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ランニング
2022/12/9 11:30

ミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブがある。/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣①商品企画担当インタビューの巻

 

ランニングシーズン、真っただ中! 最新のランニングシューズを、走って、試して、書き尽くす本企画。今回から3回連続でお届けするのは、日本を代表するスポーツカンパニー「ミズノ」だ。

 

1回目は、ミズノのランニングシューズの企画担当者に“履き心地”の秘密を直撃取材。2回目、3回目は最新のランニングシューズをお借りして、走って試した、実走レビューをお届けする!

↑ミズノ「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニング企画課の吉村憲彦さん(写真、右)。ご覧の通りの体型で、学生時代はトライアスロン、現在はトレイルランの大会でもご活躍とのこと!

 

日本生まれの世界的マスターピース=ライダー

ランニングシューズ開発の最前線をレポートする本連載の3ブランド目は、独自の世界戦略を描く、ミズノ。東京・神保町の東京オフィスにお邪魔して、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った。話題はもちろん、ミズノの世界戦略の要となる主力商品、ミズノ「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」。欧米を中心に多くの熱い支持者を持つ、日本生まれのマスターピースである。26作目となる最新モデルの解説を中心に、張り切ってスタートしよう!

 

「初代のミズノ 『ウエーブライダー(以下、ライダー)』は、1997年に発売されました。ミズノのランニングのコンセプトは“スムーズさの追求”です。そのコンセプトを、一番に感じていただけるシューズが、ライダーです」(吉村さん)

 

筆者も、ライダーを長年履いてきた。ライダーの魅力は、何と言っても安定感の良さ。近所の河川敷での普段のジョギングから、さまざまな距離のランイベント、100㎞を走る過酷なウルトラマラソンまで、何度ライダーに助けられたか、数えようもない。

 

酷評をバネに、ライダーの進化がスタート

「ライダーは、誰からも愛されるシューズを目指しています。何かしらの尖った機能ではなく、バランスの良いシューズであることに、常に気を配っています。ミズノが開発した最新の機能や材料は、真っ先にライダーでその性能が試され、徹底的に分析されます。ライダーは、ミズノにとって一番大事なシューズだからです」(吉村さん)

 

シューズ愛が、今にも伝播しそうな吉村さんの言葉に偽りはない。ライダーは、ミズノランニングのグローバル市場における、まさに主力商品だからだ。

 

「実は、初代のライダーは、酷評されたそうです。最近、初代ライダーを、ライフスタイル向けに復刻したのですが、けっこう“もちっ”としていました(笑)。重量も300g以上あり、現在のライダーよりも、さらに走行安定性を重視した、いわゆるスタビリティモデルとしてスタートしました」(吉村さん)

 

もちろん、翌年の『ライダー2』の開発では、ラスト(靴の足型)からフィッティングまで大きく見直されたことは、改めて書くまでもない。その後、アメリカのランニング専門誌『ランナーズワールド』でも高く評価され、ランニングシューズとしての認知度も高まり、四半世紀以上にわたってライダーは世界中で愛され続けることになる。

↑2018年に発売された、ミズノ「ウエーブライダー1」の復刻モデル。1997年当初は、現行のライダーよりも安定性を重視した、より堅牢ないわゆるスタビリティモデルだった。※現在、販売はされていません

 

欧米市場で、ライダーが支持されるワケ

「ライダーが最も売れているのは、欧米市場です。欧米と日本とは、ランニング文化が異なります。ライダーを選ぶ多くの方が、レースや大会ではなく、日常の暮らしの中で走ることを楽しむ“ファンラン”として愛用していただいています」(吉村さん)

 

日本では、走る=ストイックというイメージが、なるほど強い。“私、走っています”と話すと、“フルマラソンに挑む”とか“自己ベスト更新を目指す”など、挑戦や目標という話に、すぐになってしまう。しかし、取材で何度も訪れた欧米では、挑戦する人や目標に掲げる人もいるが、それ以上の大多数の人々の日常の暮らしの中に、ランニングが力まずに溶け込んでいる。通勤や買い物など、ランニングシューズで日常を過ごすことも当たり前だ。

 

ランニングシューズは、そもそも履きやすい上に、きちんした機能もある。欧米で売れているのも、グレーやブラックなど、日常生活でも使えるカラーだというのも、納得なのである。

 

「あくまで個人的な感想ですが、ミズノブランドの欧米での認知度は、皆さんが感じているほど高くはありません。そうしたポジショニングなので、ライダーは、陸上競技などの運動経験があったり、マラソンのファンだったりなど、何らかの形でミズノを知っている方が手に取ってくれる傾向はあると思います」(吉村さん)

↑左は、ライダーのDNAを受け継ぐ、次世代への戦略モデル、ミズノ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」。右が、26代目となるミズノ ウエーブライダー26。いずれも、次回以降で実走レビューを行う予定だ

 

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