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2018/5/14 11:24

【対談】子育て家族の理想のマイホームが変わりつつある?――整理収納のプロ・梶ヶ谷陽子さんと家づくりのプロ・木戸將人さんに聞きました

子ども部屋と収納――“適材適所の収納”が子どもの成長に効果的

梶ヶ谷 そうそう、子ども部屋といえば、へーベルハウスには子どもが壁の一面を自由にできる仕様もあるみたいですね?

木戸 ええ。子どもキッカケの家づくりと申しましても、具体的に間取りやら外装・内装、設備などを考えるのはパパ・ママやおじいちゃん、おばあちゃんです。子どもの視点から工夫がこらせる、たとえば壁の一部をマグネットクロスにして、自分が描いた絵や好きな写真などを貼れるようにするとか、場合によってはそのまま絵を描けるなどしたらどうか、というアイデアです。

梶ヶ谷 おもしろいですね。

木戸 創造性を育むうえで効果的ではないかとの意図です。さすがにリビングでやられたら問題ですけれど、子ども部屋の一部なら許容範囲(笑)。親御さんとしては、新築の家は壁に釘1本刺したくないですからね。いざとなれば、あとでクロスを張り替えればいい。

梶ヶ谷 私もそうでした。釘どころか画びょうも刺したくなかった(笑)

 

木戸 2度も家を建てられたのは本当にすごいですね。1度目のご経験が生きている?

梶ヶ谷 そうですね。失敗もしています(笑)。2度目の家を建てる前に整理収納アドバイザーの資格を取得して、いかにふだんの生活で収納が重要なのかを改めて認識したのですが、私は基本、さまざまな収納家具を後で買ってきて、使いやすいように置くスタイル。収納を味方につけると、ホント日々の暮らしが助かりますから。ここでお聞きしたいのですが、家づくりの初期の段階から子どものスペースを考えたり、ビルトインの収納設備などを設計するコツはいったいどこにあるのでしょう?

木戸 まずは、住む方の生活を知らなければなりません。ですから、朝起きてから夜お休みになられるまで、どんなスケジュールなのかをヒアリングさせていただきますね。

梶ヶ谷 ああ、一緒です。私も収納のご相談を受けたとき、その方がどんな生活パターンなのか、いつどこでどんな作業をされるのかなど、起床から就寝までの流れを聞かせていただきます。

木戸 なるほど。私どもはよく「3つのぱなし」というお話をさせていただきます。①出しっぱなし、②かけっぱなし、③置きっぱなし、ですね(笑)

梶ヶ谷 わかるー、わかります(笑)

木戸 これらの解決策としてご提案させていただいているのが、大きく「集中収納」と「壁面収納」。多くの場合はリビング、もしくは玄関からLDの間あたりに、ある程度まとまった収納が可能なスペースを考える。その際、床面積ではなく、壁面積として収納スペースをとらえるということです。

梶ヶ谷 壁面収納は有効ですよね。

木戸 おっしゃるとおりです。そのとき、4人家族の場合でLD収納の目安として約7㎡の壁面積を考えてください、と。これはいろいろデータをとらせていただき計算した平均値です。近年、再調査したところ、必要な壁面積はほとんど変わらないのですが、1つ当たりのモノのサイズが小さくなり、モノの数自体は増えているんです。

梶ヶ谷 たしかに昔はなかったような便利な生活用品が増えたりしています。

木戸 そうなんです。で、「リビングクローク」と呼んでいますが、たとえば「テレビを置く側の壁の裏側に1畳くらいの収納スペースを設けませんか?」と、ご相談させていただいています。近年、こうした設計にできるのはテレビが薄型になり、視聴距離が昔のブラウン管時代より短くて済むようになった背景もあるかもしれません。

 

梶ヶ谷 実際にこうした収納を採り入れる方は多いですか?

