ライフスタイル
2022/12/12 19:00

排水管周りもデッドスペースにしない! 「シンク下」の収納アイデア

キッチンや洗面所の流し台の下は、奥行きもあり、広々とした収納スペース。ところがパイプが出ているせいで使いづらく、棚やボックスを買ってもなかなかキレイにはまらないジレンマがあります。狭い家のなかで貴重な収納スペースは、なんとか有効活用したいもの。収納専門家の鈴木久美子さんの自宅へ伺い、キッチンのシンク下にピッタリ収まる収納アイデアを見せていただきました。

 

食器や食品はNG! シンク下には何を収納すればいい?

 

キッチンには、シンクの下に加え、ガスコンロの下や吊り戸棚など、いろいろな場所に収納があります。つい増えてしまうキッチン用品をどのようにしまったら、きちんと片づくのでしょうか?

 

「収納を上手に使うためには、グループごとの分類が必要です。しっかりと物を分類して定位置を決めると、どこに何があるか分かりやすくなります。我が家ではわかりやすく、シンク下は水のゾーン、コンロ下は火のゾーンというふうに分けています。
たとえばコンロ下の火のゾーンには、フライパンやお鍋など、コンロで使うものを入れています。一方、シンクの下には水回りの掃除用具やゴミ袋、不燃物のゴミ箱などをしまうのがおすすめです。水が通るパイプがあるので湿気が多く、ジメジメしやすい場所であることや、排水が通るパイプなので、においが発生する可能性も。食器や食品を入れるのは、衛生的におすすめできません」(収納専門家・鈴木久美子さん、以下同)

 

鈴木さん宅のシンク下に収納してあるもの

・不燃物用のゴミ箱(ゴミの日までここで保管)
・掃除用具
・ゴミ袋
・まな板シートや保存袋
・ゴム手袋
・他の場所には入らない大きなお鍋

 

引き出し式・可動式の棚がおすすめ。シンク下を使い切れる収納棚は?

鈴木さんがシンク下収納に使っているのは、右側の可動式で伸縮性のある棚と、左側の引き出せる収納棚。可動式の棚は幅と高さを調節できるので、パイプを避けて棚を作ることができます。

 

「いろいろな方のおうちへ収納のサポートに伺うと、よく見かけるのが、100円ショップで売っている棚をいくつか並べて収納している状態です。もちろん100円ショップにも非常に便利なものがたくさんありますが、好みのサイズに合わせられないので、結果的にデッドスペースを作りやすくなってしまいます。また、いくつも購入するなら、値段的にも安価とは言えません。
写真のシンク下専用の棚は、幅や棚の高さを変えることができるので、どんな場所にも合わせられ、スッキリと収納できます。また、シンクの下は意外と奥が深いので、奥の方に物を置いてしまうと取り出しにくい、ということもよくあります。写真左側の収納棚は、引き出しタイプ。これで奥まできちんと収納でき、取り出すことができるのです」

 

ファイルボックスでグループ分け。ひと目でわかる収納のコツは?

「引き出しタイプのほうには、ゴミ袋や洗剤などをしまっています。ファイルボックスに入れてグループ分けしてあるので、何が入っているのかひと目でわかりやすく、取り出しやすいので便利です」

 

「ゴミ袋はサイズや種類がいろいろあるので、ラベルをつけてファイルボックスに収納しています。上からパッと引き出すことができて、迷わずに取ることができます」

 

「隣のボックスには、キッチン周りで使う洗剤類が入っています。ボトルを詰め替えたり、真っ白いボトルに揃えたりする方もおられますが、間違えやすいのでわたしはしていません。ボトルのカラーで覚えているところもあるので、あまりにも詰め替えてしまうと危険が伴うこともあります。見た目がきれいなのも大切ですが、家族全員がわかりやすくて必要なときにすぐに取り出せる、ということも重要です」

 

基本のルールを知ったうえで、次のページでは鈴木さん宅のシンク下で見つけたアイデア収納を確認していきましょう。

こんな収納アイデアも!

