今回の新日本プロレス×GetNavi Webのコラボは、IWGPヘビー級チャンピンオンであるオカダ・カズチカ選手が茨城県・霞ヶ浦の周辺で「バス・フィッシング」を楽しむ企画の第2弾。プロレス界きってのバス釣りフリークのオカダ選手が、人気プロアングラーであり、釣り具メーカー「ボトムアップ」の代表を務める川村光大郎氏のレクチャーを受けながら大物を狙います。昔は入れ食いが当たり前だったブラックバス、いまやプロでも釣れない日があるほど幻の魚になりつつありますが、果たして釣果はあったのでしょうか?
PROFILE
オカダ・カズチカ(手前)
愛知県安城市出身、1987年11月8日生まれ。新日本プロレス所属。身長191cm、体重107kg。「レインメーカー」の異名を持つ現IWGPヘビー級チャンピオン。華麗なるドロップキックを得意とし、フィニッシュホールドとしてレインメーカーを持つ。趣味はルアーフィッシングで、フェラーリ好きとしても知られている。
オカダ選手のTwitterはコチラ
教えてくれたのはこの人!
川村光大郎(かわむら・こうたろう)さん
茨城県出身。霞ケ浦水系をメインに、全国のフィールドを駆け巡る。バスフィッシングを生きがいとし、フィールドで培った感性をルアー開発に注ぐかたわら、各メディア、イベントなどを通じ、釣り方やバスフィシングの魅力を多くの人に伝える。「陸っぱり(※)の貴公子」の異名を持つ。ルアーマガジン初代陸王・Basserオカッパリオールスター優勝3回。
(※)陸っぱり(おかっぱり)…船やボートを使わず、陸から釣りをするスタイルのこと
前編はコチラ
「レプリカのバスで撮影」を避けるため、まずは確実な仕掛け作り
――集合場所からかなり走りましたが、このポイントで釣りを開始ですね? なぜこの場所を選ばれたのですか?
川村 前回、お話したように「変化」を求めてこのポイントを選びました。ここに来る途中、何か所もチェックしましたが、この水門だけが流れがありましたからね。他の水門は流れが止まっていたり、流れが弱かったりと、僕がイメージするポイントではありませんでした。
オカダ この水門はかなりの水量がありますね。以前の自分だったら、水が流れてなくても水門を見つけた瞬間、竿を出していました(笑)。この水門は生命感がある。小魚が集まっているのも見えるし、ドキドキしてきました!
――とはいえ、昔と違ってブラックバスの数も減ってきていると聞きます。本当に釣れるのでしょうか……?
川村 そのための準備はしてきました。ベストを尽くしましょう!
――一応、レプリカのバスを持って来ましたので、もし釣れなかった場合は、コレを持って笑いで終わらせる形に……。
川村 それを避けるためにも、頑張りましょう! 今回は、発売前の最新のワーム(ソフトプラスチックを使ったソフトルアーの一種)を持って来ましたよ。
オカダ これが新作のワーム…釣れそうですね! 何という名前なんですか?
川村 BREAVOR(ブレーバー)というストレート系のワームの新サイズとなる5インチです。少し張りのあるストレートボディにシャッドテールと呼ばれる、小魚の尻尾のように震えるデザインをしています。
――針の先にこのワームを刺すだけでブラックバスが釣れるんですか?
川村 基本的にはそうですが、バス釣りの世界は奥が深い。リグと呼ばれる仕掛けの作り方によって、釣り方や狙う場所が違ってきます。今回はポイントを広く探るために「ライトキャロライナ・リグ」を使ってみましょう?
オカダ ライトキャロですね。普段はあまりリグらないんですけど……。ほとんど初めてに近いかも知れません。
川村 ヘビキャロもやらないんですか?
