文房具
2019/12/3 19:30

ノートの課題“検索性”を解決!記録を整頓し一覧できる「ソーティングノート」

【きだてたく文房具レビュー】脳内を書き出し物理的に整理するノート

仕事用のノートのつけ方にはみんな悩んでいるようで、世の中には“仕事がはかどるノート術”というような書籍が溢れている。その溢れっぷりときたら凄いもので、なんなら試しにAmazonで「ノート術」と検索してみるといい。100冊、200冊どころではない、うへぇ……と言うほどの量がずらーっと出てくるから。

 

その上、業種や本人の性格や、ノートつけに使える時間量などで方法論は全く違ってくるわけで、もしあなたが「自分にベストな仕事用ノート術を知りたい」と思っても、これらの鉱脈の中から最適な一冊を掘り出せるかどうかというと、正直、運次第だろう。

 

ただ、これらのノート術本を何冊かパラパラと読んでいると、結構高い頻度で共通するキーワードが出てくる。それが「検索性」だ。

 

要するにノートというのは、情報をまとめてストックしておいて、それを必要な時に見返すためのもの。後からその情報を探すことができなければ、ノートは単にインクで汚れた紙の束に過ぎない。巷に溢れるノート術なるものの正体は、結局のところ「必要な情報をいかに早く見つけられるか」の技術なのである。

 

それなら物理的に検索性をアップしたノートを使えば解決じゃん? ということで、今回は“ノート術というノウハウ”を習得する手間なく、手軽に情報検索できるノート&ファイルバインダーを紹介しよう。製品自体にノート術のノウハウがインストールされているため、使うだけで達人級のノートができあがるはずだ。

 

日付順に並べれば情報は見つけやすい

例えばPCのファイルであれば、必要な情報を探す際には、文字列で検索したり、日付順にソートしたり、という方法がある。しかし手書きのノートの場合は、文字列検索なんて不可能なので、日付順に並んでいるであろうページを順番にパラパラめくっていくしかない。

じゃあ、せめてノートを日付でソートできるようになればだいぶラクになるはず! という発想で作られたのが、天野製作所の「Sorting Note(ソーティングノート)」だ。

天野製作所
Sorting Note(ソーティングノート)
右:整理するノート A5 Note 850円(税別)
左:整頓するファイル A4 File 1650円(税別)

※現在は全国のLOFT各店舗で販売中。

 

「Sorting Note」は、A4サイズのファイルとA5リングノートの組み合わせで運用するのが基本だ。

 

まずは専用ノートをリングが天になるように開いて、好きなようにノートを書き付ける。紙面は点線タイプの8㎜方眼で、細かくチマチマ書き込むよりは、イラストなども含めてザックリと記入するのに向いている。

 

紙自体も厚めで、筆記具を選ばず気持ちよく書き飛ばすのにちょうどいい。おっ、いい紙だな、と思ってあらためて確認したら、なんと用紙はマルマンの筆記用紙 「MPS-N 80g/㎡」(高品質ノート「Mnemosyne(ニーモシネ)」と同一)だった。

↑リングノートの紙面は点線罫の8㎜方眼。天側にノート用のリング穴、左側にルーズリーフピッチ穴という、一見すると不思議な構成だ
↑リングノートの紙面は点線罫の8㎜方眼。天側にノート用のリング穴、左側にルーズリーフピッチ穴という、一見すると不思議な構成だ

 

↑天側の情報欄は、ハッキリ見やすいように太めのペンで書いておくと、あとから探しやすくなる
↑天側の情報欄は、ハッキリ見やすいように太めのペンで書いておくと、あとから探しやすくなる

 

ノート記入時に重要なのが、上部にある情報パート。左から「分類見出し」「日付」「タイトル」「連番」と欄が並んでいるので、ここをしっかり書いておく。運用上、分類見出しと日付欄は最低限入れておくこと。正直、ノートの中身よりもこちらの情報のほうが重要なぐらいだ。

 

この情報パートを書き終えたら、次にリングのすぐ下にある切り取り線からピリピリとページを分離する。

↑書き終わったら、切り取り線からページをピリピリと切り離す
↑書き終わったら、切り取り線からページをピリピリと切り離す

 

切り離したら、これをA4ファイルバインダーにファイリング。ページの左端に、ノート用リング穴とは別のファイル穴が空いているので、これをファイルのリングに上から綴じていくわけだ。

 

A4タテのファイルにA5ヨコの用紙を綴じていくわけだから、この時点では下の方にかなり空きスペースができるのだが、まだ気にしないでいい。

 

ズラして綴じていくことで情報欄だけを一覧できる

同日以降のノートページへの記入が発生したら、また同じように情報欄を埋めて、切り離して、今度は最初に綴じたページの1個下のリングにズラして綴じる。それをどんどん続けていくと、上から下に向かって情報欄が日付ソートされたリストの状態でずらりと並ぶ、という仕組みである。

↑リング穴を1つずつズラしてファイリングしていった状態。日付ソートされたファイルリストが並んでいるイメージで、感覚的に必要な情報の場所が捉えやすい
↑リング穴を1つずつズラしてファイリングしていった状態。日付ソートされたファイルリストが並んでいるイメージで、感覚的に必要な情報の場所が捉えやすい

 

これならいちいちページをめくって確認しなくても、いつの情報かというのが一目瞭然!というわけだ。

 

ファイルにはインデックスシートが付属しているので、できれば分類見出しが別のものは分けてファイルしていくといい。これなら見出し・日付でダブルソートされるため、より情報の検索性が高まるのである。

↑ファイルのリングは、下のスライダーを引くと開き、押し込むと閉じる構造。プラ製のわりに堅実な作動感があって、よくできている
↑ファイルのリングは、下のスライダーを引くと開き、押し込むと閉じる構造。プラ製のわりに堅実な作動感があって、よくできている

 

もう一段検索性を高めるなら、どんなに紙面内の書き込みが少なくても、1ページ1案件という原則を守るのがベスト。ノートがもったいない……といって、ついつい別の打ち合わせ議事録を同じページに同居させてしまったら、それだけで検索精度がガクッと落ちてしまう。1枚13円ちょっとの紙を惜しんで、それ以上の価値を生み出すかもしれない情報を活用できないほうが、どちらかといえば無駄ではないだろうか。(実際、1ページ1案件の原則は、多くのノート術本でも言われていることだ)

 

ノート+ファイルの組み合わせなので、後から好きなだけ編集ができるのもポイントだ。例えば、それぞれの案件で結局ボツになったアイデアメモを“どこかで再利用できそうなネタのストッカー”としてまとめなおしておくと、非常に便利である。

 

「なにか面白いアイデアないですかねー」と相談されたときに、すぐさまファイルを繰って「こういうの、どうでしょう」と提示できると、いかにもアイデア豊富な人のようで、得することも多いだろう。

 

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