改善の余地あり! のポイントは?
逆に、使っていて「これはちょっと……」と感じたポイントもいくつかあった。
まず、日中の屋外では液晶が暗すぎて視認がつらい。外出時にインフォで着信を受け、誰からのものか確認しようと画面を見ても、表示を読み取ることができなかったのだ。屋内であれば問題ないのだけれど、ウェアラブル端末として外で使いづらいのは、もったいないだろう。
もうひとつ、液晶画面にかからないようにクリップがかなり短めになっているのだが、これも使いづらかった。
ジャケットの胸ポケットや内ポケットであれば、なんとかフチにクリップがかかるのだが、シャツの胸ポケットはギリギリか、届かないかというところ。高価な製品だけにうっかり落として壊したり紛失したりというのは避けたいのだが、これからのシーズン、ワイシャツの胸ポケットにひっかかってくれないのはちょっと怖い。
画面の視認性など理由はあってのこの長さとポジションだとは理解できるが、それなら画面から90度ずらした位置で、もう少し長いクリップだと良かったのになー、と感じた。
さらには、移動中にイヤホンで聴いていた音楽のボリュームが突然ハネ上がって、心臓が止まりそうなほど驚いたこともあった。これはタッチパネルがシャツポケットのフチに擦れて、勝手に操作されてしまったのが原因である(シャツが汗で湿っていて、タッチパネルに通電したらしい)。
これもポケットの深さに由来するトラブルなので、ジャケットなどでは起きない気もするのだけれど、とはいえ今後もありうるトラブルだ。音楽に関する操作はイヤホン側のインターフェースで行う人も多いだろうし、アプリでこの辺りの操作自体のオンオフができるようになると、ありがたい。
ウェアラブル端末としてのボールペンの価値
他にも、本人以外でも簡単に通知内容が見えてしまうセキュリティ面の弱さなど、いくつか不満はあるものの、とはいえボールペンをウェアラブル端末にするという発想は悪くない……というか、かなり良いと思うのだ。特に筆者は、腕時計の装着感が苦手でスマートウォッチを使いこなせないので、同様の機能があるスマートボールペンは純粋にありがたい。たぶん、そういう人は自分以外にもいるんじゃないだろうか。
お馴染みキングジムのニッチ戦略製品ということで、どれほどの人にフィットするかは不明。だが、これらの不満点を見た上でなお気になるという人なら、試してみる価値はありそうだ。
できればいい感じにヒットして、バージョンアップした“インフォ2”が出るくらいになってくれると、嬉しい。例えばPowerPointなどプレゼンソフトの操作ができるようになったり、スマートロックやFelica/NFCに対応してくれたりしたら最高なんだけど!
※2019年7月末には、キングジムよりインフォ本体のファームウェアアップデートが発表された。通知設定の改善のほか動作もより安定しているようなので、すでに利用しているユーザーの方はぜひファームの更新をおすすめする。