オカダ 良くてスプリット(笑)。
――ちょ…ちょっと待ってください! 全く理解できないのですが……。
川村 初めての方にはチンプンカンプンですよね(笑)。バス用語は英語を基本とした専門用語も多いので、こんな会話になるんですよ。
いま話していた「ライトキャロ」は、ライン(糸)の途中に付けた軽めの中通しシンカー(糸を中心にある穴を通すおもり)の先にスイベル(糸ヨレ防止金具)を介してリーダーと呼ばれるラインを50~70㎝ほど結びます。その先にフックを付け、ワームを真っすぐに刺せば完成。合計3か所を結ぶやり方で、おもりを中心として先端のワームが湖底を自然に漂うように見せると…バスがパクッと食いつきます。シンカーが軽いとライト、重いとヘビーになるのですが、基本的なリグの形状は同じです。
一方、スプリット(スプリットショットリグ)とは、真ん中に溝が入ったおもりにラインを噛ませるやり方。作り方が簡単なのですが、ラインを傷つけて強度を損なってしまったり、スイベルがないのでラインがヨレやすくなりますね。
オカダ 手間をかけてもライトキャロをしっかり作って、確実性を選ぶ。なるほど!
ポイントを観察して水中をイメージすることが重要
――でも、ライトキャロって、何だか面倒ですね。バス釣りってルアーを結んでビューンと投げ、グリグリ巻くだけなのかと思っていたのですが……。
川村 それもひとつの方法ですが、繊細な釣り方をしないと釣れないことも多いんです。その良い例がこの水門。水が流れ込むポイントを観察してください。
オカダ 小さな魚とエビがたくさんいますね。流れに逆らうように群れているのが見えます。
川村 この魚はハゼの仲間のゴリ。バスは水門の水に乗って流されてくるゴリを待っているんです。ですから、湖底を自然に漂う小魚をイミテートした繊細なライトキャロが威力を発揮すると考えました。このライトキャロは底をズルズルと引く「線の釣り」。水門の角や杭といったピンポイントを狙う「点の釣り」とは正反対ですが、こうした線の釣りを広範囲に行うことで「面の釣り」になります。
こんなふうに、水の流れを読んで、遠くにキャスト(投げること)してズルズルとルアーを引き、ロッドを戻しながら余ったラインをリールで巻き取ってください。余ったラインを巻き取っている時は水中でルアーが止まるので、引っ張られたルアーが水中でユラユラと漂うのです。……!!
(そのとき、川村さんの竿に当たりが。余裕で釣り上げる川村さん)
――うわーっ、釣れた!
オカダ いきなりですか? 凄すぎます!
――これで取材が成立します。さすがはプロ!
オカダ うらやましい…早く僕も釣りたい!
オカダ 川村さん、いまは「面の釣り」だったわけですよね。逆に「点の釣り」で釣るにはどうすれば良いんでしょうか?
川村 スモラバ(スモールラバージグの略。軽いおもり付きの針に細いラバーを巻いたリグ)やダウンショットリグ(ワームの下におもりを付けるリグ)が効果的です。試しに足元を撃ってみましょうか? オカダさんの足元にある水門の角も、地形の大きな変化ですからね。角にバスが隠れ、流れてくる魚やエビを待ち受けていると想像しましょう。真上からそっと落として、ピリピリ…と竿先を細かく震わせるように誘います…題してマイクロピッチシェイク。おーヒット!
オカダ こんな足元で……。凄すぎる! 神技ですね!
川村 これがバス・フィッシングなんです。ポイントをよく観察し、見えない水中を頭の中でイメージする。水、風、地形、天気、捕食しているエサなど、できるだけ多くの条件を関連させることでブラックバスは釣れるようになります。単純なことですが、しっかりとイメージを作ることで釣果が大きく違ってくる。想像力を働かせることもバス・フィッシングの醍醐味ですね。
さあ、これで、バスがいるのが分かったと思います。あとはオカダさんが釣るだけですよ!
オカダ …はい、頑張ります!
