスペシャリスト、戸井田園子さんに答えていただきました!
【私が答えます!】
家電コーディネーター
戸井田園子さん
雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。
その1
Q.掃除機は「強」と「弱」、どちらを使えばいい?
A.フローリングなら「弱」で十分!
掃除機の「強」と「弱」ですが、フローリングやタイルなどホコリが浮きやすいハードフロアなら「弱」で十分です。また、畳や毛足の短いカーペットは基本「弱」でOKですが、畳の中までしっかり吸いたい場合は「強」にして下さい。毛足の長いカーペットは「強」が向いています。床材に応じて使い分けるのがオススメです。
その2
Q.ロボット掃除機を買いたいけど、向いている部屋、NGの部屋は?
A. 「床に置いてあるモノ」など3つのポイントをチェックして判定を!
ルンバなどのロボット掃除機に向いている部屋の特徴は、以下の3つに集約されます。
①床に置いてあるモノが少ない
②家具が少なめ・段差が少なめ
③人がいない時間帯がある
NGの部屋はその逆で、以下の3つがポイント。
①モノが床に散らかっている
②家具・段差が多く走行スペースが限られる
③人が部屋にずっといる(稼働中はそれなりにうるさいので、人にストレスがたまる)
さらに部屋だけでなく、実はロボット掃除機は人にも向き不向きがあります。たとえば、「隅々までしっかり掃除をしてくれないとムカつく!」というような完璧主義の性格の人には不向き。ロボットはやはり機械なので、物理的に入り込めない場所のゴミは取り除けません。万能でないのを理解した上で優しい気持ちで接するのが、ロボット掃除機とうまく付き合うコツです。
その3
Q.洗濯機を買うときはどこをチェックすればいい?
A.「蛇口の高さ」など4つのポイントをチェックしましょう!
洗濯機を購入する際に多いのが、設置のトラブル。洗濯機本体の寸法はみなさんも確認すると思うのですが、それ以外でも見落としがちな点があります。以下の4点にまとめました。
①搬入経路
洗面所の入り口は、他の部屋に比べてドアの幅が狭いことが多いので、ドアの内寸法で洗濯機が通り抜けられないケースがあります。最悪の場合は扉を取り外さないと搬入できません。玄関から設置場所までの搬入経路の寸法を、しっかりと確認して下さい!
②蛇口の高さ
住宅の蛇口の高さは基本寸法として床から1~1.1m 程度が一般的で、ほぼ全メーカーの洗濯機がそれに対応するよう設計されています。ただ、すべての住宅の蛇口の高さが統一されているとは限りません。特に、近くに窓があるケースでは、窓を避けるために蛇口を低く設置している場合もあるので、蛇口の高さも必ずチェックしておきましょう。
③洗濯機のフタが開閉できるか
タテ型洗濯機の場合、最新モデルは1枚扉で開閉するモデルが増えています。この場合、蛇口や上の棚にぶつかってフタが全開にできない、という不具合が出る場合も。設置に必要な寸法だけでなく、フタの開閉など、周辺の空き寸法にも気をつけましょう。
④防水パンのタイプ
洗濯機を置くための受け皿となる防水パンですが、排水口が真ん中についているタイプもあります。その場合、洗濯機に足のようなパーツを取り付けて対処する必要も出てくるので、事前に防水パンの排水口の位置を確認しておくのがベターです。
その4
Q.洗濯ものの乾燥は、洗濯機の乾燥機能と衣類乾燥除湿機、どちらがいい?
A.4つのポイントを吟味して合うものを選ぶべし!
それぞれのメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが良いとは言いにくいのが現状。以下4つのポイントで何を優先するかで選ぶのが妥当です。
①仕上がり
タオルなどふんわり仕上げたいなら、洗濯乾燥機がベター。ドラム洗乾は叩き洗いで、そのまま乾かすとゴワゴワになりがちなので。しかし、シワをできるだけ少なく乾かしたいなら、衣類乾燥機がベター。
②手間・時間
手間と時間をかけたくないなら、洗濯乾燥機がベター。手間をかけてもシワ軽減重視なら、衣類乾燥機がベター。
③コスト
乾燥にかかる電気代は(※パナソニックのカタログ値参考)、洗濯乾燥機 6kg:890Wh 約24円、衣類乾燥機 2kg:約6.9円→単純に6kg換算すると20.7円と甲乙つけがたいレベルですが……機器の購入費用も含めると、衣類乾燥機がおトク。
④見た目
洗濯物が室内に干してあると生活感が出るもの。見栄えのよさを重視するなら、洗濯乾燥機がおすすめ。気にならないなら衣類乾燥機でOK!
その5
Q.洗濯機の容量はどれくらいあればいい? 1人暮らし、夫婦世帯、子ども含む5~6人世帯など、それぞれの目安を教えて!
A. 1人1日1.5kgが目安。洗濯スタイルも考慮して!
以前は、1人1日1.5kgの洗濯物が出ると想定し、家族人数から目安を割り出していました。たとえば4人家族なら容量6kgでOK、といった具合です。
ただ、最近は生活スタイルや洗濯パターンによって洗濯機の容量を選ぶのが賢いやり方です。例えば、毎日洗うなら4人家族で6kgですが、週に1回まとめて洗濯するなら、2人でも8~9kgの容量が必要になります。
また、毛布や布団などの大物を自宅で洗いたいなら、家族人数に関わらず大容量の9kg~10kgサイズがオススメ。洗濯乾燥機の場合、洗濯容量より乾燥容量が少ないのが定番なので、洗濯乾燥機をヘビーに使うユーザーは、大きめの容量を選んだほうがいいでしょう。これらの点も踏まえて、最終的な容量を選んで下さい!
その6
Q.高いLED電球と安いLED電球、何が違うの?
A.明るさ、断熱施工の対応可否、配光の広さなどの品質が違います
高いLED電球と安いLED電球ですが、主に3つの点で違いがあります。
・明るさ……明るいものほど価格は高くなります。
・機能差……例えば、「断熱施工対応>断熱施工非対応」「調光対応>調光非対応」「全配光(300度配光)>下方配光(120度)」「調色可能タイプ>調色不可」など、多機能なタイプほど高額です。
・品質……初期は電球ごとに色ムラがあったり、明るさが微妙に違ったりする安いランプが横行していました。最近はかなり改善されていますが、大手メーカーは個体差がないよう、素子のバラつきの範囲 を狭くしているのに対し、廉価メーカーはバラつきの範囲を広くして、コストを下げている傾向があります。
その7
Q.電球のワットとLEDのルーメン、明るさを比べるにはどうすればいいの?
A.ワットは消費電力、ルーメンは光の束の量なので、厳密には換算できません
ワットは消費電力、ルーメンは光の束の量。つまり計測する対象が違うため、単純には換算できないので、換算表を参考にするのがスタンダードです。現在は、各LED電球のパッケージに「○○W相当」と明記されている場合が多いので、それを確認するといいでしょう。
※前回記事「キッチン家電の素朴なギモン4選」は以下の関連記事からご覧ください