【きだてたく文房具レビュー】読書がはかどる&はかどりすぎない(?)ツール
最近、以前から買い集めていた文房具関連の古雑誌・ムック類を、あらためて読み直している。新しい書籍はできるだけ「Kindle」などの電子書籍で買って移動中に読みたいので、自宅で腰を据えて本を読む、というのは久しぶりなのだが、これはこれで落ち着くし、楽しいもの。
……ところが、ちょっとだけ問題があった。古い雑誌だけに紙がやたらとパサついていて、ページめくりが難儀するのだ。もちろん、筆者の指先が加齢により水分保持ができなくなっているせいもあるが、いちいち指を舐めてページをめくるのは気分が良くないし(なにせ古本だし)、とはいえずっと指サックをはめっぱなしというのも面倒くさい。なにかいい手はないかな、と模索しているタイミングでちょうど良さそうなものを入手したので、使ってみた。
“事務用スポンジ”が進化していた!
その“良さそうなもの”というのが、CHIRORIの「name LUNA(ネームルナ)」。事務用スポンジ(切手濡らし器)の進化版である。
事務用スポンジとは、水を張った容器にスポンジや海綿を入れ、しみ出す水分で切手の糊面を濡らせて貼る、というのが主な用途。あとはスーパーの荷詰め台やコンビニのレジ裏でも、指を濡らしてビニール袋の口を開けやすくするのに置いてあったりもするので、つまり、パサパサな本のページめくりにも使えるのだ。
本当に古くからあるレガシーな道具なので、そんなものが今さら進化するのか! と驚いたのだが、使ってみると確かにかなり便利になっている。
先にも述べたとおり、従来品はスポンジや海綿に水を含ませて使うのだが、しばらく放置していると表面が乾いてしまうので、指でぐっと押し込んでまた水分を補充するという作業が必要だ。これがちょっと押しすぎただけで指がびしょびしょに濡れすぎてしまうし、切手を適度に湿らせるのはなかなか難しい。
ところがname LUNAは、スポンジの代わりに吸水体として珪藻土のような多孔質の焼き物を使用しているため、水につけている限り表面が適度に湿っているのである。
感覚的には、表面にごく薄い水の膜が張っている感じ。なので、吸水体をスッと指先や切手で撫でるだけで、常に最適な濡れ具合になる、という仕組みだ。
この“常に最適な濡れ具合”というのが読書用に非常に重要で、集中して読んでいる最中に指先の水分が多すぎ、少なすぎ、というのを考えなくて済むのがとてもありがたい。ページがめくりにくくなったな、と思ったらスッとname LUNAを撫でてまためくる。無意識のルーチンで指先の水分補給ができるのだ。
これなら指をペロリとする必要はないわけで、つまりname LUNA=「なめるな」という名前の由来である。
水分を含むものだけに、夏場は衛生面にも気を払いたい。スポンジや海綿は、しばらく使っていると水が腐敗して変な匂いがしてくるし、カビたりした場合はもう交換するしかない。しかしname LUNAは容器・吸水体ともに焼物だというだけあって、熱湯消毒が可能なのだ。
なんか匂うなー、と思ったら熱湯にしばらく漬け置き。あとは古い歯ブラシなどで軽くこすってやればお掃除完了で、再びすっきりと使えるというわけ。ちなみに説明書によると「洗剤を使うと吸水力が落ちることがある」とのことなので、洗剤はNGだ。
読書にも最適な作業タイマー
name LUNA以外でもうひとつ、最近の読書中に机の上で使っているものがある。作業タイマーだ。
なにせあれこれ読んでいるのが楽しいもので、うっかりすると「うわ、もうこんな時間か!」と慌ててしまうことがある。そのため、あらかじめタイマーで1時間なら1時間と設定してから読み始めるようにしているのだ。
そこで多用しているのが、ドリテックのタイマー「タイムアップ」である。
そんなのスマホのタイマーアプリでいいだろう、という話もあるが、スマホはしばらく放置すると省エネ設定で画面が消えてしまう。あと何分ぐらい残っているか、などをいつでもチラッと目をやるだけで確認できるようにするには、常時画面表示が出ている専用のタイマーが便利なのだ。
タイムアップは液晶画面がナナメになっているため、机に置いた状態でも画面が見やすいのが、まず重要なポイント。
四角い板状のタイマーは置き方や光源の位置によって画面が見にくくなることもあるが、このナナメ液晶は机に平置き+着席の姿勢で使っている限り、だいたい目に入る。
もうひとつのポイントが、本体上部にあるクイズの早押し機のような巨大な円形ボタン。これをポンと叩くことでタイマーのスタート/ストップができるのだ。これならアラームが鳴っても素早く止めることができるし、使い慣れないうちでも「あれ、アラーム止めるのどのボタンだっけ」みたいに慌てることがない。
また、例えば工作で糊付けの乾燥待ちタイマーに使うと、両手で圧着しながらでも掌底でボタンが押せるし、もちろん工具などを握ったままでも操作できる。
作業時には非常に使いやすく快適なツールなのである。