筆者は結構な愛煙家ですが、あるときたばこを吸いながらふと疑問に思ったことがありました。「たばこの葉っぱって、どうやってできているんだろう」と。当然“葉っぱ”が主体であることはわかりますが、それがどんな葉っぱであり、その収穫をした後どんな加工を行い、紙巻きされ、商品化されるのか……。
そんな素朴な疑問を抱いていた折、JTの定番銘柄であり今年50周年を迎えた、紙巻きたばこナンバーワンブランド「セブンスター」が一般ユーザーに向けた「Starlight Tour produced by DINING OUT」という葉たばこ収穫と手巻き体験ツアー(+プレミアムディナーまであるそう!)を開催。まさに愛煙家の筆者うってつけの企画です。
今回はこの「Starlight Tour produced by DINING OUT」(以下Starlight Tour)にお邪魔し、葉たばこの収穫と、手巻き体験をしてきました。そして、セブンスターを美味しく味わうことができるBBQコースも見学してきました。前編・後編に分けてお届けします。
茨城県某所で鮮やかに広がる葉たばこ畑
向かった先は、茨城県某所にあるJTファーム。JTが運営する葉たばこ畑近くにある施設です。近隣はかなり静かな地域で、「こんな場所に葉たばこ畑なんてあるの?」と思いましたが、施設近くに、一面に広がる葉たばこの畑がありました。
100センチ前後の高さまで育った葉たばこは、商品で見るそれとはまるで違い、鮮やかな緑色に輝いています。正直、教えてもらわなければ、これが葉たばこだとはまったく気付きません。この日は特別に葉たばこの収穫をさせてもらえるとのこと。もちろん、筆者も収穫させてもらいました。
JTの葉たばこのタネは約2.8万種もある
バーレー種は、一般的に約1か月の期間をもって乾燥させます。黄色種は機会を使用し、約5日間の期間をもって乾燥させます。乾燥は、酵素が働きやすい温度におき、酸素反応により葉中の内容成分を変化させ、たばこのうまみを引き出すような、実に繊細な手順を踏むのだそう。
日本の葉たばこは、主に「黄色種」「バーレー種」という2種類が存在。「黄色種」はたばこの味の核となる品種で、甘さなどが強いタイプ。対して「バーレー種」はのどごしがよく、キレが効く品種とのこと。
先ほど収穫した葉たばこは「黄色種」ですが、実際には「黄色種」「バーレー種」だけでなくその他様々な品種の葉たばこをブレンドして、たばこの銘柄を作ります。聞けば、JTでは毎年100種類くらいの葉たばこをブレンドし、テストしているのだとか。
「100種類もの葉たばこ畑があるんですか!?」と改めて聞くと、ここ茨城のJTファームだけでなく、日本、アメリカ、ブラジルなど世界約35か国から調達しており、JTでは遺伝資源として2.8万種ほどの葉たばこのタネを保有。耕作条件や求められる味・香りの特徴に合わせて選択的に使っているそうです。
2.8万種!? こんなにある葉たばこから100種に抜粋、さらに100種をブレンドし、掛け合わせる……と考えると、もう天文学数字で、考えるだけでクラクラしますね。
2本を吸ってみましたが「黄色種」は確かに甘味があり、口当たりは優しい印象。「バーレー種」はガツンとくる吸いごたえとキレのあるのどごしが特徴でした。
超難しい、ブレンドと手巻き
これら「黄色種」「バーレー種」、その他様々な品種をブレンドして、特定の銘柄の紙巻きたばことして完成させるわけですが、お邪魔させていただいた、このStarlight Tourが素晴らしいのは、その行程までを体験させてくれるところ。単に体験するだけでなく、市販されるセブンスターを模したサンプルを自分で作らせてもらえます。セブンスターのうまさに息づく国産葉を五感を使って堪能できる(なぜ五感なのかは後編をお楽しみに)。これは愛煙家にはたまらない企画といえるでしょう。
さっそくJTの方ご指導のもと、ブレンドと手巻きにも挑戦しました。
ダミー巻と呼ばれる葉たばこ(刻)の詰まっていない巻を、専用の手巻き器に差し込み、さらにその機械に、自分でブレンドした刻を充填する……という、言葉だけなら、簡単そうなものですが、しかしこれ、見るのとやるとでは大違い。まず手巻き器にダミー巻を差し込むだけでも一苦労でした。さらに手巻き器に充填した刻をダミー巻へ押し出すのもまた一苦労です。完成への道のりはなかなか険しくもありました。
この時点ではまだ香り付けがなされていないもの。自分が巻いたたばこと、従来のセブンスターとを吸い比べてみます。うーん、ウマい!
ここまでが、葉たばこ収穫、乾燥、ブレンド、手巻きまでの行程ですが、この後さらに最後の「香り付け」が残されています。後編の次回は、この「香り付け」と、お邪魔したStarlight Tour のプレミアムディナーの模様をお届けします。