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2018/7/9 16:00

【2018上半期保存版】編集部が選んだ売れたモノ・バズったものランキング60~51位

“懐かし”と“最先端”、2018エンタメは振り幅極大!

アニメ“は復刻”ウェブは”仮想”がトレンドキーワードに

テレビでは往年の名作アニメのリメイクが増加しており、ネットでは人間のYouTuberに代わってCGキャラクターの「VTuber」が配信する動画が話題になっている。2018年上半期のエンタメトレンドを知るために、押さえておきたいこの2つのトレンドワードを中心に55位と54位を解説したいと思う。解説役には、VTuberムーブメントに初期から注目しているPANORA編集長の広田 稔さんと、アニメディア編集長の馬渕 悠さんが務める。

 

【55位】

VTuber

「バーチャルYouTuber」ことVTuberは、YouTuberとして動画配信を行うCGキャラクター。リアルタイムで動き、ファンとの交流もできる。個性的なVTuberが続々登場し、急激に人気が高まっている。

 

なぜいま、VTuber?

「“かわいいのに○○”というギャップが、人気の理由のひとつだと思います。美少女なのにどこか抜けていたり、トーク内容が意外だったりと、個性的で楽しいギャップの持ち主が多いので、ぜひそこに注目しながら見てください!」(広田さん)

 

VTuber人気の火付け役となった正統派美少女

 

キズナアイ

「世界初のバーチャルYouTuber」を名乗り、2016年から活動を続けるVTuberブームの先駆者。メインのYouTubeチャンネル「A.I.Channel」に加え、ゲーム実況専用チャンネルの「A.I.Games」も人気。ホラーゲームなどに挑戦している。

「正統派美少女なのに、どこかポンコツなところが魅力。とくに絶叫しながらのホラーゲーム実況が見ていて楽しい!」(広田さん)

 

↑様々なシチュエーションを、「じゃがりこ」の発声だけで表現するゲーム「演技力じゃがりこ面接」に挑戦。そのかわいさで動画が話題となった。

 

ディープな話題が得意なサブカル好きの学級委員長

月ノ美兎(にじさんじ)

20人以上のメンバーからなるバーチャルライブ配信グループ「にじさんじ」の1期生。学級委員長を務める高校二年生だが、配信はそんな真面目なイメージを覆すマニアックな話題が満載。「月ノ美兎の放課後ラジオ」も不定期配信中。

「にじさんじは、メンバー同士のコラボが盛ん。それぞれのファンがコラボ相手も好きになる、といった広がりのある点が強みです」(広田さん)

↑「にじさんじ」には、1期・2期あわせて20人以上が所属。新規グループメンバーを選ぶ「にじさんじSEEDs」オーディションも開催された。

 

ちょっと「ポンコツ」がかわいいお天気キャスター

ウェザーロイドAiri

ウェザーニュース所属のバーチャルお天気キャスター。従来から気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」に出演していたが、本年5月にAiri公式YouTubeチャンネルを開設し、VTuberとしての活動を開始。「ポン子」の愛称で親しまれる。

「“ポン子”の愛称もあるように、キズナアイ同様ちょっとポンコツなところが魅力。占いコーナーでの蟹座への謎の煽りは必見」(広田さん)

 

↑真面目に週間天気を読んでいるものの、Airiが前に出すぎて天気アイコンが見えない。この「もうおまえしか見えない」動画で人気になった。

 

【54位】

復刻アニメ

長い歴史をもち、過去何度もアニメ化されている作品のリメイクが話題だ。名作の復刻作品のなかから、各ジャンルの定番ともいえる3作品の新作の見どころを、作品のヒストリーとともに紹介しよう。

 

なぜいま、名作復刻?

「いまはSNSによって世代を超えて情報を拡散できる時代。大人世代がかつて親しんだ作品がリメイクされれば、その話題がSNSを通して若い世代にも伝わります。結果的に、ファン層の拡大が見込みやすいのが大きいです」(馬渕さん)

 

著名選手のファンも多い日本が誇るサッカーマンガ

キャプテン翼

テレビ東京にて毎週月曜深夜1:35より放送中

サッカー少年・大空 翼が、個性的なライバルたちと出会い、ともに成長していくストーリー。登場人物たちが繰り出すダイナミックな必殺技も見どころ。4月放送開始の最新作は、シリーズ初の深夜枠での放送となった。

「小学生時代の話は何度もリメイクされていますが、注目は中学生時代も描かれるかということ。新田、次藤、早田が見たい!」(馬渕さん)

©高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会

 

↑高橋陽一の同名原作マンガは1981年連載開始。日本のサッカーブームの火付け役となった。あのイニエスタも“キャプ翼”が大好き!

©高橋陽一/集英社

 

世代を超えて親しまれる妖怪アニメの定番

ゲゲゲの鬼太郎

フジテレビにて毎週日曜9:00より放送中

水木しげるのマンガ「墓場鬼太郎」を原作とする妖怪アニメ。4月より放送中の第6期は、現代日本が舞台。妖怪ポストに手紙を書いた人間の少女・まなと鬼太郎たちの交流を描く。おなじみの主題歌を歌うのは氷川きよし。

「なじみ深い妖怪やエピソードが現代日本に沿った話として描かれ、誰もが理解しやすい。ねこ娘&まなのWヒロインにも注目!」(馬渕さん)

©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

 

↑第1期は1968年放送開始。白黒アニメだった。以降現在まで全6期のシリーズが放送され、今年でアニメ化50周年の節目の年を迎える

©水木プロ・東映アニメーション

 

個性的な登場人物たちの魅力は永久不滅

深夜!天才バカボン
テレビ東京にて7月10日より毎週火曜深夜1:35~放送開始(初回は1:40~)

自由奔放なバカボンのパパや、ピストルを撃ちまくる本官といった個性的なキャラクターたちがドタバタを繰り広げるギャグアニメ。最新作は「深夜!天才バカボン」のタイトルになり、細川 徹監督のオリジナルストーリーで7月放送開始。

「現代を舞台にした新作は、深夜ならではの過激な展開が待っているはず。何が起こるかわからない、リアルタイム視聴必須の作品です」(馬渕さん)

©赤塚不二夫/深夜!天才バカボン製作委員会

 

↑赤塚不二夫の同名原作マンガは1967年連載開始。最新作を含めた5回のテレビアニメ化に加え、テレビドラマも制作されている

©赤塚不二夫/講談社

 

アニメはSNS拡散が、VTuberはギャップがカギ

2018年のいま、名作アニメが数多くリメイクされている背景のひとつとして、SNSによる情報拡散効果の高さが考えられる。若者から比較的高い年齢層まで、誰もがSNSを使う時代になったことで、それぞれのユーザーが自分が楽しいと思った情報をSNSで発信したときに、世代を超えた拡散が起こりやすくなった。作品の歴史が長いということは、それだけ高い認知度をすでに持っているということだが、そこにSNSでの情報拡散が加わることで、作品の魅力や見どころ、作品やキャラクターについてのウンチクといった情報が、世代を超えて共有されるようになったのだ。

 

VTuberは、「ギャップ」が人気のカギとなっている。例えば、人気VTuberのひとりである「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTubeおじさん」こと「ねこます」は、かわいい狐の女の子のキャラクターであるにもかかわらず、配信で流れる声は男性のまま。さらに、配信での話題もコンビニ店員の世知辛い話など見た目のイメージとはまったく異なるものとなっている。 そんな「外見はかわいいけれど、性格や言動は全然違う!」という意外性が、リアルな人間にはない独特の味わいを生み、ファンの心をとらえているのだ。

 

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