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2017/5/4 20:00

【the周年!】 背水の陣から大ブームに! ロッテ「ビックリマン」担当者と激動の40年を振り返る

オマケ付きお菓子の大ヒット商品「ビックリマン」。その誕生から今年で40周年を迎えますが、当初は思うように売れず、廃盤になる寸前でした。ところが1985年、あの「悪魔VS天使」シリーズのシールを登場させ、大ブームを巻き起こしました。

 

特定の世代にとっては、普通のお菓子以上の意味を持つ「ビックリマン」の変遷。その背景をロッテ「マーケティング総括部」本原正明さんに伺いました。「ビックリマン」そして「悪魔VS天使」シリーズの登場と大ブームに至った経緯、「ビックリマン」のお菓子そのものの魅力や商品の未来に迫っていきます!

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↑ロッテ「マーケティング総括部」本原正明さん

 

 

初期の「ビックリマン」はどっきりシールがオマケだった!

ーー後に子どもたちの間で大ブームとなった「ビックリマン」ですが、一番最初は1977年に登場しました。当初のオマケのシールは「悪魔VS天使」シリーズとはまったく違うものだったんですよね?

本原正明さん(以下:本原) 他社さんの商品も含めて、この時代はオマケ付きのお菓子がたくさん出ていたんです。そのなかで「人をビックリさせる」「どっきりさせる」というユーモアある商品を開発しようと始まったのが「ビックリマン」でした。最初は「どっきりシール」といって、子どもたちが机に貼ってよろこびそうな血のりがプリントされたシールをオマケに付けていたのですが、これがなかなか定着しなかったんです。それで、その最終企画として始まったのが「悪魔VS天使」シリーズでした。

↑1977年に発売された当初の「ビックリマン」。後の「悪魔VS天使」シリーズに比べれば、パッケージもいたってシンプルだ

 

本原 それまでの「どっきりシール」は、オマケとしてもらってもどこかに貼って終わるという1枚完結型だったわけですが、「悪魔VS天使」シリーズは色々なシールを組み合わせていかないと、そのストーリーが理解できないというものでした。

↑1977年に発売された「ビックリマン」にオマケとして入っていた「どっきりシール」
↑1977年に発売された「ビックリマン」にオマケとして入っていた「どっきりシール」

 

ーー認知されれば大半の人がその魅力を理解できるのですが、発売される前の商品開発の時点で社内で共有するのは、なかなか難しそうに思いますが?

本原 ただ、売り上げが安定しない中での最後の企画でしたので、「これでダメなら終わり」という意味も込めてスタートしたものでした。もう定年退職をしていますが、当時の「ビックリマン」担当者が「悪魔VS天使」のストーリーを全部考えて作ったようです。

「どっきりシール」の裏には、シールを使っての楽しみ方が書いてあった
↑「どっきりシール」の裏には、シールを使っての楽しみ方が書いてあった

 

ーーでは、なんらかの外注スタッフと組んだり、詳細なマーケティングをして商品開発をしたというわけではないのですね?

本原 はい。社内の人間がオマケのストーリーまでをすべて考えて作り上げました。お菓子メーカーでありながら、アニメ制作会社、漫画プロダクションのようなこともやっていたというわけです。

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↑「悪魔VS天使」シリーズ発売当初のもの。モチーフとなるキャラクターに合わせ、シール素材を変えていた。天使キャラクター(上)は蒸着シール、お守りキャラクター(中)は透明シール、悪魔キャラクター(下)は紙シールといった具合だ
↑「悪魔VS天使」シリーズ発売当初のもの。モチーフとなるキャラクターに合わせ、シール素材を変えていた。天使キャラクター(上)は蒸着シール、お守りキャラクター(中)は透明シール、悪魔キャラクター(下)は紙シールといった具合だ

 

「1人3個まで」を破って買いに来る子どもたちは、シールの交換で交渉術を学んだ

ーー「ビックリマン」が発売されてから、「悪魔VS天使」シリーズの人気はすぐに火がついたのでしょうか?

