はとバスの利用者は9割以上が日本人
――これまでの70年間で最もご苦労された時代はいつですか?
峰岸 90年代ですね。バブル崩壊を経て、弊社の売り上げがかなり落ち、どん底に陥りました。そこで、社内の意識改革を行い、観光コースのラインナップを色々と変えたりして、なんとかV字回復に至りました。
――いまは外国人の観光客が増えていますが、はとバスでの外国人観光客の割合はどれくらいですか?
峰岸 外国人はまだ1割に届くかどうかという感じです。
――そうなんですか? では9割以上は依然日本人の観光客の方が利用されているんですね。
峰岸 はい。利用者の方のうち4割が首都圏の方で、あとが地方の方が多いですね。観光コースによっても利用者の方の年齢はまちまちですが、40代以上の方が多いです。
ホストクラブを巡るはとバスツアーも!?
――オススメのコースは何ですか?
峰岸 気軽にご利用いただくのでしたら、オープンバスで走る1時間のコース。東京のランドマークを首都高速を使って巡ることができます。東京で暮らす人で、クルマを持っていない方は多いと思うのですが、そうなると首都高速はなかなか走る機会がないですよね。そういう方が手軽なレジャーとして、降車もないこのコースを利用すると結構楽しいと思います。あとは、神奈川県横須賀市の猿島巡りや川崎工場の夜景巡りのコースも人気があります。
――いわゆる定番の観光名所だけでない、マニアックなコースもあるんですね。
峰岸 はい。あとはホストクラブやニューハーフショーなども。
――ホストクラブですか!?
峰岸 はい。はとバスの初期にはおいらんもありましたし、個人ではなかなか入るのに勇気が要るような場所も観光コースとして案内させていただいています。
「新しいものをいかに早く取り込むか」がテーマ!
――2020年の東京オリンピックに向けて、特に東京はどんどん変わっていっていますが、はとバスは将来をどう見据えていらっしゃいますか?
峰岸 創業当初からこれまでの70年間、「新しいものをいかに早く取り込むか」ということをずっとやってきていますので、これからの未来も変わらず、引き続き面白いものはどんどん取り入れて発信していきたいです。東京オリンピック、ラグビーワールドカップなどの追い風に合わせて、さらなる80周年、90周年、100周年に向けて走っていきたいと思います。
はとバスと聞くと、その地域以外に住む方が観光として利用する先入観がありましたが、本文でのお話にもあったように、気軽に利用できるコースがたくさんあります。デートや懇親的な集いの際はもちろん、一人でも楽しめる企画が満載。今度の休みは、はとバスを利用しての遊びも視野に入れられてはいかがでしょうか?
撮影/我妻慶一