ライフスタイル
2018/5/14 11:24

【対談】子育て家族の理想のマイホームが変わりつつある?――整理収納のプロ・梶ヶ谷陽子さんと家づくりのプロ・木戸將人さんに聞きました

+NEST――いい間取りは家族間コミュニケーションが増える!

木戸 夕方にお子さんが帰宅して、どこで宿題をするかというと、ご承知かと思いますが、リビングが多いのです。お母さんとしては、そのこと自体は歓迎とはいえ、いかんせん夕食の準備と重なる。いざダイニングテーブルに料理を並べようとすると、消しゴムのカスが残っていたりしますし、教科書やノートなども散らかっている(笑)

梶ヶ谷 わかりますー(笑)

 

木戸 それを単に解決するだけでなく、プラスの効果もご提案できないかと商品化したのが「+NEST」(プラスネスト)というスペースです。LD(リビング・ダイニング)の一角に、お子さんが宿題やお絵描きできる場所をご提案させていただきました。2008年のことです。

梶ヶ谷 すてきな発想ですね。安心できますし、コミュニケーションもとりやすい。子どもが大きくなったら、やがては自分たち夫婦の趣味のスペースとしても使えますものね。

木戸 まさにそのとおりです。家はライフステージによって、しなやかに対応できる柔軟性を持たなければならないと考えています。+NESTのデビューから今年で10年目。おかげさまで評判も良く、いくつかのご家族を追跡調査させていただいた結果、ほぼすべてのご家族がお子さんの勉強や遊びの空間としてお使いいただいています。

梶ヶ谷 すてきですねー。

 

木戸 実は+NESTには、「お子さんが礼儀正しくなる」という効果もあるようです。LDの一角に自分のスペースがあると来客時、例えばママ友が遊びに来たときもその場所にいて、親たちの様子を眺めたり会話を聞いたりしている。社会性を学ぶのでしょうね。

梶ヶ谷 なるほどー。それは片づけにも通じますね。狭くても自分のスペースがあると、そこで身支度したり、学校から持ち帰ってきたモノをしまったりする。最初からそうしたスペースが考慮されているなんて、ホントすばらしいです。うちはリビングに後から子ども用の収納を作って、そこにランドセルなどをしまえるようにしています。

 

↑「子どもからはリビングのテレビが見えず、キッチンからママが子どものようすをうかがえるのが+NESTの理想的なレイアウトです」と木戸さん

 

↑「+NEST」のネーミングは女性スタッフの発案だとか。文字どおり、子どもたちの巣立ちを助けるという思いが込められている

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3