文房具
2020/8/7 21:30

強粘着テープを指に粘着させない二律背反を実現!スコッチ「スーパーホールドテープ」と技ありサックの組み合わせが最強だった

ちょっとした補修作業において「とりあえずセロハンテープを貼っておけ」というような、いわゆる“セロハンテープ信仰”の根強さ、というのがある。

 

これはおよそ60代以上の人に多く見られる傾向で、なにか紙が破れていたり、プラパーツの断裂などに対して、セロハンテープさえ貼っておけばひとまずは大丈夫だろう、というものだ。場合によっては、メガネのツルが折れた部分にセロハンテープをぐるぐる巻きにして「修理した!」と言い張る人がいるくらい。恥ずかしながら、筆者の母親だ。

 

筆者としては、さすがにそこまでセロハンテープ(に代表される透明粘着テープ)に全幅の信頼を置いているわけではないが、それでもいまだに使う機会は少なくない。封緘(ふうかん)作業には、テープのりや封緘のりのほうが効率的になったものの、梱包や配線の仮止めなど、ちょっと固定しておきたい用途には、相変わらず便利なのだ。

 

そこで今回は、最新の透明粘着テープと、テープ貼り作業に便利なツールを紹介したい。

 

透明テープの最新版は品質が大幅アップ!

まず紹介したいのは、2020年6月に発売された3M「スコッチ スーパーホールドテープ」だ。

3M
スコッチ スーパーホールドテープ
(小巻18mm ディスペンサー付き)
400円(税別)

 

基材はセロハンではなくポリプロピレンだが、まぁザックリ言えば、お馴染みセロハンテープと同じように使える透明な粘着テープである。

 

では既存のテープと何が違うのか?

なにより最大のポイントは、粘着力のアップだろう。試しにテープを引き出してみると、指の腹にベタッとしっかり貼り付くのが感じられる。おそらく、しばらくこの手のテープを使っていなかった人なら「えっ、こんなにくっつくの?」と驚くであろうレベル。

 

製品として「粘着剤を従来の30%増量」を謳っているだけあって、一般的なセロハンテープやメンディングテープと比較しても、粘着の強さは圧倒的だ。仮止めするにしても、例えば「重量的にセロハンテープだとちょっと粘着力が不安だな」と感じていたケースでも、これなら使えるかもしれない。

↑従来のセロハンテープ(左)と「スーパーホールドテープ」(右)を紙に貼って引き剥がしてみた。テープ側についてくる紙の量で、粘着力の差が見えるだろう

 

ただ、個人的に最も感心したのは、粘着力以上に、テープそのものの使いやすさ。基材(フィルム部分)にしっかりとしたコシと厚みがあるため、長く引き出したテープがヘニャッと曲がって粘着剤同士がくっつく、いわゆるテープが輪になるミスが起きにくいように感じた。

 

また、粘着力が強いにもかかわらず、引き出し抵抗が少なく、スルーッとロールから引くことができるのも嬉しいところ。

↑テープは通常よりわずかに厚い(0.061㎜)程度だが、それでも取り回しが良くなっているように感じられる

 

さらに、これは使い始めたばかりなのでなんとも言えないが、粘着剤の劣化が少ないというのも、売りのひとつとなっている。

 

セロハンテープがゴム系粘着剤なのに対して、スーパーホールドテープはアクリル系粘着剤。ゴム系よりも耐候性・耐光性に優れているのは確実なので、少なくとも半年経たないうちに黄ばんでくる、なんてことはないはずだ。

↑「スーパーホールドテープ」(左)とセロハンテープ(右)の封を水没させたもの。セロハンテープは水に弱いので、少し力を入れると簡単に破れてしまう

 

ちなみに、ポリプロピレン基材+アクリル系粘着剤の組み合わせは、がっちり強粘着+耐水性の梱包用PPテープと同じ組み合わせ。封緘にも、水に濡れるだけで簡単に破れてしまうセロハンテープより安心して使えるだろう。

 

さて、もうひとつ、テープ貼り作業用に最近見つけて「これいいな!」と思ったモノがある。

テープが指にくっつかない! 貼り作業に必須の指サック

さてもうひとつ、テープ貼り作業用に最近見つけて「これいいな!」と思ったのが、鈴木ラテックスの「くっつかNICE」(くっつかないッス)だ。

 

個人的に、そのネーミングセンスはかなりどうかと思うが、まぁその名前通り、テープが指にくっつかない指サックである。

鈴木ラテックス
くっつかNICE(M・Sセット)
オープン価格(実勢価格253円)

 

1パッケージにS・Mサイズの2つ入りなので、使用時はテープを引き出す手の親指と人差し指に装着する想定のパックなのだろう。

 

これを装着して粘着テープを引き出すと……おお! 指を離すとテープがハラリと落ちる! つい今までのクセで、人差し指の腹からテープを引き剥がすような動作をしてしまうが、そんなのは完全に無駄なアクション。普通に指を開くだけで、簡単にテープが取れるのだ。

↑テープを引くときに、指に粘着する感じがまったくない。すごい違和感のある手応えだ

 

パッケージ裏の説明書きには「特殊加工でテープがまとわりつかない」とだけあるが、それはおそらく、指サック表面の微細な凹凸のことだと思われる。

 

梨地のような加工で粘着面との接触面積を減らし、それに加えて素材であるシリコンゴム自体の非粘着性があるため、ここまでテープの粘着剤がくっつかないのだろう。

↑指の第一関節あたりまでびっしりの梨地加工。粘着剤はつかないが、グリップ力は充分に発揮する

 

指サックをしてテープ貼り作業をすれば、当然だが、テープ表面に皮脂で指紋が残ることもない。皮脂が付かない=粘着力が落ちないということで、引き出したあとの貼る作業が行いやすくなるのもポイントだ。先に紹介したスーパーホールドテープや、梱包用PPテープなど、強粘着テープとの相性も抜群である。

 

テープの見た目が指紋で汚くならないので、プレゼントの梱包など見た目重視の作業にもおすすめだ。

↑素手と「くっつかNICE」でテープを引いた場合の指紋汚れ比較

 

一枚、二枚の貼り作業程度では、いちいち指サックをするほうが面倒だろう。が、大量に粘着テープを貼るのであれば、これはかなり有効。そういった機会があるなら、ぜひテープがハラッと取れて落ちる感じを味わって欲しい。なかなかの感動モノだから。

 

 

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