駅伝シーズンへ向けて選手たちが着々と調整を進めている一方で、この時期は各メーカーから多くの新製品が出てきます。そのようななかミズノは12月、2024年春夏新製品ランニングシューズ発表会を東京都内で開催し、「WAVE REBELLION(ウエーブリベリオン)」シリーズの第2弾、3モデルを発表しました。
「WAVE REBELLION」シリーズ、注目の第2弾が登場
現在、高反発ソールがシェアを広げているランニングシューズ市場ですが、こうしたなかでミズノの主力商品として位置付けられているのは、2023年1月に初代が登場したWAVE REBELLIONシリーズ。今回は、その後継モデルとして「WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブリベリオンプロ2)」、「WAVE REBELLION FLASH 2(ウエーブリベリオンフラッシュ 2)」、「WAVE REBELLION SONIC 2(ウエーブリベリオンソニック2)」がそれぞれ発表されました。
本発表に際して、ミズノ コンペティションスポーツ事業部マーケティング部部長の太田友宏氏は、「革命的な製品でお客様にアプローチしていきたい」とコメント。第2弾のテーマは「反発」とのことで、「スピードランナーが求める反発を高い次元で今回レベルアップしています」と力を込めました。
シリーズ最大の武器は前作と同様、「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーススピードアシスト)」機能。同社グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課 課長の青井俊輔氏によると、実際にシューズを着用した選手からは、「短距離のスターティングブロックをずっと足の下につけている感じ」という驚きのフィードバックも得られたそうです。
踵から着地し前足部に抜けていくヒールストライク走法ではなく、前足部から中足部で着地するフォアフット走法にあわせて設計されたスムーススピードアシストは、中足部のソールを分厚くすることにより、踵の落ち込みを抑えるだけでなくシューズからの反発が得られ、ふくらはぎ周りにかかる筋肉の負担を軽減する効果も期待できます。
フルマラソンサブ2.5を目指すレース用トップモデル!
前作「WAVE REBELLION PRO」では、選手から高い評価が得られた一方、「1キロ3分を超える走行スピードでもう少し反発が欲しい」という意見も寄せられ、今回そのフィードバックを得て開発されたのが、WAVE REBELLION PRO 2です。その主なアップデートポイントは、3つあります。
1つ目は、トップミッドソールに搭載されている独自の高反発ミッドソール素材「MIZUNO ENERZY LITE+(ミズノエナジーライトプラス)」の搭載量を約32%増やした点で、足入れをした瞬間により柔らかいクッション感が得られます。
2つ目の変更点は、設計を大きく見直したカーボン入りナイロンプレート「MIZUNO WAVE」の形状。前足部に突起を設けた今作は、中足部の左右が羽状に巻き上がった設計へと変化しており、これら2つの複雑な立体構造を組み合わせることによって、前作のプレートと比べて曲げ剛性が600%アップしました。
最後に3つ目は、すでに前述したスムーススピードアシストで、フォアフット走法のランナーが1キロ3分のスピードで走った際に、よりしっかりと踵の部分が地面につくよう角度を調整し、効果がより得られるように仕上げられています。
その他にも、接地面積の向上で安定感が増す設計となったアウトソール「G3」。エリアごとにデザインを変えたミッドソール素材、軽量化を追求したヒールカウンターの構造など、スピードランナーをサポートするために多くのアップデートが施されました。
「国内外問わず選手に着用いただいている状況が生まれてきております。引き続きスムーススピードアシストという独自の機能を打ち出すことによって差別化を図り、すべてのランナーの自己ベスト達成をサポートしていきたいと考えております」(同社グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の川西広朗氏)
スピードを追求し、サブ3を目指すランナーへ
「3分40秒という走行スピードにおいて、我々のスムーススピードアシストがいい結果を出しました。これをより多くのランナーの方に届けたい、より幅広い方々に反発を届けたい、というのが『REBELLION FLASH』に課された使命です」。青井氏がそう語る今回のWAVE REBELLION FLASH 2は、前作と全く違うシューズに仕上がりました。イメージとしては、初代WAVE REBELLION PROを少しチューンナップしたような一足です。
こちらも主なアップデートポイントが3つありますが、最も大きいのは、スムーススピードアシストが搭載された点。フルマラソンを3時間未満で走る「サブ3」から4時間未満で走る「サブ4」まで、幅広いランナーに向けたマイルドな設計となっており、初代「PRO」を好んでいた方にもおすすめのモデルです。
2つ目は、トップミッドソールを「MIZUNO ENERZY LITE(ミズノエナジーライト)」からミズノエナジーライトプラスに変更したことで、クッション、反発がともに前作から50%以上アップしました。また、ボトムミッドソールには、引き続きミズノエナジーフォームを使用しているため、より柔らかくクセのない履き心地を求める方にマッチします。
そして3つ目は、シンプルな形状に進化したMIZUNO WAVE。WAVE REBELLION PRO 2と同じく、こちらも新たに左右の巻き上げ構造を採用していますが、違いとして注目したいのは、そのプレート幅。PRO 2と比べてもかなり幅が広く、安定性に自信がないという方も安心して走れる仕様になっています。
その他のポイントとしては、アッパーの主な仕様がPRO 2とほぼほぼ共通していますが、踵の構造が違い、オーソドックスなヒールカウンターを搭載しています。
「前作と打って変わって非常に大きなアップデートをしていると思いますし、このシューズがスムーススピードアシストを今シーズン広げるにあたって非常に大事なシューズだと我々は意気込んでいます」(グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の松木直人氏)
接地感覚を鍛えるジョグ、LSDにもおすすめ
最後に紹介するのは、反発と安定を備えたレーストレーニングモデル、WAVE REBELLION SONIC 2。ランニングを始めてから少し時間が経ち、そろそろスピードを上げて走れるシューズを探している、というランナーにおすすめの一足です。今回は、細部の形状や素材にこだわり、前作から約20gの軽量化(片足27.0cm)に成功しました。
PRO 2、FLASH 2と違い、スムーススピードアシストは採用されていませんが、さまざまな使い方ができる便利な一足です。上位レーシングシューズと併用し、接地感覚を鍛える使い方もおすすめ。クッション性と反発性のバランスに優れたミッドソール素材ミズノエナジーフォームは、より軽やかな走りをサポートします。前足部24.0cm・後足部32.0cm(27.0cm)の程よい厚みです。
また、ミズノランニングの基幹モデル「WAVE RIDER 27」と同じ足型を使用しており、中足部から踵にかけてのウエーブプレートの形状も、同モデルをほぼ踏襲しているため、ライダー27からの履き換えを考えている方は、違和感なく移行していけるかもしれません。
2022年には、「SMOOTH SPEED PROJECT」を立ち上げ、スピードランナーの快適な走りを追求してきたミズノ。「『今までランニングシューズをこう作ってきました、その延長で物を作ります』ってことは絶対にしない」と青井氏が話している通り、既存のやり方に囚われず、ランナーのために革新的なシューズを開発し続けています。
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