文房具
2019/8/14 19:15

大阪の文具ファンが熱狂!「文紙メッセ」がこんなに濃密なイベントだなんて

いま、一番アツい文房具の展示会イベントはどれ?と聞かれたら、たぶん「文紙メッセかな」と答えると思う。

 

文紙メッセとは、毎年8月に大阪・マイドームおおさかで開催されている展示会で、在阪のメーカーを中心に70社以上が出展するとあって、なかなか規模も大きい。なにより、ISOT(国際文具・紙製品展)をはじめほとんどの展示会が業界内向けで部外者が立ち入れないのに対して、文紙メッセは一般ユーザーOK……というか、むしろユーザー超ウェルカムなのである。どれくらいウェルカムかというと、開催日が2日間(今年は8月6日・7日)ある中で、業界向けなのは初日の午前中だけ。それ以降は、受け付けさえすれば誰だって入場可能なのだ。

↑マイドームおおさかの会場ゲート。一般入場時にはここが完全に人で埋まる
↑マイドームおおさかの会場ゲート。一般入場時にはここが完全に人で埋まる

 

なので、雰囲気はほぼ“文房具のお祭り”という感じ。平日開催なのに、夏休みということもあって“おじいちゃんおばあちゃんが孫と一緒に”とか、“ベビーカー押した若いお母さん集団”とか、そういった普通の文房具好きな人たちがメーカーの展示する新製品やワークショップで超絶盛り上がっているのである。この雰囲気は、ほんとアツい。

 

そこで今回は、“文房具好きなら見ておくべき展示会”こと文紙メッセを、イベント編・新製品編の2回に分けてがっつり紹介させてもらおうと思う。まずはその激アツな雰囲気を伝えるべく、文紙メッセとはどんな感じのイベントなのかをご紹介しよう。

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この数時間後、すごいことになります

さて、こちらは文紙メッセ初日の午前中。業界関係者のみが入れる時間帯の会場の様子である。

↑いたって平和な初日午前中の会場風景
↑いたって平和な初日午前中の会場風景

 

まぁ、基本的にどのブースもスイスイと回ってみられるぐらいの余裕な雰囲気。取材する側としてはこの時間が勝負で、とにかく今のうちに新製品チェックをしておかねばならない。なぜならこの数時間後、一般入場OKとなる午後からは、どえらいことになるからである。

↑一般入場開始直後にはもうこんな感じに。とにかく熱気がスゴい
↑一般入場開始直後にはもうこんな感じに。とにかく熱気がスゴい

 

↑SONICブースで新製品をガチチェックしている子どもたち
↑SONICブースで新製品をガチチェックしている子どもたち

 

先にも述べたとおり、関西の文房具好きが老若男女問わずドワーッと集まってきているのだ。いや、むしろ初日だからこの程度で済んでいるのであって、全日ユーザーデーとなっている2日目となると、正直こんなもんじゃない。わざわざ有給休暇を取った文房具ガチ勢が加わるので、すごい騒ぎに。まさに、関西の夏の文房具祭りなのである。

 

では文紙メッセでの“お祭り”らしいポイントを3点、レポートしていく。

 

【文房具のお祭りその1】フォトスポットがいっぱい

文紙メッセ会場には、お祭り感を盛り上げるために各種フォトスポットがあちこちに用意されている。ここで文房具フォトを撮ってSNSにアップしてね、というわけだ。

↑日本ノート(2019年にアピカとキョクトウが経営統合してできたメーカー)ブース。フォトスポットでノートの表紙になれるぞ
↑日本ノート(2019年にアピカとキョクトウが経営統合してできたメーカー)ブース。フォトスポットでノートの表紙になれるぞ

 

↑巨大ハイパーL型と写真が撮れるOLFAブース
↑巨大ハイパーL型と写真が撮れるOLFAブース

 

さらにフエキブースでは、おなじみフエキくんがお出迎え。フエキくんだらけのフォトスポットで一緒に写真撮影が可能だ。フエキくんのあまりのかわいさに、子どもだけでなく大人も並んでまで写真を撮ろうとするので、この周囲は特に人だかりがすごいことになっている。

↑女の子に手を振るフエキくん。動きがいちいちかわいい
↑女の子に手を振るフエキくん。動きがいちいちかわいい

 

↑そりゃ、おじさんも写真撮るよね!
↑そりゃ、おじさんも写真撮るよね!

