文房具
2018/8/24 17:00

尻尾つきのシヤチハタに、高級車の製造技術を活用したペンも!「文具展ISOT」をおさらいしよう

先日、東京ビッグサイトで「第29回 国際文具・紙製品展」が開催されました。通称は「ISOT(イソット)」。年に一度の“文房具の大商談会”とあって、日本のメーカーだけでなく世界各国から出展があり、また世界中の小売店担当者やバイヤーが集まります。

 

そこで、文房具の魅力を紹介する「毎日、文房具。」編集長として、またISOTを盛り上げるべく昨年から登場した「ISOT 文具PR委員」の一員として、文房具の最新情報を収集してきました。会場で歩いた歩数はなんと、2日間で3万歩オーバー。文字通り足を使って集めた情報の中から、個人的に気になった文房具を厳選して紹介します。

 

まずはアイデア抜群の新製品を3つご紹介しましょう。

 

ロングセラーの油性ペン「マッキー」にオプション追加!「マッキーワーク」

ゼブラの新商品「マッキーワーク」は、細字のキャップに特殊な形をした突起がついています。

 

これが先端の突起。

 

なんとここで、ダンボールのガムテープをビーーーッと破ることができるのです。

刃物が付いているわけではないので、安全。カッターが持ち込めない場所での作業にもおすすめです。

 

ゼブラ「マッキーワーク」についてはコチラも → 乾かない&段ボールが開く!? アスクルの新作マーカーにグッとクル

 

東大阪の発明家、横田氏のアイデアを具現化「横田文具」

数々の特許を持つ、東大阪市の発明家である横田氏のアイデアを、エイジ化成が具現化して完成したのが「横田文具」シリーズ。

 

ローラーを回すことで、付箋を1枚ずつかんたんにめくれる「簡単にめくれる付箋ケース」や、

 

紙に折り目をつけることなく、一枚でもピシっと立てることができる「クタっとならないペーパースタンド 」など、

この手があったか! というアイデアと、スタイリッシュなデザインが見事に両立している製品でした。私もデスクにいくつか置きたいと思います。

 

エイジ化成「横田文具」についてはコチラも →まさに発明! 好きが高じて文具マニアがメーカーに作らせた文具が凄すぎ!

 

高校生が考えた「レシート日記」

レシートを貼って、その日に買ったものやお出かけの記録を残すための日記「レシート日記」です。ありそうでなかった新しいライフログツールだと感じました。

 

表紙のデザインもレシートっぽくなっていて可愛いですね。

 

続いては、デザインに優れた文房具の中から、特に“カワイイ”文房具を3つご紹介します。35歳のおじさんが言うのもなんですが、カワイイは正義です、えぇ。

 

SNSに写真をアップするときに使える「吹き出しノート」

これはスガイワールドの「吹き出しノート」

 

これを使えば、あたかもその人、もしくはペットやモノが話をしているかのような写真が撮れます。

SNSに写真をアップするときにぴったりですね。これもありそうでなかった製品。

 

スガイワールド「吹き出しノート」についてはコチラも → 機能追求型と遊び追求型。多様化する最新ノートの振り幅が凄い!

 

いつもよくみる輪ゴムがミニサイズ缶に「オーバンド缶 30g」

ミニサイズになるだけで、なぜこんなにカワイイのでしょうか。よく見る輪ゴム「オーバンド」のミニサイズ缶です。

 

丈夫なブリキ缶に入っているので、どこにでも持ち運びができて便利です。またハローキティデザインや迷彩柄などもありました。

 

猫好きにはたまらない「ネーム9 着せ替えパーツ おめかしっぽ」

ビジネスシーンでも家庭でも、なくてはならないとても便利なシヤチハタのネーム印「ネーム9」の 猫着せ替えパーツ「おめかしっぽ」

とってもキュートな猫柄+しっぽにチェンジできます。猫好きにはたまらない製品です。

 

【機能部門】グランプリは誰でも安全に切れる「キッター」

折る刃式カッターナイフを発明したオルファが、まったく新しい“切る体験”を提案。

 

「キッター」はご覧のとおり、刃が特殊なプラスチックで圧着して保護されており、切れる部分が最小限しか出ていません。先も尖っておらず平らになっていて、これなら子どもも安心。

 

下のスタンドには刃を折る機構があり、安全に刃を折ることもできます。初めてのカッターに最適な一本と言えるでしょう。

 

100年ぶりの進化で、かるーく開くダブルクリップ「エアかる」

もうひとつ、機能部門で気になった製品を挙げておきましょう。“てこの原理”を応用し、開く力を最大約50%も削減したダブルクリップ、「エアかる」(写真右)です。

 

ダブルクリップとは、もともとテコの原理を使って開け閉めをすることができるのですが、本体部分に小さな突起をつくり「支点」の位置をずらすことで、軽い力で開けることができるように。

 

さらにレバーの長さを変更することで、“てこの原理”をさらに利用し軽い力でクリップを開くことができるのです。

右がエアかる。レバーが長く、指に負担がかからない形状です。これが、実際に触ってみると驚きの軽さ。これからのダブルクリップのスタンダードになってくれたら、うれしいなと思います。

 

プラス「エアかる」についてはコチラも → ダブルクリップが唯一の弱点を克服! 発明から100年で初の革新とは?

 

【デザイン部門】グランプリは簡単にページを入れ替えできるノート「FLEXNOTE – UPWARD NOTEBOOK」

手で引き抜く・指で押しはめる、という簡単な動作で一枚ずつページの入れ替えができる、国内初のディスクバインド方式のノート「FLEXNOTE-UPWARD NOTEBOOK」です。

 

ルーズリーフやシステム手帳とは、またひと味違うページの入れ替え機構。私も仕事用ノートとして使ってみたいです。今後、手帳用のシートや対応するパンチのようなものがもし出てくれば、さらにカスタマイズの幅が広がりそう! 期待大です。

 

国内外の高級車に搭載される自社技術を筆記具に!?「Laurett’s MLK万年毛筆」

こちらは、丸安精機製作所の「Lairett’s MLK 万年毛筆」。“超美麗切削加工”という、世界レベルの切削加工により作られたボディはとても美しく、また触り心地も気持ちいいです。ずっと触っていたくなるような触感!

 

筆の部分も、「開明墨汁」とのコラボで筆運びの良い書き味を実現しています。

 

さて、ISOTには海外メーカーの出展も年々増えてきています。最後に、海外文具の注目作も紹介しておきましょう。

 

台湾初、高品質でカスタマイズ自由な「KEEP A NOTEBOOK 寫筆記」

台湾のCHING CHING STATIONERY(青青文具)の「KEEP A NOTEBOOK 寫筆記」は、A5スリム、もしくはコンパクトなハンディサイズのノートです。

 

紙は高品質で、万年筆とも相性がいいんです。リフィルの種類の豊富さが特徴で、一般的な横罫や方眼はもちろん、左ページが横罫で右ページが方眼のタイプや、旅の記録に適したものなど、さまざまなリフィルがあります。

「DIY MULTI POCKET NOTEBOOK COVER」を使えば、使いたいリフィルをセットして持ち歩くことも。私も台湾現地の文房具店で見たことはあるのですが、ぜひ日本でも取り扱って欲しいです。

 

いかがでしたか? 新製品の中にはこれから発売を予定しているものもありますから、発売が待ち遠しいですね!

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。