「ドット入り罫線」を理系と文系で使い分ける時代
対して、現在の特殊罫ノートブームの先駆けであり、そもそも学生ノートの王者とも言えるほどの人気を誇るのが、コクヨの「キャンパスノート(ドット入り罫線)」シリーズだ。
その中でも特に注目なのが、理系科目に最適化された「キャンパスノート(ドット入り理系線)」と、文系科目に便利な「キャンパスノート(ドット入り文系線)」である。
コクヨ
キャンパスノート(ドット入り理系線/文系線)
各170円(税別)
まず理系線の方は、メインの横罫に行幅と同じ(A罫は7mm、B罫は6mm)間隔でドット刻みが入っている。ここまでは従来のドット入り罫と変わらないが、さらに罫線と罫線の間に行を4等分する細かい3列のドット(作図ドット)が印刷されているのだ。
この作図ドットを基点にすることで、グラフや図表、回路図なども美しく描きやすい、という仕組みである。
従来であれば、そういった作図は方眼で行うのが基本。とはいえ、方眼は後から見返すときにどうしても方眼のマス目が目立ってしまい、鉛筆やシャーペンの線が見づらいという欠点があった。
対してドットであればさほど気にならず、かつ描きやすい。もちろん板書などの文章はメインのドット入り罫を使えば、横罫と変わらぬ使い心地となるのだ。
対して文系線は、まずメインのドット入り罫からして少し特殊なA+罫(7.7mm)、B+罫(6.8mm)という行幅のもの。なぜそうなっているかというと、+で少し増えている分を使って、行の上側を点線罫で区切っているのである。
普段文章を書く場合は、この点線を罫線の上辺として使うことで、行間が少し空くことになる。それによって、文章がみっちり詰まっている状態より読みやすくなるというわけ。
ちなみに章見出しなどは行をフルに使えば、少し大きな文字となって目立たせることもできる。
ノート使いに慣れた人間ならば、行間空けはこれまでも無意識にやっていること。だが、それを誰でも最初からきちんとできるように罫線の機能としてインストールしているのは、なかなか面白い。
他にも、英文であれば点線で空いた空白を使って発音記号や単語の意味を小さく書き込んだり、縦書きにして漢文のレ点・返り点を書いたり、という使い方も可能。
行を一部だけ区切ることで、多用途に情報を詰め込めるようになっているのである。
最初に紹介した「ロジカル・Tラインノート」と比べると、やや見た目に学生っぽさは否めないが、機能的にはビジネスシーンでも充分便利に使えるはずだ。
なにより、学生だけにこういう便利な罫線を独占させておくのはもったいない。まずは”綴じノートだから“と避けずに、一度使ってみて欲しい。ホント、よくできてるから。
「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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