 

これ以外にも、顔出しパネルやらなにやらがあちこちにあるので、下手するとバエる写真を撮りまくってるだけで1日が終わってしまうぐらいなのだ。

 

続いて、お祭りポイント2点目は大充実のワークショップだ。

【文房具のお祭りその2】楽しすぎるワークショップ

文紙メッセのお楽しみといえば、欠かせないのがワークショップ。各メーカーともに、自社製品をアピールする催しを展開しているのである。

 

例えば、毎年人気なのが絵の具メーカーのターナー色彩。今回は木製のドアプレート(ホテルで「起こさないでください」とドアノブにかけておくアレ)に、ターナーの水彩絵の具で自由に彩色しようというワークショップを展開していた。

↑基本的に人が途絶えないターナーのワークショップ。ものすごい人気だ
↑基本的に人が途絶えないターナーのワークショップ。ものすごい人気だ

 

↑基本的に人が途絶えないターナーのワークショップ。ものすごい人気だ

 

もちろん塗ったあとはお持ち帰りできるので、その出来によっては、これで「夏休みの自由工作、完成!」となってしまうわけだ。そりゃ、お子さんに人気なのもうなずける。

↑こちらはサクラクレパスのスクラッチアートワークショップ。これも、夏休みの宿題として提出可能だ

 

そして数多あるワークショップ群の中でもとりわけ人気なのが、コクヨのブース。なんとコクヨは製品ブースを一切展開せず、ただワークショップのみで会場1フロアの1/3近くを占めてしまうという大展開である。

 

で、今回のメインイベントが、コクヨの文房具を使って5つのオリンピック競技を体感しようという「記録に挑戦! コクヨぶんぶんスタジアム」だ。

↑チャレンジ待ちで長い列ができていたコクヨの「ぶんぶんスタジアム」
↑チャレンジ待ちで長い列ができていたコクヨの「ぶんぶんスタジアム」

 

例えば、針なしホッチキスの「ハリナックス」を使ったカヌー競技は、「スタート!」の合図と共に両脇に長机に並べられたハリナックスを左・右・左・右とカヌーを漕ぐように競技用紙をパンチして留めていく、というもの。

↑競技スペースには、分かりやすいルール表示ボードが設置
↑競技スペースには、分かりやすいルール表示ボードが設置

 

↑15秒で、カヌーを漕ぐよう右に左にとハリナックスで留めていく競技。意外と焦る!

 

留められた箇所の数によって、金・銀・銅のメダルがもらえるのだが、慌てているとなかなかハリナックスの中に紙を差し込めず、難しい。

 

他にも面白かったのが、ホワイトボードマーカー「ヨクミエール」を使ったアーチェリー競技。1mほど先に貼られたA4用紙に印刷された標的をよく見ながら、クリアホルダーに「このあたりかな?」と見当をつけてヨクミエールで点を描く。

↑離れた場所にある標的をよーく見て……
↑離れた場所にある標的をよーく見て……

 

↑クリアホルダーの「この辺りに標的がくるはず!」という位置にヨクミエールでマーキング
↑クリアホルダーの「この辺りに標的がくるはず!」という位置にヨクミエールでマーキング

 

最後に的の用紙をクリアホルダーに差し込んで、みごと描いた点が標的に命中していたら得点ゲット。複数の標的の得点を合計した結果で、こちらもメダルが獲得できる。

 

やってみるとこれがかなりの高難度で、おばさんの「なんで当たれへんのー!」という絶叫(この人は面白いほどに的から外れていた)や、小学生男子の「あかん!全部当たるまで帰らへんで!」という悔しそうな叫びが周囲に響いていた。

↑おっ、これはかなりの命中率! で金メダルゲット
↑おっ、これはかなりの命中率! で金メダルゲット

 

他にも、円盤の重さである2kgぴったりになるよう、NEOS収納ボックスに文房具を詰める円盤投げ競技(?)など、ハードな競技が満載。やたらと盛り上がった熱戦空間となっていたようだ。

 

続くお祭りのポイント3点目はやはり、文房具の物販だろう。

【文房具のお祭りその3】屋台で文房具を買って帰ろう

文紙メッセは、展示会なのに物販コーナーがある、というのがまた面白い。展示ブースで見て気になったあの製品が、普通に物販コーナーで買えたりするので、そりゃお客さんもテンション上がって爆買いするわな、といった感じなのだ。

↑フエキくんグッズも買い放題
↑フエキくんグッズも買い放題

 

また、ふだんあまり文房具店では見かけないようなレアアイテムや文房具モチーフ雑貨、特価商品、さらにはメッセ限定アイテムなんかもあったりで、文房具好きなら財布のヒモもゆるみまくり。

 

筆者もうっかりあれこれ買いまくったので、途中で一度、帰りの新幹線代が残っているかと手持ち現金を確認し直したぐらいである。いやー、おそろしい!

↑文房具コラボのコスメアイテムも特価販売中。すごい勢いで売れていた
↑文房具コラボのコスメアイテムも特価販売中。すごい勢いで売れていた

 

何度も言うが、これ、平日開催のイベントなのである。なのにこの盛り上がりっぷりは本当にすごい。関西の文房具メーカー・文房具好きのアツさは半端ないなー、と驚くばかりだ。

 

とにかく行ったら楽しいのは間違いないので、できれば関西以外の文房具ファンにも一度は体験してみてほしい。数少ない一般入場ウェルカム展示会なのだから、わざわざ旅費を出してでも見に行く価値はある! と断言できる。ほんと、来年はぜひ。