ライフスタイル
2022/12/13 20:30

“住みたい街”博多に暮らすように泊まる!「CROSS Life」ホテルが旅行や出張のベースキャンプ化しそうなワケ

福岡がいま熱い。昨年末発表された、令和2年の国勢調査(5年に一度行われる)の結果によれば、福岡県は昭和45年の国勢調査以降、人口が増加し続けている。とくに福岡市は政令指定都市のなかでトップの増加数・増加率。県内の北九州市が全市町村で最大の人口減を記録したのと対照的である。

 

自治体は国際会議の誘致やスタートアップへの支援などが功を奏していると胸を張るが、大東建託による2022年の「住みたい街 自治体ランキング(全国)」でも福岡市が3年連続で1位。ビジネスのしやすさだけでなく、交通機関や飲食店の充実ぶりなど暮らしやすさも評価されている。

↑博多名物の屋台は、令和になっても健在だ

 

もとより歴史と文化、庶民の暮らしとビジネス、そして買い物やアクティビティなどの遊び場を、2.5km四方にミニマムパッケージ化したような街なのだ。

 

そんな福岡、とくに文化の色濃い博多区を拠点に滞在するのに、うってつけの場所が生まれた。2022年10月1日に天神地区と春吉地区に同時開業したホテル、「CROSS Life(クロスライフ)」だ。繁華街やオフィス街に近いエリアにあり、観光にもビジネスにも立地はいかにも便利そうだ。

↑クロスライフのサイン。写真はクロスライフ博多柳橋

 

クロスライフの客室と大浴場、食事などのサービスは?

まずは、気になる客室と共用部から見てみよう。

 

↑アートとネオンサインが点在するソリッドな「クロスライフ博多天神」のロビーラウンジ

 

↑こちらは博多の伝統と現代らしいカジュアルさが共存し、あたたかみを感じさせる「クロスライフ博多柳橋」

 

↑客室。クロスライフ博多天神は「コンフォートツイン」(定員2名)、クロスライフ博多柳橋はソファベッド付きの「コンフォートツイン」(定員3名)がボリュームゾーン。写真はクロスライフ博多天神の「ユニバーサルキング」

 

↑クロスライフ博多天神には、4名を収容できる「ロフトツイン」が11室あるのが特徴

 

↑クロスライフ博多柳橋には、2段ベッドを備える客室がベッドのサイズ違いで4室(各定員4名)

 

↑客室備え付けの備品の一部。モノトーンにそろえられミニマルな印象

 

↑大浴場には「NATURAL HEALING」をテーマにしたデジタルアートを設置。時間と共に刻々と変化する。浴場内にはサウナも完備する

 

↑提供される朝食(ビュッフェスタイル)の一例。博多らしい食材も堪能できるのがうれしい

 

↑チェックインはフロント、あるいは自動チェックイン機でも行える

 

↑アメニティはフロントに用意されており、必要な分だけゲストがピックアップするスタイル。また、館内にはランドリールームも。このあたりはカジュアルホテルらしい

 

ORIX HOTELS & RESORTSの新ブランドが提案する滞在スタイルとは?

さて、このクロスライフ博多天神、クロスライフ博多柳橋を擁する「クロスライフ」は、オリックス・ホテルマネジメントが展開するORIX HOTELS & RESORTS(オリックス ホテルズ&リゾーツ)が新たに手がけたホテルブランド。

 

現在、札幌・京都・大阪の3都市に展開する「CROSS HOTEL」のシスター(妹)ブランドと位置付け、「地域とのつながり」というコンセプトを踏襲しながら、20〜30代向けのカジュアルラインとして誕生した。

↑国内全15軒、約3500室を展開するオリックス ホテルズ&リゾーツのブランドポートフォリオ。運営会社のオリックス・ホテルマネジメント執行役員で営業本部長の森直樹氏は、「人生におけるさまざまなステージに寄り添うブランドでありたい」と意気込む

 

上のポートフォリオを見ると“カジュアル”に位置付けられる「クロスライフ」だが、筆者が実際に宿泊して感じたのは、ただのカジュアルホテルにとどまらない存在だということ。なぜなら、博多カルチャーの断片を違和感なく点在させ、宿泊者を館内で思い思いにくつろがせる、むしろ出かけたくなくなりそうな一風変わったホテルなのだ。

 

その背景には「Play with Local 〜地域と一緒に〜」「My 3rd Place 〜自分らしい居場所〜」「360°Life 〜自由なライフスタイル〜」という、3つのコンセプトがある。

 

カジュアルホテルらしくない3つの体験とは?

日本のホテルブランドとしては珍しいコンセプト型のホテル。3つのコンセプトに呼応したそれぞれの“体験”を、前出のオリックス・ホテルマネジメント執行役員・森直樹氏のコメントとともに見ていこう。

 

1.地域の文化を“知る”入り口がある

 

「Play with Local 〜地域と一緒に〜」をもっともわかりやすく体現するのが、クロスライフ博多柳橋に導入された小石原焼(こいしわらやき)の数々。小石原焼とは、ろくろを回しながら器に幾何学的な模様をつけていくのが特徴の、博多織や久留米絣と並ぶ福岡の伝統工芸だ。50軒ほどの窯元が現存しているという。

↑写真のように刷毛を使って釉薬に模様をつけたり、刀で彫り込みをいれたりして独特の模様と風合いを生み出す

 

↑こちらは刀で模様をつけたもの

 

クロスライフではこの小石原焼を、博多柳橋の各階のサインに使用している。同じ小石原焼でも作家によって作風はまったく異なり、各階で違う作家の作品が階数を表示したり部屋番号を彩ったりしている。ただしセキュリティ上、宿泊階以外には行けないのが残念。ここに一部を紹介しよう。