本原 いや、すぐにはヒットしませんでした。1985年に「悪魔VS天使」シリーズが始まって、1986~1987年くらいにようやくヒットしました。この時代は、いまのようにネットがあるわけでもなく、「悪魔VS天使」シリーズは過去に原作があったわけでもないので、当初の子どもたちはどんなものかまったくわからなかったと思います。徐々に子どもたちの間でクチコミによって広まり、後に「コロコロコミック」などでのメディアミックスと合わせて、人気に火がついたようです。

 

ーーピーク時は爆発的なヒットとなり、商品の出荷が間に合わないほどだったと聞いています。

本原 店頭に並べた瞬間にすぐ売り切れる……そんな状態が続いた時期もありました。出荷が追いつかないので「1人3個までしか買えない」というルールを作ったりもしましたね。それでも、子どもが何個も買いたくて変装してお店に通うということもあったようです。

 

ーー子どもたちの間では「悪魔VS天使」シリーズのシールを交換する行為も流行ったそうですね?

本原 お笑い芸人の麒麟・川島さんは「最初にシールの交換で交渉術を覚えた」と言っていました。今の40代前半くらいの方は、そういう方が結構多かったようです。

↑シールの中でも特に人気のヘッドキャラクターは、キラキラシールやホログラムシールで展開していた

 

ーーそれだけの影響力があり、これだけ長い歴史があるとなるとシールの数も膨大な量になりそうですね。

本原 キャラクターは同じでも背景が違うシールとかも存在しているので、これまでに1500以上はあると聞いています。これは「悪魔VS天使」シリーズだけの数なので、派生した「ビックリコ」や「ビックリマン2000」といった商品のものを加えるとさらに増えます。

 

中身もおいしい「ビックリマン」は大人から次世代の子どもにも愛されている

ーーどうしても「ビックリマン」というと「悪魔VS天使」の話が多くなりますが、肝心のお菓子もすごく美味しいですよね?

本原 子どもが好きなウエハースと、発売当時はピーナッツ入りのチョコレートを合わせていました。お菓子の会社ですから味としても完成度の高いものを提供し、オマケの面白さによってお菓子の魅力を子どもたちに届けたいとずっと考えています。

↑今年の3月21日から東京圏・関東信越・静岡にて先行発売されている「ビックリマン伝説10」

 

ーー最初の「どっきり」シール時代から数えて今年で40周年になる「ビックリマン」ですが、現在は当時を知る大人の世代も結構買われているとも聞いています。

本原 「3個までしか買えなかった時代」を過ごした方がいまでは40代になって、いわゆる大人買いや箱買いをしていただいているケースが実は多いんです。「ビックリマン」を買い続けてくださっている半数以上の方が、実は昔から買い続けてくださっている方たちなのです。

 

そういった長年買い続けてくださっている方はもちろんですが、いまの新しい子どもたちにも「ビックリマン」の良さや楽しさをこれからも伝えていきたいと思っています。近年では、人気キャラクターとのコラボレーションなど、現代のトレンドを取り入れる試みも数多く行っています。また、ビックリマンを愛する元プロ野球選手の里崎智也さんをビックリマンPR大使に任命しました。これまで以上に様々なプロモーションをしていきたいと思っています。

↑子どもの頃から「ビックリマン」を愛する元プロ野球選手の里崎智也さん。ビックリマンPR大使として様々なプロモーションに参加するほか、最新版ではシールの裏に手書きのメッセージが添えられていることも

 

ーー日本記念日協会によって、2015年には4月1日は「ビックリマンの日」と制定されました。

本原 一番最初の「どっきり」シールや「悪魔VS天使」シリーズもそうですが、ずっと遊び心を忘れずに子どもたちをビックリさせることがコンセプトでした。こういった企画は常にやり続けていきますので、これから先の未来も「ビックリマン」をさらに多くの人に親しんでいただければうれしいですね。

↑今年4月1日の「ビックリマンの日」にネット上で公開された株式会社ビックリマンのWEBサイト。もちろん存在する企業ではなく、「ビックリマン」ならではのパロディである
↑今年4月1日の「ビックリマンの日」にネット上で公開された株式会社ビックリマンのWEBサイト。もちろん存在する企業ではなく、「ビックリマン」ならではのパロディである

 

40年という歴史もさることながら、いつの時代も様々な展開をし、進化を続ける「ビックリマン」。現在、公式サイトでは続々と新展開を実施中です。この機会にあらためて「ビックリマン」をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

【URL】

ビックリマンオフィシャルサイト http://bikkuri-man.mediagalaxy.ne.jp/index0.html

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