「あれもしかして……軽い?」と気づくエアイン消しゴム
明らかにギミックづいている感のある「磁ケシ」に対して、見た目も雰囲気もまったく従来通り、白くて四角い“ザ・消しゴム”なのが、プラス「エアインキッズ」だ。
触ってみても手触りが違うワケでなし、素材感もお馴染みの消しゴムだ。
これで何がどう進化しているのか、むしろ進化しているはずがないだろう、などと思うのも分かるし、実際に2Bの鉛筆で黒く塗った面を一般的な消しゴムとゴシゴシと消し比べてみても、消字性能はほぼ一緒。普通に良く消えるけど、つまりこの時点でエアインキッズが特に進化している感はない。
しかし、ここで「消しゴムはゴシゴシこするもの」という思い込みをいったん脇に置いて欲しい。その上で、スルスルと軽~く、「これじゃ消えるわけないだろ」ぐらいの感じで筆跡をなでてみると……さっきゴシゴシこすったのと同レベルで、消えるのだ。
たぶん、消しゴムで消す感覚を長らくアップデートしていない人だと驚くはずだが、最新の消しゴムの消し味は、これぐらいの軽さなのである。ただ、あまりに軽くなでるだけだと消しカスが出ず表面が汚れていくので、たまにちょっと力をいれてわざと消しカスを出してクリーニングするのが、使うコツだろうか。
製品としては、児童鉛筆の標準であるB~2Bの濃さでもしっかり炭素を吸着させる新開発の樹脂を使用。さらに樹脂内には吸着作用を持つゼオライト(微細孔を多く持つ鉱物)と空気を閉じ込めたマイクロカプセルを配合し、軽い力で炭素を吸着して消せる! というのが、製品名であるエアインの由来だ。
この能書きの内容がどう機能しているのかは正直なところよく分からないが、ただ、大量の誤字を消すなどの作業に対して、手の疲れ具合が全く違ってくるぐらいには消える軽さが違うとは思う。
樹脂以外の部分では、スリーブ(紙製のケース)にうっすらと凸凹のエンボス加工が施されているのも良い。このエンボスが、軽い力でホールドしても指が離れないように滑り止めとして機能しているのだ。細かいポイントだが、なかなかに効いていて面白い。