開け方がパカリ! という意外性=「パカリ」
もうひとつ意外性ペンケースとして面白いのが、キングジムの「パカリ」。「タテオキ」タイプ・「ヨコオキ」タイプの2種類あるが、これまたどちらも見た目は従来と変わらない地味さで、新製品っぽさはかなり薄い。
ではどこに意外性が潜んでいるのかというと、開ける瞬間にあった。
まずヨコオキタイプは、本体の上面を真っ二つに割ると、中心から折れるように開くのだ。磁力で固定されていたフラップから割れて開く感触は、まさに「パカリ」という感じで、ついつい用もなく何度も開閉してしまう気持ちよさだ。
折れた状態では左右の収納部が磁石でくっつき、安定して置けるスリムなトレーに早変わり。本体自体が薄いためトレーとしてはかなり狭い印象だが、最後に使ったもの(=前回最後にケースに戻したもの)が一番上に出てくるため、いつものレギュラーなペンをすぐに取り出す、といった使い方には最適だ。
また、二つに分割されたトレーということで、筆記具とその他、という使い分けにも対応する。
タテオキタイプも開ける瞬間が面白い。ジッパーを引いていくと、裏面側のフラップがパカリと自動で開くのである。これは中央にゴムベルトが仕込まれており、その張力が動力となっている。
この自動で開いた裏面フラップには先端に滑り止めがついており、ここを支点にして安定して自立する。
一方、表側のフラップは手動で開く必要があるが、こちらは折り返したところで本体に磁力でピタリとくっつく。この状態で使えば、ペンスタンドとして狭いスペースでも使いやすいというわけだ。
どうせなら表裏面ともに自動で開いてくれたら面白いのだが(張力にジッパーが負けるんだろうな)、これだけでも充分に意外性があって面白い。
ただ、実際に使ってみると、収納内部の仕切り板がやや高く、ペンを取り出すのにちょっと邪魔だなー、というのが気になった。特に必要なければ、仕切り板はなしで使う方が軽快かもしれない。ただし、ペンなどを入れない状態で仕切り板を外すと、ゴムの力でペンケース自体が折れ曲がってしまうので、この点は要注意だ。
【バックナンバー】
きだてたく文房具レビュー