パナソニック ライフソリューションズ社は、パナソニック東京汐留ビル（東京都港区東新橋1-5-1）１階に、「TOKYO リノベーション ミュージアム」（以降TRM）をオープンしました。「リノベーションを、見て、学び、感じて、ひらめく」をテーマに、リノベーション（※）の魅力が体感できるミュージアムスタイルの施設（入場無料）とのことですが、従来のショールームとは何が違うのでしょうか？
※リノベーション……「修復」の意味合いが強い「リフォーム」に対し、既存の建物に新たな機能や価値を付加する改装工事のこと
ニーズの多様化に対応し、学びと体験を提供する場として誕生
TMRが誕生した経緯について同社は、「近年のリノベーション需要の高まり」を挙げています。これまでも古くなった部分を直す「リフォーム」の需要は多くありましたが、近年は間取りを大幅に変更するなどの「リノベーション」が増加傾向にあるそう。その背景にあるのが、ライフスタイルの多様化。少子高齢化に加え、単身・核家族世帯や共働き世帯の増加、ワークスタイルの変化、健康意識の高まりなど、取り巻く環境の変化が価値観の多様化をもたらしているのです。
となると当然、住まいに求めるニーズも様々。そこで、住まいを購入する際の選択肢として、最初から間取りが決まった新築マンションだけでなく、駅近など希望の立地にある中古マンションを購入して、暮らしに合わせたリノベーションをする人が増えている、というわけです。とはいえ、リノベーションには興味はあるが、とはいえ何から始めたらいいのかわからない…という人が多いのも現実。そこでリノベーションについての学びと体験を提供する場として誕生したのが「TOKYO リノベーション ミュージアム」です。
「学ぶ」「憧れ」「実現」の3つのエリアで構成
従来のショウルームが部分的に切り取ったリフォーム提案であるのに対し、同施設は居住空間全体を提案できるようにミュージアム形式で展開。パナソニックの枠を超え、他業種と共創することで、公共性の高い施設を目指しています。
同社によると、リノベーションを行うためには、リノベーションの知識を「学ぶ」、リノベーションで得られるくらしに「憧れ」、リノベーションをしたいという思いを「実現」していくという3つの工程が必要だそう。そこで館内も「学ぶ」「憧れ」「実現」と3つのエリアに分け、体感しながら学べるように構成されています。順にご紹介しましょう。
「ケーススタディ」などで学べる【学びエリア】
まずは「学ぶ」エリアから。ここでは模型や大画面を用いて、リノベーションの自由さや多彩さが確認できます。「ケーススタディ」として、75㎡のマンションの1／10サイズで再現した4つの模型を用意。1つは一般的な間取りですが、あとの3つは「都心のSOHOリノベーション」「4つのリビングがある家」「一戸建てのようなガーデンのある家」をテーマにリノベーションされ、一般的な空間でも自分らしい空間づくりが実現できることが実感できます。
リノベーションをしたいけれど、自分はどのような空間が好みなのかわからない、という人には、タッチパネル式の「ライフ・ファインダー」の利用がおすすめ。こちらは、簡単な質問に答えていくだけで、自分に合った暮らしのイメージを診断してくれるというもの。診断結果はQRコードで読み取っておけば、帰宅後に家族や業者と共有ができます。
2つの原寸大モデルが体感できる【憧れエリア】
「憧れ」エリアには、75㎡のマンションを異なるテーマでリノベーションした2つの「リアルサイズモデルズ」を用意。一般的なリフォームのショールームでは、空間を部分的に再現している場合が多いですが、ここでは原寸大プランを体感することで、ここに住んでいる自分を想像しつつ、リノベーションの可能性を実感できます。
リアルサイズモデルズAでは、30代夫婦に子1人の３人家族を想定してリノベーションした空間を再現。大きな間取り変更はせず、対面キッチンの吊り戸棚を取り払って開放感を出したほか、リビングに隣接する和室を夫の趣味コーナーにし、思い思いに過ごしても家族の気配が感じられる空間になっています。
一方のリアルサイズモデルBは、50代の夫婦二人暮らしを想定した「趣味を楽しむ、ギャラリーの家」。部屋を分ける壁を取り払って見通しのよい開放感を感じさせつつ、ガラスの仕切りや照明の演出により、さりげなくシーンを切り分けています。同じ75㎡の空間でも、これだけ違った住まいづくりができるという一例です。
憧れを具体化するサービスを用意した【実現エリア】
最後は、いよいよ憧れの暮らしを実現するためのステップ。TRMでは、物件探しや施工会社選びなど、リノベーションに必要なサービスを用意し、実現をサポートします。サービス提供はTRM内に留まらず、他業種のパートナー企業と提携することで、幅広いニーズに対応。ラウンジには、リノベーションをゆっくり検討できるスペースを用意しているほか、リノベーションとライフスタイルをテーマに、新しい発想や話題を発信できる企画展やセミナーなどを開催する予定です。
今回、館内を見学することで、改めて自分や家族のライフスタイルに合った住空間はどんなものだろう…と想像を膨らませることができました。すでに出来上がった空間に自分たちを合わせていくのではなく、自分たちの暮らしに合わせて空間を変えたら、毎日がもっと心地よくなりそうです。「ショウルーム」ではなく「ミュージアム」なので、リノベーションを考えていない人でも気軽に入れるのもポイント。快適な暮らしのヒントをもらいに、訪れてみてはいかがでしょうか。
【施設情報】
TOKYO リノベーション ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1
パナソニック東京汐留ビル1階
入場無料
開館時間：10時～17時
休館：水曜日（祝日は開館）・夏季・年末年始