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2020/12/6 18:30

いまなら2021年度の控除にも間に合う!「ふるさと納税」ことはじめ

自治体への“寄付”で特産品を受け取れる「ふるさと納税」は、実質的に節税できる一石二鳥の制度。2020年には利用者が400万人を突破した。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの福一由紀さんに、ふるさと納税のメリットから仕組み、注意点、申請のし方などを教えてもらった。今年中に利用して、2021年度の税金からおトクを享受しよう!

※こちらの記事は「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

ファイナンシャルプランナー

福一由紀さん

1級FP技能士。生活に密着したマネー情報を、わかりやすく伝えることがモットー。ふるさと納税では、各地のグルメを楽しんでいる。

 

応援したい自治体に寄付して節税&返礼品を得られる!

社会のために必要だけれど、どうしても損をした気分になるのが税金。せっかく納税するなら少しでもトクをしたい。そんな人にピッタリなのが「ふるさと納税」だ。

 

ふるさと納税は、納税先の自治体を実質的に自分で決める制度のこと。形としては自分が選んだ自治体に「寄付」をし、翌年度の税金から控除を受ける。一方で、寄付を受けた自治体は、返礼品として特産品を納税者へと贈呈する。これにより、税額はほぼ同じで、返礼品のぶんだけトクをできる仕組みだ。そのメリットを、ファイナンシャルプランナーの福一由紀さんは、次のように解説する。

 

「やはり、実質2000円で好みの特産品をもらえることでしょう。特産品といっても食品や工芸品だけでなく、その地元のメーカーのガジェットや観光も対象です。また、自分が応援したい自治体を金銭的に支援できるのも大きなメリット。私の場合、熊本地震が発生した年には、復興支援の気持ちを込めてふるさと納税をしたこともあります」

 

納税者は、返礼品として特産品を受け取ることで、減税効果も享受できる。一方で、受け入れ側の自治体は、寄付金によって予算が潤い、さらに特産品を通じて自治体財をアピールできる。お互いにとって利益のある制度だ。

 

とはいえ、なんとなく難しそうだと二の足を踏む人のために、福一さんからアドバイスをもらった。

 

「確定申告をハードルに感じる人もいますが、『ワンストップ特例制度』を利用すれば簡単。寄付先を探しながら旅行気分も楽しめます。ぜひ今年から始めましょう!」

 

★ふるさと納税の注意点

1.必ず納税者の名前で申し込む

寄付の申込者と納税者の名前が一致しないと、控除を受けられない。例えば、専業主婦が自分の名前でふるさと納税をしてしまった場合、夫の税金は控除されないので注意しよう。

 

2.一時的に寄付金を立て替える必要あり

税金の控除は、翌年度の住民税の控除および、確定申告による所得税の還付金として処理される。最短でも数か月は立て替えをする期間が発生するので、余裕のある金額で行おう。

 

3.寄付金には上限額あり

所得や家族構成などで、実質2000円負担の寄付の上限額は異なる。上限を超えて寄付をすると、ただ高い金額で買い物をしたことと同じなので、事前に要確認だ。

 

【その1】「ふるさと納税」の仕組みと自分の上限額をチェックしよう!

自治体に寄付をすることで返礼品を受け取ることができるふるさと納税。具体的な仕組みや返礼品受け取りまでの手順、寄付できる上限額などの基礎知識を解説する!

 

【ふるさと納税の仕組み】

2000円で特産品をゲット! 返礼品は寄付額の約3割

ふるさと納税とは、目当ての返礼品を提供する自治体に金銭を“寄付”すること。その金額に自己負担ぶん2000円(※)を引いた額が、寄付控除として税金から差し引かれる。単純に言うならば、「2000円で特産品の買い物ができる」ということだ。なお、返礼品は寄付額の3割ほどを上限にすることが、総務省により定められている。

※:何度寄付を行っても、控除上限額内であれば自己負担は2000円となる。

 

<2020年内にふるさと納税を行った場合>

↑“ふるさと”とは名前だけで、居住実績に関係なく、どの自治体にも寄付可能。また、税金の控除を受けるには、ワンストップ特例制度の申請もしくは確定申告が必要だ

 

