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2023/8/16 11:15

パナソニックの最新ドラム式洗濯乾燥機レビュー! 家電の識者が特に気に入ったコースとは?

GetNavi webでは気になるメーカーの最新高機能ドラム式洗濯乾燥機を連続レビュー。

 

第3回は、パナソニックの人気ドラム式洗濯乾燥機フラッグシップモデル「NA-LX129B」をレビューします。パナソニックの「LXシリーズ」といえばおしゃれ着用洗剤の自動投入ができる「トリプル自動投入」や、濃密泡を使った「スゴ落ち泡洗浄」による汚れ落ちのよさなどで家電好きにも人気があるシリーズです。人気製品の実際の使い心地はどのようなものなのか? 実際に約1か月じっくり試用してみました。

第一回目:【日立】1か月メンテナンスフリーって本当なの!? 気になる日立の最新ドラム式洗濯乾燥機をレビュー

第二回目:【東芝】白いタオルがずっと白い! 東芝の最新ドラム式洗濯乾燥機、ウルトラファインバブルの力を実感した1か月

↑スッキリとしたデザインのNA-LX129B。マットな表面加工でシンプルなのに高級感があります

 

本製品は洗濯容量12kg、乾燥容量6kgとなっており大容量のドラム式ながら、本体サイズは幅604×奥行き722×高さ1011mmと比較的コンパクトなドラム式洗濯乾燥機です。凹凸の少ないノイズレスデザインを採用しているためか、我が家の狭い脱衣所に設置してもあまり圧迫感がありません。価格は33万8580円(税込・編集部調べ)。

 

標準洗いも優秀! 多機能ながら使いやすいUIも魅力的

使って最初に感じたのがインターフェイスの使いやすさ。本製品はフラッグシップモデルだけに多機能なのですが、「アイテム」と「目的/手段」を選ぶことでメニューを絞りこむ「検索」機能や、コース提案機能などを搭載することで、コース選びがラクになっています。

↑ホーム画面。基本的操作は「洗濯のみ」「洗濯ー乾燥」「乾燥のみ」。3つのモードの中から「おまかせ」「パワフル滝」といったサブメニューを選ぶだけ

 

↑検索機能では「おしゃれ着」を「やさしく」など、プルダウンリストから2つの項目を選ぶと、該当する洗濯メニューを絞り込みます

 

LXシリーズは40〜60℃の温水洗いやつけ置き洗い、省エネコースにデリケートな衣類用のソフト乾燥、毛布専用コースに化繊衣類を60分で洗濯から乾燥までするコース、さらには水を使わず除菌できるナノイーコース、蒸気でシワやニオイをとるシワとり・消臭コース……と、とにかく多彩。ですが、この検索機能があることで取扱説明書をチェックせずに「洗濯物にあわせた洗濯方法」が簡単に見つかりました。多機能家電にありがちな「こんな機能があったことを何年もしらなかった」という不満を解消してくれそうです。直近に利用した運転メニューを表示してくれる「コース履歴」表示も便利でした。

 

さて、ここからは実際に本製品の洗浄力をチェックします。テストでは、基本的な日常洗濯向けの「おまかせ」コースと、頑固な汚れをしっかり洗濯する「パワフル滝(洗い・すすぎ)」の2コースで洗濯してみました。普段の状態を再現するため、テストでは約6kgの衣類も同時に洗濯しています。

↑ガーゼに付着させた汚れの種類は(左上)しょうゆ、トマトケチャップ、墨汁、(左下)口紅、油性ボールペン、ブルーベリージャム。付着させて一週間放置したもので検証します

 

洗濯後の結果はこちら。標準コースである「おまかせ」では墨汚れが一部広がってしまった部分もありますが、しょうゆとトマトケチャップは完全に洗濯できています。念入り洗いに相当する「パワフル滝」では「洗濯機では落ちない」といわれる墨汁汚れも薄くなっており、ボールペンとブルーベリージャムの汚れまでほぼ完全に落ちていました。いずれも頑固な汚れにもかかわらず優秀な結果です。

 

本製品は洗濯時に濃密な泡を作って洗剤の力を引き出す「スゴ落ち泡洗浄」機能を搭載していますが、この機能がしっかり効いていると感じます。つけ置き洗いや60℃洗いを併用すれば、油分の多い口紅汚れもさらにしっかり落ちるでしょう。

↑左が「おまかせ」、右が「パワフル滝(洗い・すすぎ)」で洗濯乾燥したもの

 

ドラム式洗濯乾燥機は「泥汚れ」が苦手な製品もありますが、本製品は頑固な泥汚れもしっかり落としてくれました。一般的なドラム式洗濯乾燥機では落ちにくい「庭を走り回ったあとの靴下」の汚れが、標準の「おまかせ」コースでも落ちていたのは驚きです。ここまで汚れた場合は普通洗濯前に手で予洗いが必要ですが、その手間も必要なさそうです。

↑土で汚れた靴下

 

↑左は「おまかせ」右は「パワフル滝」で洗いましたが、どちらも土汚れはほぼ目視できません

 

おしゃれ着用洗剤の自動投入機能が便利すぎる!

