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2020/10/28 18:00

プロが教える! 大容量ポータブル電源「DISCOVERER 1200」の非日常/日常の使い方講座

近年、日本国内では毎年のように大規模な自然災害が発生しており、防災への意識が以前にも増して高まっています。ここ数年だけでも、2018年に全国100カ所の観測地点で最大瞬間風速の観測史上最大値を更新した「台風第21号」や、北海道全域に停電を招いた「北海道胆振東部地震」が発生しています。2019年には、千葉県や神奈川県で大規模な停電となった台風第15号“房総半島台風”、さらに同年の台風第19号“東日本台風”では、記録的な豪雨で東京の多摩川が増水し、武蔵小杉駅周辺の浸水や東京世田谷区、大田区の浸水など、甚大な被害が出ました。

 

自然災害が多発しているいま、もしものときのために備える防災グッズで注目を集めているのが、スマートフォンを充電するための「モバイルバッテリー」や「ポータブル電源」といった製品です。

 

モバイルバッテリーの国内市場は、販売台数の推移をみると、製品が登場しはじめた10年前と比較して7~10倍程度に拡大しているそう。デジタルガジェットに詳しいITライターの戸津弘貴さんによれば、「モバイルバッテリーはスマートフォンの普及とともに需要が増え、東日本大震災をきっかけに一気に普及しました。いまではスマートフォンユーザーの必需品といえるでしょう。

 

また、以前よりレジャーや防災用途として蓄電池のニーズはありましたが、モバイルバッテリーを構成するリチウムイオンバッテリーの大型化、低価格化とアウトドアブームによって複数のメーカーがポータブル電源市場に参入し、市場が賑わっています。近年、落雷や台風など災害による停電も度々起こったことで、アウトドアレジャーだけでなく防災用途にも使える、より大容量のポータブル電源が注目されています」と、その背景を説明しています。

 

デジタルデバイスの普及に伴い拡大していく充電機器市場ですが、一方で、容量やサイズ、用途などで製品が細分化されており、どの製品を購入したらよいか迷っている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、新進気鋭のメーカーAiper(アイパー)から10月に発売されたばかりの大容量ポータブル電源「DISCOVERER 1200」を紹介いたします。

↑Aiper「DISCOVERER 1200」

 

 

タフなボディに多彩な機能を搭載したハイエンドモデル

Aiperのポータブル電源「DISCOVERER 1200」は、36万9600mAh/1182Whの大容量バッテリーを搭載し、USB出力のほか、AC電源出力(AC100V)やシガーソケット出力(DC12V)にも対応するポータブル電源。定格1200W/ピーク2000WのAC出力を備えているので、普段使っているドライヤーや電子レンジといった家電製品(消費電力1200W以下の場合)がそのまま使用できるのも魅力です。

 

最大の特徴は、停電を検知すると自動で内蔵バッテリーによるインバーター給電に切り替わる「無停電電源装置(UPS)」を搭載していること。例えば、自宅でデスクトップパソコンを使っているときに、不意に停電が発生してしまうと、それまでの作業がすべて消えてしまいます。最悪の場合、パソコンにトラブルが発生してしまうことも。

 

そんなとき、UPS機能を備えた「DISCOVERER 1200」をつないでおけば、不意の停電でも自動的にバッテリーによる給電に切り替わり、データが消失してしまうのを防いでくれます。リモートワークにより、自宅で仕事をする機会が増えたいま、このUPS機能が気になる方も多いのではないでしょうか。

↑不意の停電でも安心な「無停電電源装置(UPS)」を搭載

 

また、本体への充電方法が豊富なのもポイント。「DISCOVERER 1200」はコンセントからのAC充電と、クルマのシガーソケットからの充電に加え、オプションでソーラーパネルを使った太陽光充電にも対応しています。自宅ではAC充電で、クルマでの移動時はシガーソケット充電で、キャンプやアウトドアのときは太陽光充電で、とシーンに合わせて充電方法を使い分けられるので、いつでもバッテリー残量を気にせずに使用できます。このほか、オプションの快速充電アダプターを使用することで、充電時間を約4時間にまで短くすることも可能です。

↑オプションのソーラーパネルを使えば太陽光充電も可能

 

出力はACが2つ、USB-Aポートが3つ、USB Type-Cが1つ、シガーソケットが1つで、計7つのデバイスへ同時に給電が可能。家族で使う場合も、これ1つでほぼすべてまかなえてしまいます。