…そして約2時間。オカダさんの竿が曲がることはなく終了……。
狭い水路に移動! そのときオカダ選手の竿に大物が…!
川村 釣れないときは移動です。ポイントを変えましょう!
――今度のポイントは細い水路みたいですね。こんな場所でバスは釣れるのでしょうか?
川村 細い流入河川や水路にもバスは生息しています。狭い水路は地形の変化に富んでいて、湖が荒れている場合や水質が悪いときには、バスが条件の良い水路に入ってくることも少なくありません。
オカダ 川村さんのDVDでも細い水路でデカバスを釣っていますよね。うわ、でも本当に小さい水路ですね! 対岸に手が届きそうです(笑)。
川村 ちなみに、オカダさんは普段、どんな釣り方をしているのですか?
オカダ 強気の釣り方が多いですね。ハードルアーをガンガン投げて、ガンガン巻きます(笑)。
川村 男らしい! ヘビー級チャンピオンのイメージそのままですね(笑)。じゃあ、ここの水路は巻いてみますか? 場所が狭いので小さなハードルアーを使ってみましょうか。
オカダ いいですね。巻く釣りの方が自分に合っているみたいです!
川村 今回はひと口サイズのミノー(小魚型のルアー)を使いましょう。ここでは実績があると聞いていますので。
(と、川村さんのロッドに反応が! 川村さん、川べりに寝そべってブラックバスを手づかみ)
――うわっまたヒット! 川村さん、スゴイです!
オカダ うう~、早く僕も釣りたい! (ここで、オカダさんの竿が大きくしなる)…あっ、ヒット! ヒットしました!
――うおっ、デカイ! いままでで一番じゃないですか!?
川村 ゆっくり、ゆっくり慌てないで…あっ、これは……。
オカダ ブラックバスじゃない……。
川村 この魚は「チャネル・キャットフィッシュ」というアメリカのナマズです。霞水系ではバスにまじって釣れることがよくあるんですよ。
オカダ でも、大きいですね(笑)。バスじゃないけど、魚が釣れただけでもうれしい!
川村 その気持ちが大切。どんな魚でも、遊んでくれたことに感謝しないと。とりあえず一匹を手にしたので、次のポイントに移動しましょう。ここよりは少し広いですが、やはり水路ですから同じように釣ってください。
オカダ 了解です。調子が出て来ました!
残り30分、ついに念願のブラックバスがヒット!
――オカダさん、頑張ってください! そろそろ時間が……。
オカダ おっ、土管から水が流れていますね。これは大きな変化じゃないですか?
(と、土管の近くにキャストを始めるオカダ選手)
川村 オカダさんはやっぱり運動神経がいいんでしょうね。キャストが上手です。狙っているポイントもバッチリですから、絶対に釣れますよ!
――残り30分、頑張ってください!
(ここで、オカダ選手の竿がしなる!)
オカダ うおおおおおぉぉぉ~! ヒット、ヒット! ブラックバスだ! うれしい! でも、小さい……。
川村 いえいえ、お見事です! 今日のように暑くて晴れた日って、釣るのが難しいんです。そこでハードルアーを巻いて釣るなんて、やっぱりチャンピオンは持ってますね!
オカダ 残り5分。もう一匹。最後を締めくくる40㎝オーバーのバスを釣りたい!
――ここで釣ったら、本当にスゴイですよ!
オカダ キタァ~! あ…でも、やっぱり小さい…。20㎝くらいか(笑)。
――とはいえ、ラスト30分で2連続ヒット。ありがとうございます! 企画としても大成功です!
オカダ 本当は大きなバスで締めくくりたかったんですが……でも楽しかった! 憧れの川村さんとも釣りができたし、小さいながらもバスが釣れたし。これで今後の試合に集中できます(笑)。
川村 でも、この短時間に2匹の釣果は素晴らしい。秋口には、湖の水温も下がり始めるので、バス釣りには最高の季節になりますよ。ぜひ、また釣りに行きましょう!
