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2018/8/1 17:00

電気自動車(EV)で尾瀬と再生可能エネルギーの源を巡るエコな旅

「電気自動車(EV)で尾瀬に行きませんか?」 そんなお誘いを受けたのは6月下旬。子どもの頃から「夏の思い出」で尾瀬の名前は有名だったし、映像を通して尾瀬がどんなところなのかは認識しているつもりだ。しかし、一度も行ったことがないがないままいまに至ってしまった。そんなときに舞い込んできたこの話。入っていた仕事のスケジュールを変更し、この一泊二日のツアーに参加することにした。

 

再生可能エネルギー+EVでCO2排出が限りなくゼロのドライブへ

ツアーの誘い手は東京電力。なぜ目的地が尾瀬なのかは後述するが、今回の旅先には、再生可能エネルギーの1つである水力発電の元となっている丸沼ダムも含まれる。同社は以前から再生可能エネルギーの活用を模索していたが、そんな矢先、福島原発の事故が発生した。それ以降、人々の意識は脱原発、再生可能エネルギーへと一気に向き始めることとなる。しかし、東京電力が元々、水力発電にも力を入れていたことはあまり伝えられていないのではないだろうか。

 

一方、EVはBMWの「i3」を利用した。このクルマ、基本はモーターによってだけ走行する“ピュア”EVで、2016年に最初のマイナーチェンジでバッテリーの容量アップが図られ、満充電で390kmが走行可能となっている。 ボディにはカーボンフレームを採用したり、内装には再生可能な素材を多用したりするなどi3はエコなイメージで形成されている。つまり、このイメージが東京電力の水力発電を主としたクリーンな再生可能エネルギーの方向性とピタリ符合したというわけだ。

↑尾瀬までのドライブに利用したBMW i3 ロッジ エクステンダー付き

 

↑出発前の満充電の状況。バッテリーだけで167kmが走れ、レンジエクステンダーの分を加えるとトータル246kmを走れることを示している

 

ただ、EVと言えども、エネルギーの源である電力は、たとえばCO2を発生する火力発電を使う。単独でこそCO2が発生しないと謳いながら、使用するパワーソースはCO2を発生して生み出されている。それでは意味がない、という声が多かったのも確かだ。そこで東京電力が考案したのが「アクアエナジー100」という新プランである。これは水力発電100%のプランで、マイカーがEVであればこのプランによってCO2排出が限りなくゼロに近くなる。料金は通常プランよりも約2割増しになるが、このプランはそうした声にもしっかりと答えていこうという東京電力の意思の表れでもあるのだ。

 

もはや異次元の走り!! EVならではのドライブを体感

さて、尾瀬までのi3でのドライブはとても快適だった。EVならではの力強いトルクは、どの速度域からでも強力な加速力を発揮してくれる。長いことガソリン車に乗ってきた立場からすれば、これはもはや異次元の走り。しかも、回生ブレーキを併用することで、アクセル1つで相当な走行領域をカバーする。あらかじめ予想がつく範囲ならブレーキペダルを踏まずにクルマをコントロールできるほどだ。充電に30分ほどかかるけれど、休憩を取りながら計画的に充電していけば、疲れを取りながらドライブしていけるのだ。

↑出発は東京・お台場にある「BMW GROUP Tokyo Bay」。ここから約200kmを充電しながらEVとして走行した

 

↑i3は、EVならではの強力なトルクで、高速域でも力強い加速を発揮してみせた

 

こうして戸倉までi3で走行した。ここから先はクルマでの乗り入れができないため、尾瀬の玄関口である鳩待峠までは乗り合いバスを使って移動。そこから宿泊施設のある尾瀬ヶ原へ約1時間の道のりを徒歩で向かった。目的地までは遊歩道が整備され、それをたどっていけば迷うことは一切ない。途中のブナ林が木陰をつくってくれ、時折吹く風がとても爽やかで、尾瀬に来たことを感じさせてくれた。

↑宿泊に使った国民宿舎「尾瀬ロッジ」。環境負荷を抑えるため、身体を洗うにも石鹸は使えない

 

尾瀬の夜は更けるのが早い。なにせ歓楽街はホテル内のバーのみ。それも8時過ぎには店終いしてしまう。というのも、翌日の朝食が6時から7時という、普段の生活ぶりとはまったく違う時間軸で動いているからだ。とはいえ、時間には余裕があったのでちょっと外へ出てみると、驚き!そこには真っ暗で何も見えない世界が広がっていた。この日はあいにくの曇り空で星も見えない。つまり、眼に映るものがなかったのだ。もしかすると、こんな光景を見たのは初めての体験だったかもしれない。

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