 

このほか、安全性が高い点もポイント。ITライターの戸津弘貴さんは、「リチウムイオンバッテリーは、小型で大容量のエネルギーを蓄えることができるのが特徴で、近年では様々なデジタル製品に採用されています。一方、エネルギー密度が高いので、衝撃や圧迫などの外部要因、急速充電と放電を繰り返すことによる構造破壊や高温による劣化などにより、発火などの事故が起こる恐れがあります。

 

『DISCOVERER 1200』に使用されているリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、正極材料にリン酸鉄リチウムを使用しているため、結晶構造が強固で熱安定性が高いのが特徴。ほかの素材を使用したリチウムイオンバッテリーより、安全性の面で優れています」と、その安全性を評価しています。

 

本体ボディは頑強なアルミニウム合金製で、人間工学に基づいたハンドルも備え、持ち運びしやすい点も見逃せません。

↑人間工学に基づいたハンドルを備えているので、持ち運びも簡単

 

 

防災アイテムとして備えるなら大容量のポータブル電源を

では、防災的な視点から見たとき、どのようにポータブル電源を選べばいいのでしょうか? 防災の専門家である大木聖子さんにお話を伺いました。

地震学者

大木聖子さん

慶應義塾大学環境情報学部准教授。専門は地震学・災害情報・防災教育。大切な家族を守るため、自らも日々防災に務めている。

 

−−近年では、地震や台風などの自然災害により、電気や水道などのインフラがストップし、生活に支障をきたすことが増えているように感じます。では、実際そのような災害に見舞われた場合、どのように行動すればよいのでしょうか?

「まずは自分や家族の身の安全を確保することが第一。日ごろから、災害時にはどのような行動を取るべきか意識しておくことが重要です。自分の住んでいる地域のハザードマップを見て、広域避難場所などを確認しておきましょう。また、防災グッズや備蓄を用意しておくことも重要です」(大木さん)

 

−−災害に備えて備蓄を行う場合、どれくらいの期間を想定して用意したらよいでしょうか?

「インフラで復旧が最優先されるのは電気ですが、阪神・淡路大震災のときで復旧まで約24時間かかりました。近年では台風や水害などでインフラ復旧に時間がかかることも多く、3日~7日分は用意しておきたいところ」(大木さん)

 

−−近年、停電によりスマホなどのモバイル機器が充電できず、情報収集や連絡手段が失われてしまうことが危惧されています。やはり災害に備えて充電用に備えておくべきでしょうか?

「スマホを自宅に忘れて外出した、なんてことを考えるだけでソワソワしますよね。私達はそのくらいスマホからの情報に依存して生活しています。発災時には停電してテレビが見られなくなる可能性が高い。いつも以上にスマホを頼ることになるでしょう。一方で、電源はどんどん消耗していきます。やはりモバイルバッテリーは不可欠。最低でも家族の人数×3日分の充電ができるようにしたいですね。モバイルバッテリーより大容量で汎用性のあるポータブル電源を備えておくのがよいでしょう」(大木さん)

 

−−「DISCOVERER 1200」は、スマホ(10W)なら約108回充電を行うことができます。家族4人が1日1回充電するとしても、約27日分となる計算です。

「それだけあれば安心できますね。停電の際は、明かりを確保するためにLEDライトを使ったり、暖を取るために暖かいものが欲しくなったりするので、AC出力を使って手持ちの家電製品が使えるというのもいいと思います」(大木さん)

 

−−2020年は世界的に新型感染症が猛威をふるっています。災害が起きたとき、避難所などで“密”になってしまう危険性も指摘されていますが、これまでとは違った防災対策を意識すべきでしょうか?

「その相談はとても増えていますが、まずは災害のリスクと感染症のリスクを比較することが重要だと思います。津波や火事など避難しないと命の危険がある場合は、感染症のリスクがあっても避難すべき。一方で、地震や台風の場合、耐震性を備えたマンションなどにお住まいで水害の危険も少ないなら、無理に非難するより自宅にいたほうがいいでしょう。

 

今後は、集合住宅の多い都市部を中心に、災害時も無理に避難せず自宅で被災生活を送る人が増えていくと見られています。そうなれば、停電しているあいだもなるべく快適に過ごせるよう、ポータブル電源は不可欠です。防災用として購入するなら、多少値は張りますが、数日分の電源が確保できる大容量のモデルを選んだほうがよいでしょう」(大木さん)

