ニューバランスは1906年創業の世界を代表するスポーツシューズメーカーです。しかし意外なことにゴルフシューズを最初に発売したのは2016年でした。そこからわずか7年で多くのプロゴルファーが愛用する人気メーカーとなりました。今回、2023年春夏モデル「FuelCell 1001v4」シリーズの試着&体験ラウンドがあり、平川カントリークラブ(千葉県)で開催されたメディアイベントに参加してきました。
「FuelCell 1001v4シリーズ」は3機種のラインナップで、2機種がスパイクレス
筆者は2019年発売モデルの「1001v2」シリーズを長年愛用してきました。v2はバージョン2でv4はバージョン4ですから、2世代前の機種になります。
2021年発売モデルの「1001v3」シリーズを購入しなかった理由は、2019年に購入したシューズがまだ履けたからです。ゴルフシューズをどのくらいのペースで買い替えるかは、ゴルファーのラウンド回数や練習頻度によって変わります。筆者は年間ラウンド数15~30回で、練習時はゴルフシューズを着用せずにスニーカーを着用するので、1足のゴルフシューズが4~5年履けます。
そもそもゴルフシューズを買い替えるタイミングは、ソフトスパイクの鋲がすり減ってきたり、シューズの表面が汚れてきたり、雨の日のラウンドのアフターケアを怠ってイヤなニオイがついたりしたときくらいです。スパイクの鋲はすり減ったら鋲だけ取り替えができますし、シューズ表面の汚れや雨の日の水濡れはラウンド後に必ず手入れしますから、いいシューズは長持ちします。
ただ、メーカーとしては新しい素材やテクノロジーを日々研究しているので、よりよい商品を次々と開発し、世の中に送り出しているわけです。4年前のモデルと比べてどんな進化を遂げているのか楽しみです。
さっそく箱を開けると、まぶしいほどのイエローが目に飛び込んできました。
そしてもう一つ意外だったのは、ソフトスパイクではなくスパイクレスシューズが入っていたことです。ソフトスパイクが入っていると勝手に思い込んでいたので完全に意表をつかれました。スパイクレスシューズはゴルフショップで試着したことはありますが、購入したことはありません。
ラウンド前に商品説明会がありました。説明によるとロッカーに入っていたのはFuelCell 1001v4シリーズ、スパイクレスタイプで防水性能に優れた「UGH1001v4」のイエローだということが分かりました。パネル上に直接BOA(R)ダイヤルを配置し、甲周りと踵のホールド感を同時に高める構造が特徴。そして、ニューバランス特有のFuelCell(フューエルセル)ミッドソールを使用しています。
このほかにスパイクレスタイプで防水性能よりも通気性能を重視したメッシュ素材の「UGS1001v4」と、ソフトスパイクで防水性能に優れた「UGB1001v4」の商品説明もありました。UGS1001v4はブラックとグレーの2色展開で、UGB1001v4はホワイトの1色展開です。すなわちFuelCell 1001v4シリーズは3機種中2種類がスパイクレスということになります。ソフトスパイクはほとんどオマケという位置づけです。
その理由は「ゴルフシューズを1足で済ませたい方はソフトスパイクよりもスパイクレスシューズを選ぶ傾向が高まっているので、そのニーズに応えるためスパイクレスのラインナップを充実させた」とのこと。
補足説明をすると、ソフトスパイクはゴルフ場の芝の上でのグリップ性能は高いのですが、練習場のマットの上ではスパイクの高さがあるのでボールとの距離が微妙に変わり、練習に適さないといわれています。筆者もそのことを考慮して練習ではスニーカーを着用しています。
しかし、スニーカーで練習するとスニーカーが傷みやすく、ボールを打つ瞬間に足元が滑ると感じる人もいるようです。そういう人は練習場でもゴルフ場でも履けるスパイクレスシューズを選びます。
数年前までは、スパイクレスシューズはソフトスパイクと比べるとゴルフ場では滑りやすいと言われていましたが、近年のスパイクレスシューズ人気の高まりによってメーカー各社が開発に本腰を入れ始めました。プロゴルファーが試合で着用しても不満を感じないほどグリップ性能が高いモデルが次々と発売されています。
ニューバランスでは、プロゴルファーが試合で着用するのはソフトスパイクの「2500v3」シリーズが圧倒的に人気ですが、そのテクノロジーをアマチュア向けモデルに搭載したFuelCell 1001v4シリーズではスパイクレスタイプをメインに打ち出したわけです。
そして商品説明会の最後にゴルフシューズの履き方レクチャーがありました。
「シューズを履くときは、まずボアを全開に緩めます。そして1つ目のポイントはかかと側の硬い素材(ヒールカウンター)にかかとをしっかり合わせることです。2つ目のポイントはシュータンを引っ張ってラップ部分が縒れないようにすることです。3つ目のポイントはかかとを合わせたままつま先を上げながらボアを締めることです」。教わったとおりに着用すると、シューズのフィット感が明らかに向上しました。