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2021/1/25 18:15

【菅未里の自腹買い文房具】システム手帳が2020年代を再び賑わせる理由と、まとめ買いした手帳とは?

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

今回、菅さんがクローズアップするのは、近年、文房具ファンたちを中心に徐々に見直されている「システム手帳」。1980年代後半、“バブル時代”と時を同じくするように出現すると、利便性にファッション性も相まって空前の大ヒットとなりました。巷のビジネスパーソンはこぞって紙ものの情報を詰め込み、小脇に持ち歩いていたものです。現在のスマホの役割を果たしていた、と言っても過言ではありません。

 

それが令和時代のいま、再びのブームの兆し。その理由は、時代がめぐって再び受け入れられるようになった、というより、システム手帳自体が時代やユーザーに合わせて大きく変化したことにあったようです。

 

変化するシステム手帳

システム手帳が今、大きく変化しています。

 

かつては男性ビジネスパーソン向けだったシステム手帳ですが、近年は“趣味性”が高まっています。とくに、「体調管理」や「読書」など、特定のテーマに関する記録をつける“ライフログ”としての使い方が増えているようです。

 

使い方の変化に伴い、デザインも変わっています。バインダーの色は黒や茶、素材は革が多かったのですが、最近はファブリック(布)やビニール製なども加わり、色もカラフルに。同じ「システム手帳」といっても、以前のものとは見た目からまったく異なります。

さらに、担い手も男性ビジネスパーソンだけではなく、女性が多くなっています。あらゆる点で、昔とは大きく変わっているのです。

 

新型コロナウイルスの影響で大判が増えた!?

さらに今年は、新型コロナウイルスの影響もありました。コロナ禍により在宅勤務が増えたことで、家でシステム手帳を使う人が増えました。

 

その結果、今までほど携帯性が重要視されなくなっているようなのです。したがって、システム手帳の弱みだった重さが、あまり気にされなくなっています。

 

文房具の小売店大手、伊東屋のシステム手帳の担当者によると、A5サイズなどやや大きなサイズも見直されているようです。パンデミックの影響は、こんなところにも表れているのですね。

 

システム手帳サロンに集まる人々

そんな状況下で、2020年11月に開催されたのが「銀座 伊東屋 システム手帳サロン」です。銀座 伊東屋に、システム手帳だけの催事場が設けられ、システム手帳や凝ったリフィルなどが一堂に会するこのイベントは、手帳ファンなら見逃せないシステム手帳の祭典です。

 

11月6日(金)~24日(火)の19日間にわたって行われたこのイベントですが、私は3日間も参加してしまいました。うち2日はプライベートで、残りの1日はYouTubeの撮影のためです。

 

「ものすごい盛況!」とうわさを聞いた私は、できるだけ人が少ない平日日中を選んで参加したわけですが、システム手帳への需要の高さが伺えました。

 

さらに面白いのは、客層は30〜40代女性が中心だったこと。まだまだおさまらないコロナ禍のもと、高価な手帳も多いこのイベントにわざわざやってくる彼女たちのパワーは、システム手帳界の変化を物語っているのではないでしょうか。

 

文具ソムリエールが買ったのは? 異なる革を組み合わせたRIOWAのシステム手帳

そんな私も、会場で限定品を買ってしまいました。お財布メーカーであるRIOWAがこのイベントのために作ったシステム手帳です。

↑菅さんが手に入れたのは、RIOWAのリミテッド。「stripes システム手帳 ミニ6」

 

↑“ミニ6サイズ”と括られるポケットサイズも人気。その名のとおり、リング穴は6つだ

 

異なる革を複数種類組み合わせているのがわかりますか? 珍しい意匠に魅せられた私は、ひとつ2万1000円(税別)にも関わらず、ミニ6サイズを2つ(!)も買ってしまいました。今買わなければ、もう手に入らないのではと思ったからです。

 

これもシステム手帳サロンの魔力でしょうか。

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/