 

長期間の被災生活に備え、大容量・高出力のポータブル電源を用意しておく、というのも防災対策のひとつといえそうです。

 

 

ポータブル電源は“日常使い”にも便利

ここからは、GetNavi web編集部の一條が、実際に「DISCOVERER 1200」を使ってみたレポートをお届けします。

 

ポータブル電源は、防災的な視点からみても必要なアイテムであることは大木先生のお話からわかって頂けたと思いますが、災害時まで大事にしまっておくのももったいないと思いませんか? せっかく自宅にポータブル電源を導入するなら、日常的に活用してしまいましょう。

 

例えば、リビングのテーブルの近くに「DISCOVERER 1200」を置いておけば、ノートパソコンもスマホもタブレットも、家族全員のデバイスが1台で充電できちゃいます。壁のコンセントから延長コードで電源をひっぱってきて、ACアダプターを挿して、充電ケーブルをつないで……とやるよりも、見た目にもスマート。

↑リビングに置いてスマホやタブレット、パソコンの充電に使ってみるのもいいかも

 

ほかにも、庭やベランダなどで電動工具を使いたいとき、電源のない倉庫や納屋で家電製品を使用したいとき、電源や電気コードの取り回しを気にせず、どこでも自由に家電やデジタル製品を使うことができます。しかも、定格1200Wまで対応しているので、小型のポータブル電源では使えなかったドライヤーなども使用することができます(消費電力1200W以下の場合)。

↑電源がない場所でも自由に家電が使えます

 

また、「DISCOVERER 1200」ならではの「無停電電源装置(UPS)」は、万が一の停電の際にその効果を発揮します。停電のときに困るのは、電子レンジや冷蔵庫が使えなくなることで、調理や飲料水の確保が難しくなること。寒い季節などは暖かいものが欲しくなりますが、IHコンロを使っていると加熱調理やお湯を沸かすこともできません。

 

そういうとき、「DISCOVERER 1200」があれば電気ポットでお湯が沸かせますし、日ごろからウォーターサーバーにつないでおけば、停電時にはバッテリー給電に自動で切り替わるので飲料水やお湯もそのまま使えます。

↑ウォーターサーバーをつないでおけば、停電になってもお湯や飲料水が確保できます

 

ちなみに、UPSを利用するためには、正面のアダプター入力ではなく、背面下部にある専用入力に電源をつないでおく必要があります。

↑背面下部にある専用入力に電源ケーブルを接続しておく必要があります

 

UPSが作動している状態では、正面の液晶画面に「UP」の文字が表示されるので、確認しておきましょう。

↑UPSを利用するときは、正面の液晶画面をチェック

 

キッチンまわりは意外と家電製品が多いので、キッチンの近くに置いておき、日ごろから積極的に利用するのもよいでしょう。アウトドアに出かける際も、普段使っている電気ポットや炊飯器などと一緒に持ち出せば、自宅と同じような感覚で家電が使えます。

↑家電製品が多いキッチンまわりで日常使いするのもよし

 

防災用の備えとして置いておくだけではなく、日ごろから積極的に利用していれば、いざというときに「あれ? どうやって使うんだっけ?」と慌ててしまうこともありません。せっかく導入したのなら、自宅で、車内で、アウトドアで、色々なシーンでガンガン活用しちゃいましょう!

 

 

これからは一家に1台ポータブル電源を備えよう

このように、ポータブル電源は、災害対策の備えとして、また毎日の生活のなかでも便利に使えるアイテムとして、一家に1台は持っておきたいもの。商品を選ぶ際は、バッテリー容量だけでなく、出力の大きさやどのくらいの家電まで対応しているか、実際に使うシーンをイメージしながら、適切なものを選びましょう。

 

また、発熱や発火の危険性もあるアイテムなだけに、安全性に配慮された製品を選ぶことも重要です。その点、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載した「DISCOVERER 1200」なら安心して使用できますね。

 

Aiperでは、今回紹介した「DISCOVERER 1200」のほかにも、より軽量な「DISCOVERER 600」や、ワイヤレス充電に対応した「DISCOVERER 300」、わずか1.75kgで持ち運びやすい「FLASH 150」など、多彩なラインラップを展開しています。

 

自身の生活スタイルや家族構成に合ったモデルを選んで、安心で快適な毎日を過ごしましょう!