文房具
2019/10/8 19:30

子ども心も大人心も鷲掴み! かわいい上によく消える令和の“ファンシー消しゴム”

【きだてたく文房具レビュー】かわいくて、きちんと消せて役に立つ消しゴム

昭和50年代頃、「かわいいけれど役に立たないファンシー消しゴム」というジャンルがやたら人気な時期があった。キャラクター型の消えない消しゴム(キン消しや怪獣消しゴムもこれに属する)、透明素材で消えない消しゴム、粉末状のどう消せばいいか分からない消しゴム……などなど、消しゴムと名乗っているくせに消字性能ゼロに近い“駄消しゴム”が、大量に出回っていたのだ。

 

これらは、“消しゴム”を名乗ることで学校に持ち込み可能となる“半オモチャ”という位置づけだったので、かわいさ優先。消せる必要はなかったわけである。

↑昭和の役に立たない消しゴムたち。こすっても、紙が黒く汚れていくだけだった
↑昭和の役に立たない消しゴムたち。こすっても、紙が黒く汚れていくだけだった

 

しかし時代は平成を経て令和の現在、「かわいいけれど役に立たないファンシー消しゴム」はもう、どこを見回しても存在しない。実は今のファンシー消しゴムは、素材や技術の進化により「かわいくて、きちんと消せて役に立つ」が当たり前なのだ。

 

消せないファンシー消しゴムを知る我々の世代から見ると「これで消せるとかウソでしょ?」と言いたくなるような、最新ファンシー消しゴムとは、どのようなものか。昔を知らない子どもにバカにされないよう、しっかりチェックしておこう。

 

頭髪を磁力でカムバック! かわいくて機能的な「磁ケシ」スピンオフ

まず紹介したいのは、GetNavi webでも何度も取り上げてきた「磁ケシ」の新バージョン、「おじケシ」だ。

 

「磁ケシ」は、黒い消しゴム(B~2Bの濃い鉛筆も良く消える高性能なもの)の中に微細な鉄粉が練り込まれており、その消しカスをスリーブ底部に内蔵した強力磁石で吸着させて、ポイと捨てられるというもの。

【関連記事】鉄粉入りに空気入り…軽く消えてカスがまとまる「最新消しゴム」2傑
https://getnavi.jp/stationery/336361/

 

もちろん「おじケシ」も機能的には全く同じ……なのだけど。

↑クツワ「磁ケシ(おじケシ)」/各280円(税別)
↑クツワ「磁ケシ(おじケシ)」/各280円(税別)

 

ラインナップは、かわいいおじさんキャラが6人。で、この6人ともに共通なのが、ええとあのー、頭髪を簡略化することにより頭頂部で気温や天候の変化を敏感に感じ取れるよう進化したタイプということ。で、なんでこういう特徴的な“ヘアスタイル”の人たちが「磁ケシ」になっているかというと、つまりはこういうことだ。

↑消しカスを集めると、いつの間にかおじさんがフサフサに!
↑消しカスを集めると、いつの間にかおじさんがフサフサに!

 

スリーブ底部(おじさんの頭)に強力磁石を内蔵しているので、消しカスを集めるとこの通り、フサフサ黒々とした頭髪がおじさんの頭に戻ってくるのである。カムバック青春。リメンバーあの頃。

 

どう見てもヅラだろうそれ、という気はするが、それでも心なしかおじさんたちの顔も喜んでいるように見えるのは、感情移入しすぎだろうか。

↑消しカスを捨てるときは、おじさんの頭のスライダをずらすと磁力がオフに
↑消しカスを捨てるときは、おじさんの頭のスライダをずらすと磁力がオフに

 

集まった髪の毛もとい消しカスは、ゴミ箱の上でスリーブ底部をスライドさせることによって、まとめてポイと捨てられる。

 

ちなみにこのとき、再び毛を失っちゃったおじさんたちの頭にお花が咲くのだが、これは大きすぎるショックで茫然自失した……的な比喩表現なの?(だとしたら切なすぎる)

↑クツワ「磁ケシ(動物)」/各280円(税別) 写真の他、リスやハリネズミなど全10柄
↑クツワ「磁ケシ(動物)」/各280円(税別) 写真の他、リスやハリネズミなど全10柄

 

ちなみに、「おじケシ」と同時発売された「磁ケシ(動物)」シリーズは、もうちょっとストレートにかわいい感じ。柴犬や猫などの動物10種がスリーブに印刷されており、こちらも同じように底面の磁石で消しカスを吸着するようになっている。

↑黒猫ちゃんが磁石で集めてくれた消しカスを……
↑黒猫ちゃんが磁石で集めてくれた消しカスを……

 

「あれ、こっちは頭髪みたいなギミックはないの?」と思いつつ消しカスを捨てようとスライダを引き出すと……あれ、かわいい!

↑お手々でポイ!これはかわいい!
↑お手々でポイ!これはかわいい!

 

なんと動物たちが、掴んでいた消しカスを、手を伸ばしてポイと捨ててくれるのだ。こちらは切なさゼロで、ついつい何度もポイさせちゃいたくなること請け合いだ。

 

お馴染みの良く消える消しゴム「レーダー」が透明に!

もう一つ紹介したいのが、9月に発売されたばかりのSEED「クリアレーダー」だ。

 

レーダー消しゴムといえば、水色のスリーブが関西より西の地域ではお馴染みすぎるほどに定番な、東のMONO消しゴムと並ぶ消しゴムオブ消しゴム。そのレーダーがなんと、透明化してしまったということで、西側の文房具好きが今、かなりザワついているのだ。

↑SEED「クリアレーダー」/150円(税別) 一回り小さな100円(税別)サイズもある
↑SEED「クリアレーダー」/150円(税別) 一回り小さな100円(税別)サイズもある

 

↑ノーマルのレーダー消しゴム(上)との比較。従来の“レーダーっぽさ”をそのままに、うまくクリア化している
↑ノーマルのレーダー消しゴム(上)との比較。従来の“レーダーっぽさ”をそのままに、うまくクリア化している

 

実物を見ると、なるほど、ザワつくのも当然と思える美しさだ。後ろの文字が透けて見えるほどに消しゴム自体の透明度が高く、さらにお馴染み水色のスリーブも半透明に。

 

従来のレーダーのイメージを残したまま、透明さを強く感じさせるデザインにより、まるでレーダー消しゴム型の氷か!? というほどに儚く繊細な雰囲気に仕上がっている。

↑下の文字も透けて見えるほど。この透明感が美しい
↑下の文字も透けて見えるほど。この透明感が美しい

 

さらにすごいのは、ここまで透明なのにしっかり消えるということ。実際、従来のレーダー消しゴムと消し比べてみても、感触が「やや硬くてペトつきがあるかな?」ぐらいで、消字性能はさほど差が感じられないほどに高い。

 

透明消しゴム=こすっても黒い汚れが紙に広がるだけ、という固定概念に縛られた昭和世代にとっては、これは驚きしかない。

↑透明なのに、きちんと消えるのが驚き
↑透明なのに、きちんと消えるのが驚き

 

SEEDとしては「透明イメージを活かすために夏に発売したかったのが、消字性能を確実にするため改良に改良を加えているうちにタイミングが遅れて9月発売になってしもたんですわー(テヘ)」とのこと。

 

なにせこのクリアレーダー、期間限定アイテムではなく今後も継続して販売する定番ラインナップになるそうで、その辺りもあって相当に力を入れて開発したようだ。消しゴム専業メーカーが作ったフラッグシップの透明バージョン、どれほど本気で作られているか、ぜひ店頭で見つけたら手に取って試してみて欲しい。

 

 

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