木戸 はい、おかげさまで。仮に18畳のLDでしたら17畳ではいかがでしょう、と申し上げると納得いただけたりします。

梶ヶ谷 1畳くらいなら許せますね(笑)。すばらしいなぁ、3面の壁面収納は目隠しにもなるし、地震などのとき、人がいるほうにモノが飛び出したりしてこないメリットもありますよね。

木戸 ええ。へーベルハウスは壁に耐力を負担させない構造なので、壁を凹ませて収納スペースを作ったり、壁と収納を兼用させる間仕切りファニチャーの採用など設計の自由度が非常に高いのです。梶ヶ谷さんはより実践的というか、ケースバイケースでどこに何を収納するかなどキメ細かな観点でお考えだと思いますが、私どもは大きな枠でとらえて、「そこに入れば良し!」という考え方です。

梶ヶ谷 なるほどー。

 

↑7㎡は壁の長さに換算すると約3m。これを生み出すために壁を曲げて1畳ほどの「リビングクローク」を作るという発想だ

 

↑部屋を完全に仕切らない「間仕切りファニチャー」も広びろとスッキリを両立するポイント

 

木戸 収納の専門家としての立場から、改めて子どもがのびのび育つための収納のポイントを教えていただけますか?

梶ヶ谷 単に収納スペースをとるのではなく、“適材適所の収納”を考えることじゃないかと思っています。よく子どもに話すのが、「片づけって、モノをもとの場所に戻せばいいんだよ」と。「だから、戻す場所をいっしょに決めようね」「どこなら戻しやすい?」と、子ども目線で収納場所を決めてあげる。「子どものせいでウチが片づかない」と不満をこぼす方がいらっしゃいますけど、そうじゃないと私は言いたいです。

木戸 あー、腑に落ちました! ある保育園の先生にヒアリングしたとき、「2歳でもお片付けはできますよ」と言われまして。次の商品のヒントになるなぁ(笑)。6月30日のセミナーも楽しみにしています。

梶ヶ谷 いえいえ、私のほうこそ、木戸さんのお話が楽しみ。もっと聞きたいです。住まいのカタログや収納ハウツー本どおりの暮らしはなかなかできませんけど(笑)、理想に近づけることはできますからね。今日はおかげさまで目からウロコが3枚4枚も落ちちゃいました(笑)

木戸 とんでもないです。本日はありがとうございました!

 

↑「+NESTのクローゼットの奥行きやハンガーパイプの本数もカスタマイズできるんですか?」など興味しんしんの梶ヶ谷さん。さらなる「子どもがのびのび育つ家」のヒントは6月30日のセミナーで明らかに。お楽しみに!

 

【お知らせ】

カリスマ整理収納アドバイザー&教育評論家による

「子どもが伸びる! くらしやすく・学びやすい家づくり」セミナーを開催します!

日時:2018年6月30日(土)13:00開始

会場:学研ビル13階カフェフロア(JR五反田駅5分)

会費:無料

主催:株式会社学研プラス 協賛:旭化成ホームズ株式会社

 

「子どもの勉強スペースはどうすれば?」「子どもがいても片付く家にするには?」など、家を建てるうえで、育児や教育はもっとも重要なポイントのひとつです。そこで今回、教育評論家・親野智可等先生と、整理収納アドバイザー・梶ヶ谷陽子さんを迎え、子育て世代の皆様にとって「くらしやすく・学びやすい」家づくりについて考えるセミナーを開催いたします。

 

ぜひこの機会に、お子様・ご家族にとっての“理想の家づくり”を発見してみましょう!

 

<プログラム>

第1部

「子どもが自然に伸びる家~学びやすい家づくりとは?」

教育評論家:親野智可等先生

第2部

★「親子コミュニケーションを育む家とは~建築事例のご紹介から

旭化成ホームズ株式会社

「くらしノベーション研究所主幹研究員・共働き家族研究所長」:木戸將人さん

「『未来の家づくりシート』で見つける本当に建てたい理想の家講座」

整理収納アドバイザー:梶ヶ谷陽子さん

 

詳細・申し込みはコチラ

 

撮影:我妻慶一

 

撮影協力

旭化成ホームズ(株)ヘーベルハウスFREX 3F石神井モデル

東京都練馬区下石神井1-8-4 石神井住宅公園内

 

 

 

 

 

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