 

↑クロスライフ博多柳橋のエントランスに鎮座するのは、福岡県在住の彫刻家によるもの。江戸時代に北九州で生まれた木綿織「小倉織」の端材を活用しており、ゲストはチェックイン時に渡される紐を自ら結んで完成に関われる

 

伝統から打って変わり、現代のカルチャーとの入り口も設けている。例えば「My Favorite Coffee by CROSS Life」の取り組み。ユニークなカフェが多い福岡のカフェ文化の一端を、クロスライフのカフェにおいてリレー形式で提供することで、味わい知ってもらおうというものだ。

↑クロスライフのカフェで提供中の「manucoffee(マヌコーヒー)」。独自焙煎による風味豊かな味わいに加え、コーヒーかすを活用した有機肥料の開発や、イラストレーターの支援など、コーヒーショップにとどまらない活動でも支持されている

 

↑コーヒーのおいしさに、マヌコーヒーの実店舗を訪れた。サイケデリックなコーヒーを目指す、と内装にも世界観が表れている

 

クロスライフ博多天神には、地元のアーティストたちによる現代アートが館内の目立つところに飾られ、まるでギャラリーのように鑑賞できる。こちらも一部をチェックしてみよう。

 

大事にしたのは、「ここで体験して終わりにしないこと」だという。「クロスライフですべてを体験できるわけではありません。クロスライフで関心をもち、実際のお店や工房へ足を運んでいただき地域を盛り上げる、その動線を作りたいと思っています」(森氏)

 

2.地域の人と“つながる”伝言板がある

↑ロビーに設置されたコネクトボード

 

地域との接点をつくるという点では、両ホテルともロビーに設置された伝言板「コネクトボード」も大事な役割を果たす。地域のいいものを気づいた人から気軽にシェアしていこう、という提案だ。

 

「観光客だけでなく、地元の人にも『こんな素敵な場所が身近にあった』と気づいていただくきっかけにしたいです」(森氏)

 

ちなみに伝言板ではないが、変化を続ける博多に残った“下町”感を間近に感じられるのも、ギャップがあっておもしろい。クロスライフ博多柳橋は、発祥は昭和初期、今にいたるまで“博多の台所”と呼ばれ親しまれている「柳橋連合市場」に隣接している。

↑ホテルの窓から隣接する「柳橋連合市場」を望める。昔ながらの情緒を色濃く残す場所だ

 

↑実際に訪れ、店主とコミュニケーションをとりながら買い物したり食堂に立ち寄ったりできる。夕方には続々と店じまいするので、早めの訪問がおすすめ

 

3.一日中“自由に過ごせる”多機能型コミュニティスペースがある

↑クロスライフ博多柳橋の2階に位置する「360°Hub」

 

「360°Hub(スリーシックスティーハブ」と名付けられたのは、ラウンジ。朝食営業が終わったあとは、終日カフェとして開放される。極端にいえば、コーヒー1杯で夜まで過ごせてしまう。そこには、“ハブ”としたとおり、ひとりでノマドワークするだけでなく、訪れるさまざまな人との接点にもなってほしい、という思いが込められている。

 

「“コワーキングスペース”と限定せず、読書をする、絵を描くなど自分らしく時間を過ごせる空間にしたい。自宅、職場、そしてもうひとつの居場所として使って欲しいと思います」(森氏)

↑クロスライフ博多天神のカフェ&バーの奥に位置する「360°Hub」

 

ゲストがそれぞれの都合や好みに合わせて過ごしながら、自然と地域と接点をもてる。そんな仕組み作りが試みられている。

 

森氏は、「ホテルとは従来、宿泊するための場所にすぎず、気軽に足を運べる場所ではありませんでした。クロスライフでは、宿泊者だけでなく、通りすがりの人や地元の人にも気軽に来て、思い思いに時間を過ごしていただきたい」と話す。

 

文化も、遊びも、ビジネスも、活気あふれる今の福岡・博多を、各々の時間軸にしたがって体験するなら、いわば“ベースキャンプ”にしたくなる「クロスライフ」は、選択として大いにアリだろう。

 

クロスライフ博多天神
福岡市中央区春吉三丁目26番30号

クロスライフ博多柳橋
福岡市中央区春吉一丁目6番5号

 

カジュアル滞在を極めるなら
東京=博多間をつなぐ「ジェットスター」がお得!

最後に、“足”の選択肢は? 九州の玄関口である福岡へは交通手段が豊富だが、首都圏からよりお得に向かうなら、LCC「ジェットスター」がおすすめだ。2022年7月に日本就航10周年を迎え、現在は国内15都市・17路線を運航している。

 

ジェットスターを使えば、成田空港第3ターミナルが発着地となるが、LCC最大のメリットである運賃は、最安運賃片道5580円(エコノミークラス「Starter」の片道運賃。支払手数料、空港使用料等別途。諸条件適用)。競合他社でジェットスターを下回る価格のフライトがあれば、その価格より10%引きとなる「最低価格保証」のサービスもある。

 

しかも朝イチの便なら、最新機材「エアバス A321LR」に乗れるのだ。

↑ジェットスターの最新機材「エアバス A321neo(LR)」

 

↑CFMインターナショナル社の新型エンジンによって燃費効率が向上、環境負荷軽減にも一役買う

 

↑座席背面。モバイル端末ホルダーやUSBポートが設置され、目的地まで自分のスマホやタブレットを充電しながら使用できる(“機内モード”に設定要)

 

快適さを我慢することなく、気軽な旅を楽しめるはず。年末年始、春休み、ゴールデンウィークと今後半年で続く大型連休に活用してはいかがだろうか。

 

 

取材・文・撮影=GetNavi web編集部