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2017/6/30 18:30

奇想天外すぎる遊園地! 知る人ぞ知るベトナム「スイティエン・パーク」の現在

皆さんは「遊園地」といえばなにを思い浮かべるでしょうか。広大な敷地、キュートなマスコット、バラエティ豊かなアトラクション……しかし、ベトナムの「スイティエン・パーク」はひと味違います。園内には独特なオブジェが所狭しと立ち並び、なぜかワニ釣りもできる唯一無二の遊園地。今回は、何もかもが独特なこの遊園地をオカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集長の吉田さんに紹介していただきます。

 

アジアの変な遊園地、ベトナム「スイティエン・パーク」

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世界で最も奇妙かつダイナミックな遊園地には、ホーチミン中心部、ベンタン市場前のバスターミナルから1時間で行くことができます。あらかじめバス運転手に「スイティエン・パーク」と伝えておけば、田舎町に突如として現れる巨大建造物の前で降ろしてくれるはず。

 

スイティエン公園に入ってまず驚かされるのが園内に点在する大小のオブジェたち。仏教や道教、ベトナムに伝わる神話、伝説をもとに造られた奇想天外な造形物が、ある物はひっそりと片隅に置かれ、ある物は数十メートルもの大きさでそびえ立ちます。遊園地なのか宗教施設なのか混乱してしまうカオスな景観こそが、このパークの一番の魅力。特に、大型プールを見下ろす神のような顔の圧倒的迫力は、諸外国の人々の心をとらえて離しません。日本では2003年に「珍寺大道場」というマニアサイトが取りあげてから、ここは「アジアの変な遊園地」の代名詞となりました。

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↑巨大オブジェが見守る園内のプール。カオスです

 

当施設はまた、園内のあちこちが数年で改変していく点にも特徴があります。2003年の日本初紹介時と現在とでは、またひと味違った「変な遊園地」になっているので、直近の様子を紹介していくとしましょう。

 

もちろん当パークの象徴である「巨大顔面プール」はいまだ健在。取材時は残念ながら改装中だったが、夏のシーズンに訪れれば、水遊びでなくこの頭の内部(エレベーターまである大型建造物!)を探検できるでしょう。

 

それに加え、最近では4D映画館やサバイバルゲーム場、足だけつかる温泉など現代風レジャー施設も増えています。「足湯」は日本の温泉の影響でしょうが、元々この場所は林中に泉の湧く聖地でもありました。スイティエンという名称も「精霊の泉」というベトナム語に由来しているのです。自然深いロケーションからベトナム戦争時には革命軍の拠点ともなったそうですが、ともかく水に縁深いパワースポットであったのは間違いありません。だからこそ巨大プールや足湯など、水にまつわるアトラクションにこだわりがあるのでしょうか。

 

水関係の設備といえば、園内いちばん奥にある池がオススメ。ここでは数年前から「ワニ釣り」のレジャーが楽しめるようになっています。別料金1万ドン(価格はすぐ変動するので注意)を払い入場すると、そこには池を覆いつくさんばかりの無数のワニ、ワニ、ワニ。池をまたぐ周遊道は低い手すりしか設置していないので、うっかり落ちやしないかとスリリングです。

 

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↑ワニにエサを与えることもできます

 

さて、ワニ釣りを始めましょう。売店にて肉の付いた釣り竿を受け取り(一回3000ドン)、それをワニたちの近くに垂らします。始めはこちらも怖々とけん制するのですが、彼らはいたって無反応。頭上にちょこんとエサ肉を乗せてみても、我関せずのクールさで微動だにしません。お腹いっぱいなのかと気が緩んだ瞬間……バクリ! いきなり高速で動いたワニに肉をかっさらわれます。もちろん針など付いてないのでアタリの手応えもなし。この後、何度もワニとの駆け引きを試してみましたが、最小限かつ高速の動きですぐに肉をとられてしまいます。普通の反射神経では対応できない、ワニの生態の凄みを感じられました。

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↑足場が鉄柵の観覧車。恐ろしいです

 

もう1つ、創業時からある観覧車にも乗ってもらいたいです。風に吹かれて大きく揺れる上、足場が床ではなくただの鉄柵なので、地上が透けて見えて恐ろしいことこの上ありません。とまあ、とにかく他ではできない体験ばかりのスイティエン公園。一度足を運べば、最高の土産話を持ち帰ることができるでしょう。

 

文/吉田悠軌さん…怪談サークル「とうもろこしの会」会長。『怪処』編集長。月刊「ムー」(学研プラス)にて連載中です

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年7-10月号」に掲載された内容の完全版となります