ライフスタイル
2018/7/4 6:00

ゴーヤやアサガオならまだ間に合う!? 今年の猛暑を「緑のカーテン」でエコで涼しく――『緑のカーテンのつくり方』

2018年6月29日。関東甲信越地方の梅雨明けが発表された。昨年より7日、平年より22日も早いというタイミングは、1951年の観測開始から史上初の6月の梅雨明けということになった。うっとうしさを感じる間もなく夏本番に突入してしまったわけだ。

 

この日の午前中から“史上最速”が最新のバズワードになり、瞬間最大風速的と感じられた勢いもまったく衰えを見せなかった。そして昼頃、JR渋谷駅前付近を歩いていた筆者は、ビルの屋上に表示された32という気温を示す数字を見てもたいして驚かなかった。体感温度が36度くらいに思えたからだ。

 

今年の夏は暑くて長い

史上最速の梅雨明け宣言から遡ること4日。6月25日に出された気象庁の3か月予報では、9月まで全国的に暑くなるという可能性が示されていた。1か月ずつ詳しく見ていくと、以下のようになる。6月28日の予報では、7月は平年より気温が高く、特に初めが平年より暑いという見込みだった。梅雨明け宣言後の気温を考えても、これはずばり的中といっていいだろう。

 

8月は全国的に平年並みか平年よりも高い気温という予報が出されている。9月もまったく同じ傾向になるようだ。

 

筆者は夏が大好きなので、いくら暑くなってもいいと思っている。アスファルトから立ち上る熱気で頭がぼうっとするくらいになっても、体が動かないように感じられる冬の寒さを思えば、はるかにいい。ただ、自宅の作業環境や電気代を考えると、暑い夏への期待も速度が落ちる。

 

 

夏好きの暑がり

実は筆者、夏が大好きなのに暑がりなのだ。8月に入る頃には、決して大げさではなく24時間エアコンをフル稼働させてしまう。外に出るときは温度差でクラクラするくらいキンキンに冷やした空気のなかで仕事をしている。夜寝るときも、「ちょっと冷やし過ぎかな」なんて思いながら毛布にくるまるのが好きなのだ。

 

ネガティブな自覚が一切ないので、夏はこういうライフスタイルを貫いている。でもときどき、「さすがに毒かもしれない」と思うことがある。そうは思うのだが、具体的な代替案は一切浮かばない。いや、これまでは浮かんだことがなかった、と言っておく。

 

この原稿で紹介したいのは、筆者のような典型的エアコン依存型サマーライフから脱却するための、アナログでエコなアイデア満載の一冊だ。一時期さかんに言われていた“ロハス”という言葉がフラッシュバックする。

 

 

見た目にも鮮やかな緑のカーテン

緑のカーテンのつくり方』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)のテーマは、夏の強い日差しをさえぎる“緑のカーテン”を自分の手でいちから作っていくことだ。ちなみに、いわゆるガーデニングは筆者の得意ジャンルではない。それに筆者は、鉢植えの観葉植物をかいがいしく世話するタイプでもない。でも、この緑のカーテンにはなぜか強く心惹かれる。「はじめに」に記されている文章を読んでみよう。

 

夏の厳しい日差しも、緑のカーテンで窓を覆えば、室内に差し込んでくる様子が木漏れ日のよう。まるで森の中にいるような心地さえ感じられます。そんな緑のカーテンは、植物が持つ本来の力を借りて、暑い夏をできるだけ涼しく過ごす、日本古来の知恵。

(『緑のカーテンのつくり方』より引用)

 

筆者のような初心者は、ゴーヤやアサガオ、そしてヘチマなんかが比較的始めやすいようだ。

 

 

効果も抜群

そもそも緑のカーテンにはどんな効果があるのか。本書では以下の4点が挙げられている。

 

・葉っぱで日差しをカット

・蒸散作用で気温を下げる

・きれいな酸素で新鮮な空気

・省エネでエコ!

 

見た目に涼しげなだけじゃない。つるが伸びて葉が茂り、それがカーテンとなって直射日光を遮り、目隠しにもなる。葉っぱの蒸散作用によって、緑のカーテンを通る風が涼しく感じられ、光合成で周囲の空気が浄化される。

 

日差しがやわらげられて気温が下がり、新鮮な空気に包まれれば、自然とエアコンを使う頻度も下がるというきわめてヘルシーな循環が生まれるのだ。

 

 

実用的アートとして趣味にしたい

ハウツー本としての作りも、実に親切だ。フローチャート的にまとめられた「緑のカーテンの栽培の流れとポイント」は、カーテンに使う植物のライフサイクルと作業の詳細が併せて表記されているので、全体的なプロセスがひと目で把握できる。

 

種や苗、培養土と肥料、そしてコンテナ、ネットと支柱の選び方も実践的。目的に応じてピンポイントな選び方ができるだろう。必要なものが揃ったことを確認した上で、先に紹介した「緑のカーテンの栽培の流れとポイント」に沿って実際の作業にとりかかることができる。

 

緑のカーテンという概念が優れているのは、好きな植物を使って好きなスケールのものを作ることができるところだ。一軒家に住んでいてもマンションに住んでいても、スケールの違いこそあれ、まったく同じコンセプトで作っていける。

 

ゴーヤやアサガオなら今年の夏もまだ間に合うかもしれない。今年はテスト期間として、来年は完成度の高い緑のカーテンを作れる気がしている。作って育てるプロセスを楽しめる実用的なアートの形態であることはまちがいない。筆者としては、趣味と呼びたい。

 

ガーデニングではなく“カーテニング”をきわめる気持ちを固めながら、来年の夏も今年みたいに暑くなることを今から祈っている。

 

 

【書籍紹介】

緑のカーテンのつくり方

著者:学研パブリッシング(編)
発行:学研プラス

アサガオやゴーヤなどのつる性植物をブランド状に育てるグリーンカーテン。電気を使わずに真夏の室内を涼しく保つ、ナチュラルでエコな園芸技術を、イラストと写真で解説したハウツーと、利用できる花や野菜の詳しいカタログで構成した入門書です。

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