スポーツ
野球
2019/4/26 19:45

アマチュア野球投手でもデータによる投球解析が可能! IoT野球ボールで差をつけろ

MLBファンにはすっかりお馴染みとなっている「スタットキャスト」。軍事技術でもある追尾レーダーの技術を利用し、グラウンド上の選手の動きだけでなく、ボールの位置や方向、さらには速度や回転量など、さまざまな事象を計測し、データを記録・分析・数値化するシステムだ。

 

上記動画では、現在メジャー最強クラスの剛速球投手、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)のフォーシーム(直球)の球速と回転量を紹介している。最速(時速)97マイル、メートル法換算で時速156㎞の球速もさることながら、その回転量が凄まじい(2618回転/分)。速球投手にとって、ボールの回転量はとても大切とされる。それはボールの回転量が多いほど、速度が落ちにくい伸びのあるボールであることを意味するからだ。

 

メジャーのフォーシームにおける平均値はおおよそ2250回転前後。このツイッターが伝えているのは、その凄まじい回転量のフォーシームで、バーランダーは好調(シアトル・)マリナーズ打線から11個の三振を奪ったということを伝えている。

 

MLBではこのスタットキャストのシステムを全スタジアムに導入しており、そのデータをチームや選手、メディアが利用するだけでなく、野球の研究者やファンたちが、自由に楽しむことができるように公開されている。選手にしてみれば、こうしたデータを使用することで、自分の何が悪いのか、あるいは良いのかがデータによって科学的に分析されるので、ピッチングの工夫や練習に役立てることができる。

 

さて、本題はここから。

 

こうしたデータによる投球解析は、日本でもスタットキャストのようなトラッキングシステムを導入することで始められている。しかし、アマチュアレベルになってくると、こうしたシステムの導入は非常に難しい。こうした問題をIoTの力で解決しようと開発されたのが、IT会社アクロディアが開発した、『i・Ball Technical Pitch』だ。

単なる硬式野球ボールにしか見えないが、実は中心部に3軸加速度センサー、3軸地磁気センサー、3軸角速度センサーの計9軸センサーを内蔵。ボール本体を投げると投球データがスマートフォンに転送され、「球速、回転数、回転軸、球種、変化量、腕の振りの強さ」を計測し、専用サーバーで投球データの解析ができるという、IoTボールなのだ。

 

ボール本体は、硬式野球ボールと同じ重量、同じ固さ、同じ素材で作られおり、ほぼ違和感なく投げることができるという。ただし、精密機械が埋め込まれているだけに、さすがにバッティングは不可。とはいえ、数日ごとにこのボールで投球し、データを積み重ねていくことで、自らの調子やコンディションを推し量ったり、上達の目安にすることはできる。

 

このボール自体は昨年から販売されているのだが、このたびアクロディア社が『i・Ball Technical Pitch』での日々の練習成果を統計的に確認することが可能となるWEBサービス、『i・Ball Technical Pitch Lab』(サイトにはこちらから⇒https://technicalpitch.net/ ※ログインするにはユーザー登録が必要)を開設。ユーザー自身の投球データのグラフ化や、全国のユーザーから集積したビッグデータを解析することなどが可能となった。

 

このWEBサービスの開始にともない、アプリにも新機能が追加されている。ピッチングの計測時にスマホのビデオカメラを起動すると、動画撮影と投球計測が同時に行われ、計測結果と動画を同期させてくれるという素晴らしい機能だ。

 

これなら計測結果と動画を同時に確認することができ、投球フォーム・リリースポイント・コントロールのチェックと計測結果を、紐づけて確認することもできるようになるという。いよいよアマチュアベースボーラーも、科学的データに基づいた形でレベルアップできるような環境が整ってきたと言える。

『i・Ball Technical Pitch』の価格は税別で27,500円。しかし、1つのユーザーIDに何人でも投手を登録できるそうなので、チームで1つボールが用意できればいいことになる。硬式野球をプレーするアマチュア選手はあまり多くはないかもしれないが、高校野球の投球数制限の導入機運なども考えると、多くの投手の育成が急がれる。その解決策の1つに、このIoTボールが大きく役に立ちそうだ。

TAG
SHARE ON