■ふるさと納税の3ステップ

1.給与や家族構成から控除額を調べる

ふるさと納税の第一歩は、寄付の上限額を把握すること。上限を超えたぶんの寄付額は控除されない。なお、範囲内なら複数の自治体に寄付できるのでよく吟味して寄付先を決めよう。

 

2.寄付先の自治体を決めて申し込みをする

自治体への直接寄付もできるが、ふるさと納税サイトを利用するのがオススメ。キーワード検索やランキングなどから特産品を探せる。サイトによってはポイントの獲得も可能!

 

3.返礼品と寄付証明書を受け取る

返礼品と、確定申告に必要な寄付証明書(ワンストップ特例の場合は申請書も)が送付されてくる。返礼品の送付時期は商品によって異なる。“旬”のある生鮮食品なら、1年ほどかかることも。

 

【ふるさと納税の上限額を調べよう】

シミュレーターでふるさと納税の上限額を算出!

上限額を手動計算する場合、自分の個人住民税所得割額や所得税率を調べなければならず手間がかかる。そこで利用するのが、各ふるさと納税サイトが提供するシミュレーターだ。年収や家族構成を入力するだけで上限額を算出できる。なお、生命保険料控除や住宅借入金など特別控除がある場合には詳細なシミュレーターを利用しよう。

 

↑「楽天ふるさと納税」のかんたんシミュレーターの画面。算出した上限を目安に、寄付先と返礼品を決めよう。寄付した金額から2000円を引いた額が、税金から控除される

 

<寄付上限額が5万円の場合>

 

【その2】ふるさと納税できるサイトで寄付の申し込みをしよう!

返礼品の検索から寄付の申し込みまでを行えるふるさと納税サイトを紹介する。高ポイント還元のサイトやユニークな機能を搭載したサイトなど、個性派揃いだ。

 

【No.1】楽天ふるさと納税

楽天ポイント最大30%還元! 参加自治体数は1000以上

寄付額に対して通常1%の楽天ポイントを獲得できるため、楽天の利用がおトクに。参加自治体数も1000を超え、豊富なラインナップから返礼品を選べるのもうれしい。

自治体数1049
返礼品数15万点以上
ポイント還元1%(楽天ポイント)
決済方法クレジットカード、銀行振込、楽天バンク決済、Apple Payなど(自治体によって異なる)
返礼品の交換寄付ごと

●2020年10月28日時点

 

★こんな人にオススメ!

楽天経済圏のユーザーはこれ一択

通常1%の楽天ポイントのほか、楽天カードや楽天銀行の利用状況によってポイントアップする「SPU」にも対応。最大16倍(+15%)のポイントを手に入れることができる!

 

最大で30%のポイント還元も!

期間内に複数のショップで買い物をするとポイントアップする「買い回り」や、楽天グループのスポーツチームの勝利を祝う「勝ったら倍」などを組み合わせれば最大30倍に!

 

私が試してみた!

GetNavi編集部 マネー担当

保谷惠那

今年初めてふるさと納税を利用。学生時代に大学芋専門店でバイトしていたほどサツマイモ好きのため、返礼品は種子島産の安納芋(焼き芋)に決定!

 

「楽天会員なので、ポイントが大幅アップするお買い物マラソン期間中に楽天ふるさと納税を利用しました。普段の買い物の感覚で寄付できるのも◎。安納芋はレンチンで食べられて小腹が空いたときにピッタリです!」(保谷)

 

ステップ1

↑楽天ふるさと納税の返礼品詳細画面。画面のレイアウトは楽天市場とほぼ同じ。ふるさと納税の注意点に同意し、寄付金の用途を選択して寄付画面に進む

 

ステップ2

↑楽天市場にユーザー登録していれば、個人情報は自動で入力されるため、簡単に寄付できる。寄付を確定したら、あとは返礼品の到着を待つだけ!