標準コースも優秀なのですが、個人的に期待していたのが「おしゃれ着」の洗濯です。

 

最近の高機能洗濯機は洗剤を自動投入する機能を搭載していますが、本製品は一般的な「液体洗剤」「柔軟剤」だけではなくおしゃれ着洗剤まで自動で投入する「トリプル自動投入」機能があるのです。最近のおしゃれ着用洗剤は衣類の汚れを落とすだけではなく、衣類の「ヨレ」「型崩れ」「色あせ」「毛玉」などのダメージを防ぐ機能があります。このため、我が家では、ひどい汚れではない場合はTシャツなどもおしゃれ着洗いを利用します。トリプル自動投入機能を利用してから「今回はおしゃれ着だから洗剤を自分でいれるのを忘れないようにしないと……」と思うことが意外にストレスと感じていたことに気がつきました。

↑NA-LX129Bの自動投入用タンク。左から液体洗剤、柔軟剤、おしゃれ着用洗剤のタンク。タンクの色と形が異なっているので間違えにくいのもよかったです

 

汚れがひどい衣類は通常コースで洗うものの、外出時に着る服は全部おしゃれ着洗いしたい……そんな筆者にとって、おしゃれ着洗いコースの汚れ落ちも重要です。

 

豊富なおしゃれ着洗いコースのなかでも筆者の心を掴んだのが「約40℃つけおき(おしゃれ着)」コース。できるだけ衣類に摩擦を加えたくないけれど、しっかり汚れを落としたいという筆者にとってこのコースは「まさにコレが欲しかった」というもの。意外と「つけ置き」から「おしゃれ着洗い」を全自動でしてくれる洗濯機は少ないのです。

↑温水でつけ置き洗いするコースのほか、温水でおしゃれ着洗いするコースなど、おしゃれ着洗いだけでも種類が豊富

 

↑皮脂で首回りが黒くなっていたスポーツ用ジャケットを「約40℃つけおき(おしゃれ着)」で洗ったところ、しっかり真っ白に! 洗濯機によっては「標準」コースでも予洗いの必要がある汚れですが、おしゃれ着コースでキレイになるのは嬉しい……!

 

極上タオルの幸せ生活! タオル専用モードは手放せない

ところで、本製品にはタオルを洗って乾燥するための「タオル専用」コースがあります。我が家は昔からタオル類はすべて、ドラム式洗濯乾燥機で乾燥までさせています。乾燥機で乾燥させたタオルは、天日干しさせるより段違いにフワフワでフカフカになるからです。「普通の洗濯・乾燥コースでも肌触りが良くなるのに、なぜわざわざタオル専用モードがあるのか?」と疑問に思っていたのですが、実際に使ってみると標準モードよりもタオルのパイルが立ってフワフワに! とくに、厚めのタオルだと肌触りが明らかに違います。

↑同じタオルを2枚用意して比較。左が「タオル専用」コースで洗濯・乾燥したタオル、右が標準の「おまかせ」コースで洗濯乾燥したもの。「おまかせ」もヒートポンプを利用して乾燥するのでふっくらと 柔らかくはあるのですが、左のほうがしっかりパイルが立ってキメが揃っているのがわかるでしょうか?

 

ちなみに、タオル専用モードでは柔軟剤は使いません。柔軟剤は衣類を柔らかくするのですが、繊維をコーティングすることで吸水性が落ちることがあるからです。

 

実際に「タオル専用」と「おまかせ」で洗濯・乾燥したタオルを水につけたところ、タオル専用はパイルがしっかり立っているからか素早く吸水。しかも、通常の洗濯・乾燥をしたタオルより多くの水を吸水しました。このコースで洗濯・乾燥したタオルは、あきらかに風呂上がりの拭き上がりが良いため、本製品を使用中タオルは数日分をまとめて専用モードで洗っていました。

↑左が標準の「おまかせ」コースで洗濯したもの、右が「タオル専用」コースで洗濯・乾燥したタオル。タオルの先だけ水につけたところ、線の位置まで水を吸い上げました。「タオル専用」は553g、「おまかせ」は522gの水を吸っていました

 

生活スタイルに合ったコースがきっとあるはず

1か月じっくりNA-LX129Bを試しましたが、最初の1週間は「こんなに機能があるのか!」と驚かされました。今回レビューした機能のほかにも、水を使わずに除菌するナノイーを利用した「衛生ケア」コースや、スチームを使った「シワとり・消臭」コース、比較的デリケートな衣類まで乾燥できる「ソフト乾燥」機能など、書き切れないほど多数の便利機能があります。我が家はおしゃれ着洗いとタオル専用を気に入りましたが、家庭によって気に入るコースは違うでしょう。自分の生活スタイルにあわせた機能を選べるのは嬉しいポイントですね。

↑スチームを使った「シワとり・消臭」機能で、蒸気を使ってジーンズのシワをケア。しっかりシワがとれているのがわかります

 

気になるお手入れ機能には、洗濯終了後の自動槽洗浄のほか、ナノイーXによる槽カビ菌除菌機能を搭載。今回は1か月しか試用していないので確認はできませんでしたが、ナノイーの力で一般的な洗濯機よりカビが発生しにくいといいます。

↑ユーザーが自分ですべきフィルター掃除は、乾燥のたびの「乾燥フィルター」掃除と、週一回程度の「排水フィルター」のゴミ取りと一般的なもの。乾燥フィルターは2パーツにわかれていますが、いずれもホコリがフェルトのようにシート状に剥がれます

 

洗濯性能の高さや機能の多さといった基本性能の高さはもちろんですが、個人的に気に入ったのが洗濯のたびに液晶画面で「おはようございます」などと声かけをしてくれること。乾燥後5分以内に衣類を取り出すと「ありがとうございます」と表示してくれるので、我が家ではこの表示を見るために「洗濯が終わったらすぐ衣類を取り出す」という習慣ができました。洗濯性能には関係ない部分ですが、毎日の面倒な家事を少しだけ楽しくしてくれるのも本製品の魅力かもしれません。

↑5分以内に衣類を取り出すと表示されるコメント。意外と5分はすぐなので「洗濯が終了したらすぐ取り出す!」という習慣ができました

 

↑液晶画面では天気予報をみることも。メニュー選択時に「これから雨だから外干しはやめて乾燥機能まで使おう」などの予定をたてられます。LXシリーズは、こういった嬉しい工夫がとにかく多い!