オカダ 川村さん、男と男の約束ですよ!
<今回のオカダ選手の釣果>
20cm級ブラックバス×2、10cm級ブルーギル×1、40cm級チャネル・キャットフィッシュ(アメリカナマズ)×1
――「おかっぱりのプリンス」こと川村光大郎さんと「レインメーカー」オカダ・カズチカ選手のタッグマッチは大成功! 小さいとはいえ、残り少ない時間で立て続けにヒットさせたオカダ選手、さすがの運の強さを見せたと同時に、リングとはまた違った静かな表情や、無邪気な笑顔なども見せてくれました。今回、憧れの川村さんとともに数少ない休日を大好きなバス・フィッシングに興じることで、次なる戦いへの闘志を高めたようです。
ちなみに、バス・フィッシングは一度釣ってしまうと、誰もがその気持ちよさで病みつきになってしまうとのこと。あなたも一生モノの趣味として、バス・フィッシングを始めてみてはいかがでしょう。そうなればいつの日か、湖畔にたたずみ、夢中になって竿を振るIWGPヘビー級王者と出逢えるかもしれませんね。
…ちなみに
――ところでオカダさん、そのバッグ、カッコイイですね。迷彩柄ですか?
オカダ あ、わかります? 実はコレ、バス釣りに携帯するバッグが欲しいな、といつも思っていて、特別に作ってもらったものなんです!
――えっそうなんですか? あ、確かにRM、つまり「レインメーカー」のロゴが付いてますね。丈夫そうですし、ポケットも多くて、ルアーの収納もしやすそうですね。
オカダ そうなんですよ。あとこのバッグ、衝撃吸収材が入っているので、釣りだけじゃなく、カメラの収納にも使えますよ(笑)! コレをカメラバッグにして、僕の試合を撮影してもらってもいいですね。
――オカダ選手プロデュースのバッグは現在予約受付中です!
【INFORMATION】
■川村さんのブランド「ボトムアップ」のHPはコチラ
■オカダ・カズチカ選手がプロデュースしたショルダーバッグ情報
フルクリップ
2BLOCK レインメーカーver.
軽量&ハードボディが自慢のオカダ・カズチカの小さな相棒。
バスフィッシング界で圧倒的な支持を得るバッグブランド・フルクリップの名作ミニショルダーバッグ「2BLOCK」をベースに、オカダ選手のアイコンをモチーフにした数量限定別注アイテム。バス釣りをはじめとするフィッシングシーンで機能的に使える仕様になっています。また外装の中生地に厚めのウレタンを入れており耐衝撃吸収性が高いことから、小型一眼レフやミラーレスカメラ、レンズを収納し持ち運べるスペックを持ったバッグです。リングサイドで日々撮影を行い、大切なカメラの持ち運びに悩む「プ女子」の皆様にも最適。米国の特殊部隊で用いられる最新のミルスペック迷彩生地をメイン素材に使用し、左右にオカダ・カズチカ選手を象徴するエンブレムを配したデザインは、普段使いでも気軽にお使いいただけます。
●価格:1万4040円(税込)●サイズ/質量:W230×H165×D130mm/約250g(本体のみ)●日本製
公式ショップはコチラ
楽天市場店はコチラ
■試合情報
【KING OF PRO-WRESTLING】
10/09(月・祝)@両国国技館
OPEN 15:30/START 17:00
※最新情報は新日本プロレスオフィシャルサイトへ
◆テレビ朝日「ワールドプロレスリング」
10月14日(土)深夜2時~放送(予定)
※地域によって放送日時が異なります。詳しくは番組HPへ
◆CSテレ朝チャンネル2「ワールドプロレスリング LIVE 2017」
10月9日(月・祝)
午後4時~大会のみどころ
午後5時~生中継
撮影/和田清志