 

【No.2】ふるなび

家電の返礼品が豊富! 1%ぶんのギフト券も付与

寄付金額の1%ぶんのAmazonギフト券を還元。さらに、レビューで最大200円ぶんを入手できる。電化製品の返礼品掲載が多く、ガジェット好きにはイチオシのサイトだ。

自治体数500
返礼品数12万点以上
ポイント還元
決済方法クレジットカード、郵便振替、納付書払いなど(自治体によって異なる)
返礼品の交換寄付ごと/ポイント制度(※)

※:寄付金と自治体が発行するポイントを交換し、貯めたポイントで返礼品の申請を行う

●2020年11月14日時点

 

★こんな人にオススメ!

Amazonユーザーならメリット大

ふるなびが運営するポイントサイト「たまるモール」経由で寄付をすると、さらに1%ぶんのAmazonギフト券を入手可能。最大7%ぶんの還元など、キャンペーンも積極的に実施。

 

【No.3】さとふる

ほかでは手に入らない返礼品を約400品ラインナップ!

さとふる初回利用などの条件を満たせば500円ぶんのAmazonギフト券プレゼントなどのキャンペーンを実施。ほかのサイトでは掲載していない、限定の返礼品も約400品ある。

自治体数866
返礼品数16万点以上
ポイント還元
決済方法クレジットカード、コンビニ決済、キャリア決済、PayPayオンライン決済など(自治体によって異なる)
返礼品の交換寄付ごと

●2020年11月10日時点

 

★こんな人にオススメ!

クレカ以外の決済方法も充実

携帯電話の料金と一緒に払えるキャリア決済やコンビニ払い、ペイジーなど、決済手段の選択肢が豊富。クレジットカードを持たない人でも手軽にふるさと納税を始められる。

 

【No.4】セゾンのふるさと納税

2020年内は永久不滅ポイントが5倍キャンペーン実施中!

10月にサービスを開始したセゾンカードホルダー向けのサイト。寄付すると、寄付金1000円ごとに通常の3倍となる15円相当のポイントを付与。2020年内は5倍キャンペーン中。

自治体数67
返礼品数1万点以上
ポイント還元永久不滅ポイント3倍
決済方法クレジットカード
返礼品の交換寄付ごと

●2020年11月11日時点

 

★こんな人にオススメ!

意外な返礼品を発見できる!

年収や家族構成、好みの特産品のカテゴリを選ぶだけで、自動で返礼品を選んでくれる「おまかせガチャ」を搭載。目移りして選びきれないという人にオススメのサービスだ。

 

【No.5】ふるさとチョイス

決済方法が多彩で、参加自治体数はナンバーワン!

参加自治体数がもっとも多く、1500以上の自治体に寄付できる。決済方法も多彩。d払いや楽天ペイなど、ポイント還元率の高い支払い方法を利用すれば、よりおトクに寄付可能だ。

自治体数1570以上
返礼品数32万点以上
ポイント還元
決済方法クレジットカード、コンビニ決済、Amazon Pay、楽天Pay、d払いなど(自治体によって異なる)
返礼品の交換寄付ごと/ポイント制度(※)

※:寄付金と自治体が発行するポイントを交換し、貯めたポイントで返礼品の申請を行う

●2020年10月1日時点

 

★こんな人にオススメ!

様々な使い道がある「電子感謝券」

寄付後、すぐにポイントとして付与され、寄付先の自治体の協賛店で使える「電子感謝券」を導入している。買い物やグルメ、レジャーなど、自分で使い道を自由に選びたい人に◎。

 

■ポイントサイト経由でもっとおトクになる!

ポイントサイトとは、そのサイトを経由して商品の購入などを行うと独自のポイントを獲得できるサービス。貯まったポイントは、電子マネーや他社ポイントと交換できる。以下の2つをはじめ、ふるさと納税サイトと提携しているサイトも多い。

 

【No.6】モッピー

JALマイルと高還元率で交換できることで人気。ふるなびをはじめ、8つのふるさと納税サイトに対応。寄付金額の0.1〜1%のポイントを獲得でき、時期によっては7.5%の還元も!

