文房具
2018/6/8 17:00

10年目の「ポメラ」に新作出た! 最上位モデルと折り畳める新モデル、選ぶならどっち?

多機能なスマートウォッチではなくトラディショナルな腕時計を選んだり、スマートフォンのほかに一眼カメラを手にしたり、単機能を追求したモノに憧れたりはしませんか?

 

キングジムの「ポメラ」もまさに、単機能追求型のガジェットです。「文章を書く」、その1点のみで、スマートフォン・タブレット・ノートパソコンといった強力な布陣ひしめく市場の中を駆け抜けている存在なのです。

界隈がざわめいた登場から10年

歴史を紐解けば、初代モデル「DM10」が登場したのは約10年前の2008年。4インチのモノクロディスプレイで、当時としても表示部は枯れた技術が使われていましたが、それが良かったんですね。ひたすら文章を紡いでいくという作業において、カラー画面は必要なかったのですから。

 

さらに折り畳み式のキーボードを搭載し、収納時はコンパクト&執筆時はフルサイズキーボードに可変するスタイルが、レポートの多い大学生や、ライターにブロガー、作家から愛されるガジェットとなりました。

↑2008年に登場した初号機「DM10」。“機能を引き算する”という大胆なコンセプトが話題を集めて大ヒット。電子文具ブームに火をつけた

 

↑2010年に発売されたエントリーモデル「DM5」。エントリーにふさわしいミニマムな機能を搭載しながら、アイコニックな折り畳み機能は健在だった

 

↑2011年、キーボードの使いやすさなどを高めるべく、折り畳み機能をなくした初のモデル「DM100」が発売。やがて下位モデルが終売になったことで、現時点での最上位モデル「DM200」が発売されると、“折り畳みキーボードの「ポメラ」”は姿を消した

 

6月8日に登場する最新モデルの「DM30」は、初代モデルのDNAをもっとも色濃く受け継いでいます。そう、折り畳み式キーボードを採用しているのです!

キングジム
デジタルメモ「ポメラ」DM30
4万6440円(税込)
http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm30/

↑ディスプレイを開けると観音開きのキーボードが現れる。さらにこれを開ければ即座に入力開始! 電源は、ディスプレイを開けば自動的に起動する
↑このキーボード、デスクにしっかり着地する秘密はキーボードの脚部にある。開けるに従って脚部が出現して固定され、キーボードを水平に支えるのだ

 

この機構を積んだキーボードのおかげで、現行機の最上位モデル「DM200」と比べて、格段にコンパクトになりました。

↑携行時のサイズはおよそ、幅156×奥行き126×厚さ33mm。奥の「DM200」と比べるとコンパクトさは一目瞭然

 

ここから本題。最上位とどっちが“買い”なのか?

では「DM30」は、併売される最上位モデルの「DM200」と比較して、どのようなスキルセットを持っているのでしょうか? 両機をじっくりと使い比べてみました。論文・レポート・小説執筆専用ギアとして「ポメラ」を選ぶならどっちだ!?

 

シンプル・イズ・ベストな「ポメラ」が帰ってきた! ———「DM30」

「DM30」の最大の特徴はやはり、折り畳みキーボードを用いたことによる収納時のコンパクトさでしょう。観音開き型の構造となっており、畳むとディスプレイサイズに近い約156×126mmに収まります。

 

折り畳んだキーボード部があるために、厚みは33mmとややファット。とはいえちょっとページ数の多い文庫本サイズですね。気になる重さは約450g(電池含まず)です。手で持って見ると、密度の高さを感じます。

↑厚みを比較してみる。左が「DM200」、右が新作の「DM30」。キーボードが重なる分、やや分厚い

 

・低消費電力の電子ペーパーを初採用

ディスプレイには、解像度がSVGA(800×600ドット)の電子ペーパーが使われています。低消費電力かつ文字の視認性が高く、長文も難なく書き進められます。液晶のバックライトとは異なり、暗い場所で見ても目に優しい。またギラリとした太陽光が降り注ぐ屋外であっても、マットなディスプレイゆえに反射が穏やかで見やすさ、よし。4:3のアスペクト比も表示部全体を把握しやすくて、よし。

お、入力時のレスポンスもいいですね。電子ペーパーは表示されるまでのタイムラグを感じやすいデバイスですが、「DM30」に限ってはそんな印象はありません。液晶のレスポンスにかなり近いものとなっています。

 

また電子ペーパーの特性上、メニュー表示やスクロール時に、それまで表示されていた文字などの跡が残像として残る現象が起きますが、「F12」キーを押せばリフレッシュされるので、その残像はきれいに消すことができます。

 

・スタンダードなノートPCと同等のキーピッチ

折り畳み式キーボードは剛性が低く、タイプ時にフレームが歪んで指の力が逃げることがあるのですが、「DM30」に関しては心配なし! キーボードを開くとキーボードフットも自動的に開いて安定性を向上。ディスプレイ部からはみ出た領域のキーにおいても入力しやすくなっています。

横17mm、縦15.5mmという、スタンダードなノートパソコンと同等のキーピッチにも注目しましょう。コンパクトなモデルでこのピッチのキーを採用したキングジムに拍手を送りたい! 普段は13インチ級のノートパソコンを使っていますが、気兼ねなく原稿を執筆することができました。

 

ただし膝上においての文字入力はしにくいところがあります。キーボードを開いたときにロックする機構がないために、キーボードが閉じやすいんですね。とはいえロック機構があると収納する際に一手間増えてしまいますし、これは仕方がないものと考えましょう。

 

・長文の入力に便利な機能もいろいろ

アウトライン機能も備えています。センテンスの最初の1文字めに「.」(半角ピリオド)か「#」(半角シャープ)を入れると、見出しとして認識。左側の見出し一覧にリスト表示され、目次として使えます。コンマの数を増やすことで最大10階層のツリー構造にもできます。執筆中に前後の章の内容を確認したり、書くべきことを適切な章で記載したりと、長文の入力に便利ですね。

日本語入力環境は、「ポメラ」独自のIMEである「ATOK for pomera」が支えています。日常で使う言葉に関しては、一切合切問題ナシ。基本となる辞書は明鏡国語辞典 MX、ジーニアス英和辞典 MX、ジーニアス和英辞典 MXを採用しており、さらに辞書を拡張することで語彙を増やせます。

 

なお、補助辞書のなかには漫画家名辞典、テレビ番組名辞典、戦国武将名辞典など、一風変わった用語を登録できる辞書もあります。

 

・乾電池や充電式電池が使える

バッテリーは単三電池x2本、データ保管用に使うコイン電池x1です。

アルカリ単三電池2本で使ってみたところ、11時間ほどでバッテリーが切れました。公称の持続時間約20時間とは差がありますが、これは僕が頻繁に画面をリフレッシュしていたからでしょう。それでも実測値で10時間超え、というのは頼もしい限りです。

 

・やっぱりコンパクトさは高ポイント!

フルサイズのキーボードを持ちながら、収納モードにトランスフォームさせるとiPad miniよりも小さくなるのがお気に入り。

 

また、執筆したテキストはQRコードや、SDカードFlashAir™️を用いることでスマートフォンやパソコンにワイヤレス転送できます。書きっぱなしで終わらず、オンラインで送信したり共有したりするための機能も備わっていますよ。

 

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