1.不燃物ゴミはシンク下で待機させる

鈴木さんのお宅では、可動式の棚の下にゴミ箱がふたつ入っていました。ゴミ箱を扉の中にしまうことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、実はシンク下にゴミ箱を入れるのは、海外ではわりと多いことなのだそう。

 

「缶や瓶のゴミは、ビニール袋に入れてキッチンにぶら下げておく方がとても多いのですが、いつもゴミ袋が出ているのは見栄えがよくないですよね。缶も瓶も、きちんと洗って水気をしっかり取ってからシンク下のゴミ箱に保管すれば、虫やカビなどの心配もありません。見せたくないものはしっかりと隠して、きれいなキッチンを保ちましょう」

 

ごく一般的なゴミ箱ですが、ラベリングをして家族にもわかりやすく工夫しています。「ゴミ袋をゴミ箱にかけて広げておくのもいいのですが、見た目があまり好きではないので、あえてゴミ袋の口を中にふわっと折って入れています」

 

2.デッドスペースにはぴったりサイズの収納ケースを

水道管の手前のスペースには、ぴったりサイズのボックスが入っていました。「普段シンクの掃除に使うものが一式入っています。ひとまとめにしておくと、掃除しよう、というときに一気に出せるので便利ですよね」

 

3.扉裏も使える! 突っ張り棒やマグネットで簡単に仮置き

扉の裏には、100円ショップで購入した突っ張り棒がついていました。「ここには、エコバッグを忘れて買い物に行ったときにもらってしまったビニール袋を下げています。一時的にですが、数枚はここにいつもかかっています」

 

扉のもう一方には、マグネットでゴム手袋をくっつけていました。どこにでもマグネットがつけられるよう、ステンレスのついたジェルシートを使っています。「ゴム手袋は、どこに置いたらいいのかわからないとよく言われますが、こんなふうに扉の裏にかけておくのはどうでしょうか。マグネットでなんでもくっつけられるので、とても便利なんですよ」

 

収納のためには物を減らす必要も

冷蔵/冷凍用、マチのあり/なしなど、保存袋の種類は豊富で、大量に保管している人も多いはず。でも、そんなにたくさんの袋が本当に必要でしょうか?

 

「保存袋をサイズ別に購入して、ずらりと並べてしまっている人もいますが、収納スペースがもったいないですよね。また、かなり厚手でしっかりした袋なのに、使い捨てなくてはならないので、エコ的な観点からもたくさん使うのは避けたいものでもあります。
どうしても必要な場合は、2種類くらいにしぼり、数もこのボックスに入るだけ、と決めてしまいましょう。できるだけ使い捨てなくていい保存容器を使ったりして、保存袋とのおつきあいの仕方も考えてみるといいかもしれません」

 

ボウルや調理道具はシンク下でもOK!

ボウルやスライサーなど、湿気があっても問題ないものは、シンク下に入れても問題ありません。引き出しタイプの収納があれば、スタッキングしたものを取り出しやすいので、そちらに入れてもいいでしょう。

 

いくら片付けても用具が増えていくキッチンですが、物の区分をきちんとして、その場所に当てはまる収納アイテムを入れて収納すれば、シンクの下もかなり有効活用できます。まずは収納するものを種類別に分け、ファイルボックスなどを使って区分けしてみましょう。

 

プロフィール

片付け・収納専門家 / 鈴木久美子

整理収納アドバイザー1級・住宅収納スペシャリスト・クリンネスト1級の資格を持ち、片づけや収納の悩みを解決する専門家。個人宅での訪問サポートやオンラインでのアドバイスも行う。『ズームイン!!サタデー』『ZIP』『ラヴィット!』『Nスタ』『ノンストップ』といったテレビの情報番組など、メディア出演も多数。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」