 

【No.7】ポイントインカム

400万人以上が利用する定番サイト。楽天ふるさと納税など、様々なサイトと提携。寄付金額に対してのポイント付与だけでなく、会員登録でポイント獲得できるサイトも。

 

【その3】「ワンストップ特例制度」で寄付金の控除を申請しよう!

ふるさと納税で忘れてはならない控除申請は「ワンストップ特例制度」の利用がオススメ。寄付先が5つ以下などの条件を満たす人なら、必要書類を送るだけで控除の申請ができる。

 

【ワンストップ特例制度の仕組み】

必要な手続きは申請書と本人確認書類を送るだけ!

ワンストップ特例制度は、ふるさと納税のために設けられた寄付金の控除制度。申請方法は簡単で、寄付を行った自治体に申請書と本人確認書類を送付するだけ。その後は、寄付金の情報が居住先の自治体へと通達され、翌年度の住民税から控除される。寄付先が5か所までで、確定申告をしない人が、この特例制度を利用可能だ。

 

<ワンストップ特例制度のイメージ図>

↑寄付先が5団体以内の場合、ふるさと納税だけのために確定申告をする必要はない。給与所得の人は活用しよう

 

★ワンストップ特例制度の対象者

1.ふるさと納税での寄付先が5団体以内である人

2.給与所得者(自営業者や医療費控除の対象者など、確定申告をする人は対象外)

 

ワンストップ特例制度申請用紙

特例制度申請用紙は、総務省のウェブサイトや各ふるさと納税サイトからダウンロード可能だ。また、寄付先の自治体から、寄付受領証明書とともに送付されてくる場合もある。

 

本人確認書類

マイナンバーカードの両面のコピーを送付。非所持者は、免許証やパスポートなどの本人確認書類(写真なしの場合は2点)と個人番号通知カードのコピーを用意しよう。

 

★ワンストップ特例制度の注意点

1.寄付先の自治体ごとに申請用紙の送付が必要

一度の送付で完結する確定申告とは異なり、寄付をしたすべての自治体にそれぞれ必要書類を送る必要がある。

 

2.翌年1月10日に申請用紙が必着

寄付した自治体に申請用紙を提出する際は期限に注意。寄付した翌年の1月10日までに必着で送らなければならない。

 

3.確定申告をすると無効になる

特例制度の書類を送付済みでも、確定申告をすると無効になる。その場合、確定申告で寄付金控除を行えば問題ない。

 

【確定申告で控除を申請しよう】

1月10日に間に合わなくても大丈夫!

ワンストップ特例制度の非対象者や、締切日に間に合わなかった人は確定申告をすればOK。書類の作成はワンストップ特例制度よりもやや面倒だが、一度で完了するのはラクだ。

 

確定申告なら控除の申請の猶予が長い

医療費控除や住宅ローン控除の申告をする人や、6か所以上に寄付した人など、ワンストップ特例制度の非対象者は必ず確定申告を行おう。確定申告で控除を受ける場合、寄付した年に支払った所得税の還付およびその翌年度の住民税の控除を受けられる。ワンストップ特例制度に比べて申告期間の定めが緩く、5年後の年末までに申告すれば良いのもうれしい。

 

↑確定申告書は「国税庁 確定申告書等作成コーナー」で作成するのが手軽。源泉徴収票や寄付金受領証明書を用意し、画面の指示に従って必要事項を入力していけば申告書を作れる

 

確定申告に必要な書類

1.寄付受領証明書

2.源泉徴収票

3.マイナンバーカードまたは本人確認書類+個人番号通知書

 

ワンストップ特例制度制度名確定申告
寄付先すべてに送付書類提出回数税務署に一度提出
寄付の翌年1月10日必着申請期間寄付の翌年の1月1日から4年後の12月31日
住民税(控除)控除対象所得税(還付)・住民税(控除)

(住所や電話番号、マイナンバーなど数項目を記入)
書類作成難易度
(所得や社会保険料控除など、入力項目が多岐にわたる)

ワンストップ特例制度と確定申告の違い。確定申告のメリットは、書類提出が一度で済むこと。それにより、費用面も安く抑えられる。

 

 

イラスト/勝間田しげる

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