文房具
2017/9/7 10:50

チタンに真鍮、陽極酸化処理!? 文房具好きも化学好きも惹きつける「ショーン・デザイン」のペンコレクション

「SCHONDSGN/ショーン・デザイン」は、イアン・ショーンが2012年にスタートした高級ペンブランド。“毎日使う日用品”で、かつ“長く使えて壊れないもの”を作りたかったイアンは、金属の無垢材を削り出し、たった4つの部品で構成されたシンプルなペンを完成させました。2012年に最初の2000本が完売すると、たちまちSNSで話題に。現在は、アメリカ国内の15店舗で販売されています。

 

ショーン・デザインのこだわりは、“長く使えること”と“100%メイド・イン・アメリカ”であること。ペン本体はマサチューセッツ州ボストンの工房で、またリフィル交換用の真鍮のネジも、同地にあるもっとも古いネジ工場のひとつで作られており、ネバダ州で作られたFisher(フィッシャー)のリフィルがセットされています。カードボードチューブのパッケージは、ミシガン州にある薬莢用の紙筒などを手掛ける工場で作られ、品質検査とパッケージングは、マサチューセッツの工房で行われています。

↑創業者のイアン・ショーンは、エンジニアであり、プロダクトデザイナー。ほかに、アメリカの自転車ブランド、FIREFLY社のフレームの製造を手掛けたり、自転車のパーツブランドも経営する実業家でもあります
↑創業者のイアン・ショーンは、エンジニアであり、プロダクトデザイナー。ほかに、アメリカの自転車ブランド、FIREFLY社のフレームの製造を手掛けたり、自転車のパーツブランドも経営する実業家でもあります

 

ペンのデザインは、ジーンズやカバンのポケットに入れた時に、引っ掛からないように作られたミニマルなデザインで、ゴムやプラスチックは一切使われていません。構造がシンプルなので機械的な故障がなく、頑丈なので長く愛用できるのです。

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では具体的に、商品を見ていきましょう。

 

「#01A クラシックアルミニウム」は、イアンが考える、もっとも日常使いに適したペンで、携帯性を高めるためにコンパクトにデザインされています。耐久性と耐腐食性に優れたアルミニウムで作られたこのペンは、ショーン・デザインの最初の製品。自宅のガレージで古い旋盤を操作しながら、いくつものアルミニウム無垢材を削り、試行錯誤しながら作った理想のペンだと言います。

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↑「#01A クラシックアルミニウム」1万800円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約28.3g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

続いて「#01B ブラックアルミニウム」は、上の「#01」の色違い。耐久性に優れたアルミニウムを陽極酸化処理でブラック加工し、耐腐食性を高めています。

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↑「#01B ブラックアルミニウム」1万1880円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約28.3g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

真鍮無垢材を削り出して作られた「#01BS ブラス」。このペンは製造に非常に手間がかかるため、数量限定となっています。表面加工を施していない真鍮を使用しており、使い込むほどに黄色味が増し、マットな質感に変化していくのも魅力です。

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↑「#01BS ブラス」2万3760円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約85g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

「#01BZ ブロンズ」は、青銅無垢材から削り出されたペンです。こちらも製造に手間がかかるため、数量限定。表面加工を施していない青銅を使用しており、使っていくうちに赤味が増すとともに、マットな質感に変化します。

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↑「#01BZ ブロンズ」2万5920円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約90.7g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

アルミニウムよりも丈夫で重量感のあるステンレススチールは、光沢が美しく丈夫なため、調理器具、高級時計、外科用のメスなど、生活の中のあらゆる場面で幅広く使われているもの。このステンレススチールを使ったモデルが「#01S ステンレススチール」です。2016年にショーン・デザインのコレクションに追加されました。

↑「#01S ステンレススチール」1万8360円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸の装着した状態)、質量:約82.2g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ
↑「#01S ステンレススチール」1万8360円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸の装着した状態)、質量:約82.2g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

こちらも同じく、原材料にステンレススチールを採用した「#01P PVD DLC ステンレススチール」。“PVD”とは真空中で金属に皮膜を作る技術、“DLC”とはダイヤモンドライクカーボンを意味しており、この仕上げはダイヤモンドに次ぐ高硬度で傷に強く、高級時計にも使われるものです。150本の限定生産。

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↑「#01P PVD DLC ステンレススチール」2万1600円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約82.2g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

「#01T チタニウム」は、アメリカ国内で採取・製造されたグレード5のチタン無垢材を削り出して作られたペン。非常に軽く、耐腐食性に優れ金属アレルギーも生じないチタニウムペンは、ショーン・デザインのハイエンドモデルです。リフィル交換用スクリューにのみ、ゴールドプレート仕上げのスクリューを使用。このチタニウムペンも、数量限定での生産となります。

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↑「#01T チタニウム」3万2400円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約58g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

「LIMITED EDITION Multi-color Aluminium Pen」は、アルミニウムペンにランダムに陽極酸化処理を施した限定モデル。色や模様が不規則に浮かび上がり、同じ模様はふたつとないので好みの1本を探す楽しみがあります。

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↑「LIMITED EDITION Multi-color Aluminium Pen」1万6200円、サイズ:約φ1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約28.3g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

「LIMITED EDITION Anodized Titanium Pen」は、チタニウムペンを陽極酸化処理し、変色させた限定生産のペン。チタンの優れた特性を維持しながらもさまざまな発色を楽しめます。国内販売本数は20本。

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↑「LIMITED EDITION Anodized Titanium Pen」4万3200円、サイズ:約1.27×H10.16㎝(キャップを閉めた状態)、14.60㎝(キャップを尻軸に装着した状態)、質量:約58g、リフィル:フィッシャースペースペンインクカートリッジPRシリーズ

 

本格的に日本に上陸する「SCHONDSGN/ショーン・デザイン」のペン。硬質でスタイリッシュな金属軸のデザインや、金属ならではの耐久性といった素材特性はもちろん、大量生産ができずごく限られた店でしか手に入らない希少性も大きな魅力です。ラッキーにも出合えたなら、ぜひ手に取って確かめてみて。