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2023/1/8 20:30

幸福学研究者が説く、仕事に没頭する効果と没頭するようになる考え方

「幸福学」とは、幸福について研究する学問のこと。世界中で「幸せとはなにか」「人はどうしたら幸せになれるのか」など、「幸せ」に関する研究や実験が日々おこなわれています。つまり、科学的に証明された「幸せになれる方法」はたくさんあるのです。

 

幸福学の研究者、前野隆司さんと前野マドカさんのふたりが導き出した、日々の暮らしに取り入れられる「幸せになるための習慣」とは? 忙しい毎日に疲れてしまった人へ、ふたりの共著『そのままの私で幸せになれる習慣』から、お届けします。

 

【関連記事】「幸福学」研究者に聞く、幸せ格差が広がる時代のコミュニケーション術とは

 

習慣9.「没頭」できる仕事をする

たとえば、私なら文章を書いているときに、気づいたら「あ、もう3時間もたっていた」ということがあります。大好きな「書く」ことに集中して、時間を忘れている状態です。

 

フローとかゾーンといわれる「していることに完全に浸り、精神的に集中している感覚」になれる仕事ができれば、創造性も生産性も高まります。それはとても幸せなことです。

 

もし、あなたがそんな仕事に就いているなら、その状況を満喫してください。

 

「いまの仕事ではゾーン状態になれない」という人も少なくないと思いますが、その場合には、没頭できる仕事を探すのも一考です。

 

しかし、自分が何を得意とし、何が本当にしたいのかがわからないと、そうした仕事を探すのも難しいでしょう。

 

その場合は、新たな仕事を探す前に、いまの自分の仕事をもう一度、見直してみませんか?

 

あなたは、仕事をするとき、何か工夫をしていますか? 何かを少し変えれば、ワクワクするようになるとか、この仕事はたしかに誰かのためになっている、という自覚を持つだけで、仕事に対する認識が変わります。

 

ゾーン状態になる条件は「難しさはあるけれど、難しすぎない」こと。かんたんすぎるとつまらないし、難しすぎるとストレスになってしまいます。

 

少しはストレスを受けるけれども、成し遂げられるような仕事がいいと思います。そんなふうに仕事を進められたら、人生はとても豊かになるでしょう。

 

出典=ミハイ・チクセントミハイ『フロー』

 

科学が明かした「幸せ体質」になる50の習慣

●いつもと違う習慣で楽しみを見つける習慣
1. 小さなことに声をあげて笑う
2.少しだけ上を向いて、いつもより大股で歩く
3.きれいな植物やかわいい動物と触れ合う
4.一杯のお茶をじっくりと味わう
5.頭をからっぽにして、散歩やジョギングをする
6.スマホとテレビから少し離れてみる
7.お気に入りの音楽を聴く
8.7〜8時間の質のいい睡眠をとる
9.誰かのために小さな親切をする
10.自分のためよりも、人のためにお金を使ってみる
11.なんでもないことを「満喫」する
12.自分だけの“オリジナル作品”をつくってみる
13.あえて、いつもと違うことをしてみる
14.誰かと、またはひとりでハグをする
15.「やってみたかったこと」をやってみる
16.「最後のひと月」であるかのように過ごす

●人とのつながりで温かさを感じる習慣
17.会いたい人に連絡してみる
18.「ありがとう」を記録する
19.自分と違うタイプの友達を持つ
20.人のいいところをうわさする
21.なんでもいいからグループ活動に参加する
22.嫌いな人にうそでも同情してみる
23.周りの人を信じて「期待」する
24.悩んでいる友達の話を聞いてあげる
25.いつもの店員さんにひと言かけてみる
26.感謝している人に気持ちを込めた手紙を書く

●合格点を下げてラクになる習慣
27.小さくて、できそうな目標を立てる
28.「やらねばならないこと」をやめてみる
29.結果は気にせず、その過程を楽しむ
30.100%を目指さず、70%くらいでよしとする
31.迷ったときは「これでいっか」と妥協してみる
32.「没頭」できる仕事をする
33.こだわりすぎず「適度」にこなす
34.ネガティブなことをポジティブにとらえてみる

●自分の素直な気持ちを受け止める習慣
35.今日あった「いいこと」を3つ書き出す
36.ほほえんでしまうようなことを思い出す
37.「自分の持っているもの」を数える
38.子どもの頃にワクワクしたことを思い出す
39.人生のターニングポイントを振り返る
40.前向きにやろうと思うことを3つ挙げる
41.素直になれていないことを並べる
42.今日あった「いいこと」「悪いこと」を書き出す
43.わからないことは「わからない」と受け入れる
44.イライラ・もやもやしている自分を受け入れる
45.どんなに小さなことでも「夢」を3つ挙げる
46.いちばん大切にしている「価値」を探る
47.目の前の「やるべきこと」をはっきりさせる
48.自分にとって「最高の未来」をイメージする
49.楽しかった日々を再現して味わう
50.ポジティブな思い込みをする

全50の習慣は、こちらの本で網羅されています。

 

Book Info

『なんでもない毎日がちょっと好きになる そのままの私で幸せになれる習慣』(WAVE出版)
前野隆司さんと前野マドカさんの共著による最新作。「幸せになれる」と科学的に証明された方法の中から、日々の小さな習慣で「幸せ」を感じとれる、誰でも簡単に実行できる50の習慣を紹介しています。

 

プロフィール

慶應義塾大学大学院教授 / 前野隆司

1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する。著書に、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)など。妻である前野マドカさんとの共著も多数ある。

慶應義塾大学大学院研究員 / 前野マドカ

EVOL株式会社代表取締役CEO、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員、一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事、国際ポジティブ心理学協会会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)、『家族の幸福度を上げる7つのピース』(青春出版社、2020年)などがある。

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」