文房具
筆記用具
2020/7/30 19:00

木の香りに絶妙な重量バランス…世界のクリエイターを魅了する鉛筆「ブラックウィング」が愛おしい

【ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法】

番外編

文房具への造詣が深い放送作家の古川耕氏が、「文房具でモテるための100の方法」と銘打って文房具への愛を語る連載が、とうとう100回に達した。『GetNavi』は創刊から20年を超える雑誌だが、その半分近く、およそ8年半に渡って掲載された、長寿連載であった。うれしいことに次の連載はすでに予定されているが、今回は好評にお応えし「番外編」として、アンコール回をお届けしたい。


パロミノ
ブラックウィング
3840円(税別)
世界最高の芯と木材を用い、クラフトマンシップを持つ職人によって作られた鉛筆。いつの時代も親しまれるマットブラックの木軸、本品のシンボルともいえる金色の金具と黒の消しゴム、そして柔らかな書き味が世界中のクリエイターを魅了する。1箱12本入り。芯の硬度は「SOFT」。

 

由緒ある海外製鉛筆で心豊かにモテる

緊急事態宣言明けで久しぶりに訪れた大手雑貨店の文房具コーナーで、パロミノのブラックウィングが大きく陳列されているのに目が留まりました。以前からセレクトショップでよく見かけてはいたものの、なぜかこれまで食指が伸びなかったその鉛筆をふと手に取ってみると、しっくりと馴染んでとても心地良い。その日は手ぶらで帰ったものの、いつまでも指先に残る感触が忘れられず、後日この連載のために取り寄せました。

 

紙箱を開けると木の香りがふわっと漂い、専用のシャープナーで尖らせて書き始めると、思わず小さく声が出ました。どうやらブラックウィングの特徴である、尾尻の平らな消しゴムと金属パーツが絶妙な重心バランスを生み出しているようです。紙の上で芯が削られていく感覚がほど良く感じられ、安い鉛筆によくある、上滑りする感じがまったくありません。このちょうど良い「鉛筆らしさ」が、しかし以前は確かに苦手だったのです。

 

どれだけ鋭く尖らせても、瞬く間に線が丸くぼやけ、一瞬前とはまったく違う線となってしまう。書いていて、これほど「時間」を感じさせる筆記具はほかにありません。それがなぜかいま、愛しく感じられるようになったのは、コロナのせいでしょうか。いまはただ、その懐かしい書き味を楽しんでいます。来月から、この連載も心機一転。「手書き」について考えていきます。

パロミノ
ブラックウィング ワンステップ シャープナー
3400円(税別)
絶妙に歪曲したラインで芯を長く削り、折れにくい完璧な先端を作り出せる鉛筆削り。キャニスターには3回分の削りクズを溜められる。

 

「ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/koh-furukawa/